●鳩山氏「首相は反省示して」 内幕暴露しつつ代表選支持

(asahi.com 2010年7月23日4時0分)  http://bit.ly/bwmv3Q



 鳩山由紀夫前首相は22日のBS11の番組収録で、参院選で敗北した菅直人首相について、「消費税の議論を生煮えで出した反省を示し、党内をまとめるべきだ」などと批判した。ただ、9月の代表選では首相を支持するとした。

 鳩山氏は菅首相が財務相当時から「消費税で自民党と一緒の主張をすれば争点から消えるから大丈夫」と主張していたことを暴露。小沢一郎前幹事長らとこぞって反対した経緯を明かした。

 首相が打ち出した鳩山氏肝いりの国家戦略局構想の縮小方針にも「(首相は)私に『法案がなかなか通らないから』と説明したが、最初からあきらめてもらいたくない」と不快感をあらわにした。

 また、菅政権の人事には「幅広く取り込む人事をしたら良かった」と述べ、「脱小沢」路線を進めた首相の姿勢を批判。一方で、9月の民主党代表選の話題になると「代わったばかりで(首相を)降ろすという話にはならない」と述べた。



●民主党代表選:菅首相の続投を、鳩山前首相支持

(毎日新聞 2010年7月22日) http://bit.ly/cy9nVI


 鳩山由紀夫前首相は22日午前、BS11の番組収録で9月の民主党代表選について「菅直人首相に代わったばかりで、菅首相を降ろすという話にならない。内閣を取り換えればいいという安易な発想ではない」と述べ、首相の続投を支持する考えを示した。

 一方で鳩山氏は「しっかりとした総括が必要だ。地域に重くのしかかったのは(菅首相の)消費税の話だった」と指摘。国家戦略室の機能を縮小する菅政権の方針についても「国家戦略局(への格上げ)は国民に対する約束だ」と批判した。

 また、自身が小沢一郎前幹事長と近く会談するとしたうえで「(小沢氏側への配慮は)当然だ。民主党でガタガタやっている余裕はない」と語った。

 金賢姫(キムヒョンヒ)元死刑囚と拉致被害者家族らの面会場所に別荘を提供した経緯については、中井洽拉致問題担当相から依頼があったとした。【朝日弘行】



●首相再選支持、小沢氏と会談、「橋渡し役」名乗り…鳩山氏に「謹慎」の発想なし

(産経ニュース 2010.7.22 23:36) http://bit.ly/cr0ViQ

9月の民主党代表選で菅直人首相支持を明らかにした鳩山由紀夫前首相 民主党の鳩山由紀夫前首相は22日のBS番組収録で、9月の党代表選で菅直人首相の再選を支持する考えを表明した。米軍普天間飛行場移設問題の混迷を受け、在任9カ月で退陣した鳩山氏だが、小沢一郎前幹事長らと会談し、影響力誇示に余念がない。首相と小沢氏の「橋渡し役」にも名乗りを上げた。とはいえ、今期限りの引退方針を早くも撤回するなど「ぶれ」は相変わらず。失墜した信頼を取り戻す道は険しい。(小島優)

 「菅さんは代わったばかりだ。すぐに首をすげ替えることにはならない」

 鳩山氏は番組収録で首相の再選支持を誰よりも早く表明した。6月2日の電撃退陣表明から50日しかたっていないが、鳩山氏に「謹慎」という発想はない。参院選中から好き勝手な発言を繰り返してきた。

 自らが敷いた路線をゆがめられることには不快感をあらわにした。22日も「菅政権は頭で考える人でなく心で考える人をもっと登用すべきだった」「消費税議論が生煮えの中で唐突に国民に出してしまった」「前政権との違いを際立たせようとすると落とし穴に落ちる」「多少エゴが出ているのではないか」-。首相が進める国家戦略局構想の格下げや普天間問題への対応にも手厳しかった。 

 さらに首相が小沢氏との会談を希望しながら実現できないことを見透かし、「私が二人の間を取り持たなければいけない」と橋渡し役を買って出た。

鳩山氏は22日夜、小沢氏、輿石東参院議員会長と都内のホテルで会談した。小沢氏は上機嫌に輿石氏の参院議員会長の4選を喜んだという。

 鳩山氏は「よもやま話だ」と記者団をけむに巻くが、影響力誇示を狙っていることは間違いない。参院選敗北を「せっかく自分たちが辞めて支持率を回復させたのに許せない」と周囲に漏らしており、今後も小沢氏とのパイプを武器に首相や執行部を牽制する腹づもりのようだ。

 だが、鳩山氏のぶれは相変わらずだ。退陣表明の際に「次の衆院選には立候補せず政界を引退する」と公言したが、17日に北海道苫小牧市の後援会で撤回。22日には「地域に果たす責任がなくなるわけではない。来年3~4月までに結論を出す」と先送りした。

 自らが率いる鳩山グループ(政権公約を実現する会)の結束も崩れつつある。側近の小沢鋭仁環境相は8月に新たな勉強会を発足させる構えだが、一部は「派中派だ」と反発し、対立が深まる。

にもかかわらず、鳩山氏に反省の色はない。実母からの資金提供問題を「母親からの資金提供は知らなかったが、常識から外れた人間と烙印(らくいん)を押された。国民からかけ離れた存在だと思われたことが致命的だった」と語り、報道に問題があったと言わんばかり。在任9カ月についてはこう振り返った。

 「首相在任中は言いたいことが言えず、国民とかけ離れた存在にされる感じがした。嫌でしたね。今は生き生きしてる。喜んでよいのか分かりませんが…」



●鳩山氏、消費税で「菅首相、反省が必要だ」

(読売新聞 2010年7月22日23時00分)   http://bit.ly/dzIAPI


 民主党の鳩山前首相は22日、9月の代表選で菅首相の再選を支持する考えを表明した。


 同時に、内閣・党役員人事で挙党態勢を築くことを求め、消費税増税論議や国家戦略室の機能縮小などの「菅カラー」に異論を唱えた。同日夜には、小沢一郎前幹事長と首相辞任後初めて会談するなど、活発に動いている。

 鳩山氏は22日のBS11の番組収録で、参院選の大敗について、「どういう責任の取り方があるか議論してほしいが、首をすげ替えれば済むという話ではない。菅さんに代わったばかりで、降ろすという話にはならない」と述べ、代表交代の必要はないと強調した。

 同時に、消費税率引き上げについて、菅氏が鳩山政権で「自民党と一緒の主張をすれば、争点から消える」と主張したが、反対した経緯を明らかにし、「菅首相が一番発言しただけに反省が必要だ」と批判した。

 国家戦略室の機能縮小については、「前政権との違いを際立たせようと考えると、落とし穴にはまる。国民への約束だから簡単に外してほしくない」と述べた。人事についても「幅広く、(党内全体を)もっと上手に取り込むような人事をしたらよかった」と語った。

 鳩山氏はこの日夜、都内のホテルで輿石東参院議員会長を交えて小沢氏と会談した。会談が実現しない菅氏と小沢氏の間を取り持つ狙いがあるようだが、党内では「小沢氏と連携して菅政権の主導権を握ろうとしているのではないか」という憶測を呼んでいる。

 代表選は、菅氏に批判的な党内最大の小沢グループ(約150人)の動向が最大の焦点となっている。鳩山政権では、鳩山氏と小沢氏の協力関係のもとで政権運営が行われていただけに、小沢グループとしては、菅氏に対抗するとなれば、鳩山グループ(約60人)の協力が不可欠だ。

 鳩山グループの「奪い合い」となる可能性もあるため、党内では「首相は鳩山氏の注文を相当、受け入れるのではないか」という見方がある。ただ、安易に人事刷新や政策の見直しに応じれば、求心力低下につながる恐れも否定できない。

 8月下旬には、長野県軽井沢町にある鳩山氏の別荘で、政権交代後初となる鳩山グループの合宿を開く予定だ。他グループからの出席も多いのが慣例で、「出席者の顔ぶれが代表選の行方を占う」と注目する向きもある。