参院自民勝っても内紛 (日刊ゲンダイ2010/7/20)
「中堅VSベテラン」「生え抜きVSくら替え」
◇だれと戦っているのか
まったく懲りない人たちである。予想外の大勝に浮かれる参院自民党の面々が、国民そっちのけで党内闘争を始めている。やはり、この政党は勝たせちゃダメだった。
まずは参院会長ポストの奪い合いだ。3年の任期が切れる尾辻参院会長の後任をめぐり、中堅VSベテランが火花を散らしている。中堅・若手は、40代で大臣経験もある林芳正参院政審会長(49)でまとめようとしているが、年寄り連中は谷川幹事長の昇格で突き進もうとしている。
「先週の金曜日、谷垣総裁と大島幹事長、川崎国対委員長、尾辻参院会長、谷川参院幹事長の執行部がホテルで緊急会議を開いた。これも次期参院会長をめぐり、参院のベテラン2人が牽制しようとしたのでしょう」(自民党中堅)
参院の役員人事は選挙ごとに行われる。会長は、15人の推薦人を集めた候補者による選挙で決まるルールだ。ただし、これまでは幹事長が無投票で昇格してきた。長年の慣例を破る動きに、年寄りたちはカンカンだ。しかも、「林が会長になれば、山本一太(写真右上)と世耕弘成(写真下)がしゃしゃり出てくる。苦労知らずの世襲のボンボンのくせに、党改革だ何だとデカイ顔するのは我慢ならない」(自民党ベテラン)という声は根強い。
「生え抜き」と「くら替え」のさや当ても始まっている。
今回の参院選は、衆院6回当選で大臣もやった小坂憲次や小泉チルドレンの猪口邦子、片山さつき(写真左上)、佐藤ゆかりら合計6人の衆院議員経験者が当選した。みんなプライドだけは立派なもの。早くも「自分たちは、ほかの参院初当選組とは違う」とアピールしているという。
そんな態度が、参院一筋のベテランや中堅議員の感情を逆なでしている。
「選挙前から、『くら替え組は全員落ちればいいんだ』と言い放つ参院議員もいました。衆院の落ちこぼれが立候補する現状にカリカリしているのです。普段から扱いは衆院議員より下。パーティーでの挨拶も、参院議員というだけで当選回数に関係なく後回し。その上くら替え組に引っかき回されるようなら、『やはり参院はクズばかり』となりかねないから必死です」(自民党事情通)
闘う相手を間違えている?