●菅首相、小沢氏との面会を事実上断念

(asahi.com 2010年7月23日20時2分) http://bit.ly/bKYCGz


 菅直人首相は23日、参院選の敗北後実現していない小沢一郎・前民主党幹事長との面会を事実上断念する考えを明らかにした。首相は参院選後、「選挙の報告」などとして党代表経験者と相次いで面会してきたが、小沢氏とは会えていなかった。

 首相はこの日、首相官邸で記者団に「残念ながら小沢氏とはお会いできなかった。若干時間も経過したので、必要な点があれば改めてお願いしたい」と述べ、いったんしきり直す考えを表明。さらに、「(参院選の)選挙総括が終わるところまで、しっかりとそこに集中していきたい」と話し、9月の党代表選をにらみ、改めて面会の実現を探る考えを示した。

 小沢氏は選挙後は東京を離れるなど公の場に姿を見せていなかったが、22日夜に鳩山由紀夫前首相、輿石東参院議員会長と都内で会談するなど、活動を再開している。一方で、12日から面会要請している首相には応じていない。



●小沢氏との面会「今後、必要な点あれば」23日の菅首相

(asahi.com 2010年7月23日19時41分) http://bit.ly/9Q6nXi


 菅直人首相が23日夕、首相官邸で記者団の質問に答えた内容は、以下の通り。

 「はいこんにちは」

 (秘書官「冒頭総理から申し上げます」)

 【熱中症対策・視察方針】

 「えーあの、熱中症でですね、倒れる方、亡くなられる方たくさん出てまして、ぜひ、国民の皆さんに、この暑い夏、熱中症にかからないように注意を頂きたいと。まあ実は私の母も、いま、88歳で、住んでるんですが、先日というか2日ほど前に電話を入れまして、あの、のどが渇いてなくてもしっかり水分を補給するようにということを、母にも言っておきました。『ああそうなの』とか言ってましたが。あの、是非国民の皆さんもお気をつけ頂きたいと思います。それからあの、まあこの間、あの、選挙やその後のことでいろいろドタバタしておりました。できるだけいろんなとこに出て、福祉とか、あるいはいろんな現場を見ていきたいと思っていまして、まあ今後は、土日、週末は、まあ車で、話を聞けるようなところに順次出て行きたいなと思っております。まあその第一弾として、明日の土曜日は、都心ですけれども、いわゆる無認可の保育所、企業がこう、グループでそういうものをつくっておられるようで、まあそこへ出かけて、朝少し早い段階ですが、子どもさん預けられる母親や、保育士の人と話をしたいと、こんなふうに思っております。私からは以上です」

 【概算要求基準】

 ――来年度予算編成の概算予算基準について、各省庁に一律一割の削減を求める方針とのことだが、27日の閣議決定で盛り込むのか。閣僚の間に反対もあるが、納得は得られているか。

 「あのそういう扱い全体について、あの、えー、官房長官と、玄葉、政調会長である玄葉大臣と、それから野田財務大臣。3大臣に、そういう扱いも含めていま、検討して頂いていると、こういうふうに理解しています」

【小沢氏との面会】

 ――昨夜、小沢前幹事長と鳩山前総理、輿石参院議員会長が会食。総理は小沢氏と会わないか。会談実現へアクションを起こしたり、代表選で協力を求める考えは。

 「あの、参議院選挙が終わった直後に、歴代の代表経験者はじめ、えー、そういうまあ、いろいろ重要な役割をこの間担って頂いてきたかたに、お会いをしたいということで、まあ多くの方とはお会いができました。残念ながら、小沢元代表とは、お会いすることはできませんでした。まあ若干時間も経過しましたので、今後またあの、必要な点があればですね、改めてお願いしたいと、こう思っております」

 ――代表選などでの協力を求める考えは。

 「まだあの、代表選ということについて、私自身、具体的にあの、どういう行動を起こすというのは、現時点でまだ考えていませんで、やはりあの、選挙のまあ総括の、一連の経緯が終わるまでは、そういう選挙の総括が終わるところまでしっかりと、あの、そこに、集中していきたいと、こう思っています」

 【金元工作員来日】

 ――キムヒョンヒ元工作員の来日を巡る対応が豪勢すぎるとの批判に、総理は安全のために理解頂けると言った。民主党は予算の使い道の透明化徹底を打ち出しているが、訪問費用は実際いくらで、なんの予算から捻出(ねんしゅつ)されてどう使われているか、把握しているか。また、費用の是非は別として、内容の説明責任をどう考えるか。

 「まあこの、あの、来日は、中井国家公安委員長を中心に、いろいろ関係者があの、努力をされたということで、私も、そういった大きいところの報告は受けてますが、費用の具体的なものといったようなことまでは、受けておりません。まあやはりあの、安全性確保ということは、当然お招きする以上はしっかりやらなければなりませんので、私はそれに必要な、いろんな待遇については、理解を頂けるんではないかと、こう思っております」

――説明責任は。

 「ですからその、もし、そういうことが必要ということであれば、担当される方が、しかるべき場所で、説明をするというのは、それは当然あっていいと思います」

 【普天間問題】

 ――普天間について、北沢大臣が8月末までに何らかの結論を見いだしたいと言った。総理自身は、どういった結論を見いだすべきだと考えているか。

 「あの、日米の、合意の中で、8月末までに、まあ専門家によるですね、一つの検討の、検討を行って、それを8月末までに終了させると。まああの、先の国会の代表質問でもそのことについてはお答えをいたしております。ただその時にも申し上げたように、まあ専門家の検討が、まあどういう形で、終わるという形かは、これからの検討によりますけども、まあ何らかの形で終わったからと言って、それですぐに何かこの、例えば工事とかが開始されるということでは全くなくて、まあそれはあくまで、専門家の皆さんの検討が、ある段階の、終了するという、そういう位置づけだと私は理解をいたしています」

 ――総理、総理。

 (秘書官「すいません」)



●鳩山氏 首相を支持だけど… “援軍”には消極的 

(東京新聞 2010年7月23日)  http://bit.ly/amwrsU


 九月の民主党代表選をめぐり、鳩山由紀夫前首相が二十二日、菅直人首相の続投支持を表明した。首相退任後も党内に一定の影響力を持つ鳩山氏の支持は首相にとって願ってもない援軍だ。ただ、鳩山氏が率いるグループには、参院選惨敗に首相の責任を問う声が根強く、首相の再選に向けた態勢が盤石になったとは言い難い。 (竹内洋一)

 鳩山氏はBS番組の収録で、代表選について「菅さんに(首相が)代わったばかりで、降ろしてということにはならない」と述べた。同時に、首相が参院選後に小沢一郎前幹事長に要請した面会が実現していないことに関し「何らかの形で二人の間を取り持たないといけない」と語った。

 鳩山氏はこの日夜、小沢氏、輿石参院議員会長と早速都内で会食し、党内情勢について意見を交わした。

 鳩山氏は「首相経験者は影響力を行使してはいけない」と言い残して退陣した。自戒を破るような発言は、代表選が「親小沢」対「反小沢」の党内抗争に発展しかねないと危惧(きぐ)し、挙党態勢の構築に一役買って出る用意があることを示したかったようだ。

 これに対し、菅首相は「大変あたたかい激励をいただいた。しっかり受け止め、頑張らないといけない」と記者団に述べた。

 ただ、鳩山氏の支持表明で、首相の再選に展望が開けたわけではない。約六十人が参加する鳩山グループには、鳩山氏が小沢氏と一緒に退いて参院選に勝利できる環境をつくったのに、首相の消費税発言が台無しにしたとの「恨み節」が充満しているからだ。

 鳩山氏も参院選の敗因として消費税発言を挙げ、「議論が生煮えで国民に唐突な感じを与えてしまった。反省が必要だ」と指摘。自身が立ち上げた国家戦略室を首相が縮小したことに「寂しい」と不快感を示した。

 鳩山氏の側近議員は「鳩山さんの続投支持はあくまで現段階の話だ。まだこれからだ」と「菅降ろし」の可能性を否定しない。鳩山氏自身も、頻繁な首相の交代は望ましくないという消極的支持にすぎず、グループを菅支持で一本化する意欲があるわけではない。

 一方、首相と小沢氏の関係は、鳩山氏が仲介に乗り出しても簡単には改善できないほど、こじれている。

 小沢氏は二十二日、前日に続き、落選した議員や側近議員と議員会館で面会。参院選について「消費税発言で浮動票がみんなの党に流れてしまった」と首相批判を口にしたという。


●頼みは『頻繁交代ダメ』 首相お寒い再選戦略

(東京新聞 2010年7月22日)  http://bit.ly/9VG8p4


 菅直人首相が九月の民主党代表選での再選戦略を打ち出せずにいる。参院選の敗因となった消費税率引き上げ論は当面、封印せざるを得ない。かといって新たな政策の旗を掲げようにも、求心力の低下でままならない。有利な材料は、頻繁な首相の交代は望ましくないとする声が党内に根強いことくらいという、お寒い状況だ。 (竹内洋一)

 参院選後、首相が語ったのは、惨敗のおわび以外にないと言っていい。ある党幹部は、首相の沈黙の狙いを「代表選さえ終わってしまえば、こっちのものだと思っている」と解説する。

 だが、その代表選を迎える前から、首相には試練が続く。今月末には、参院選を総括する党両院議員総会が開かれ、首相に対して厳しい批判が出る可能性が高い。続く臨時国会の予算委員会では、野党の容赦ない攻撃にさらされる。

 代表選で打ち出さなければならない政権運営の路線も難題だ。参院選に惨敗した以上、財政健全化や消費税率引き上げを含む税制改革を大上段に訴えても、賛同は得にくい。逆にこうした旗を降ろした場合は、一貫性がないと批判を招く。

 六月の代表選では、小沢一郎前幹事長と距離を置く姿勢が支持されたが、党内には、ねじれ国会を乗り切るには挙党態勢が必要だとの声が強まっている。細野豪志幹事長代理は二十一日の講演で、代表選について「親小沢か脱小沢かではなく、脱・脱小沢の観点で判断する選挙戦をやるべきだ」と述べた。

 こうした中、首相に強みがあるとすれば、就任から間もないということだ。党内では、首相への批判と同時に「いちいち責任を取って四季折々に首相が代わるようじゃ困る」(北沢俊美防衛相)という擁護論が根強い。

 報道各社の世論調査では過半数が首相の続投を容認し、小沢氏支持グループからも「このタイミングで菅さんを代えると言っても、国民には理解されない」(若手)との声が漏れる。二〇〇六年秋以降、首相は菅氏が五人目。民主党が野党時代、自民党が次々に首相を代えたことを批判してきた経緯もある。

 ただ、これも、代表選で対抗馬の出現を抑え込む大義名分にはなりそうにない。六月の代表選を首相と争った樽床伸二国対委員長は二十一日、自民党の川崎二郎国対委員長との会談で「三人は出馬する」との見方を披歴した。