社民 辻元清美 なぜ今ごろ離党なのか

(日刊ゲンダイ2010/7/27)

党首に祭り上げられるのを嫌った?
社民党の辻元清美が26日、離党の意向を重野安正幹事長に伝えた。
午後6時半から4時間にわたった会談は物別れに終わったようだが、辻元はきょう(27日)午後、大阪で会見。正式に離党を表明するとみられる。
「辻元は民主党に行きたくて仕方がない。今年5月、社民党の連立離脱に伴って国交副大臣を辞任した際も、『さみしい』『つらい』と泣き言ばかりで、今にも離党しそうなムードでした」(永田町事情通)
いったん思いとどまった「離党」が再び現実になった裏には、社民党の参院選敗北と福島瑞穂代表の責任問題がある。
「党内には連立離脱を主張した福島代表の責任を問う声がくすぶっています。衆院を中心に与党に未練タラタラの議員が多く、又市征治副党首は執行部の刷新を要求。先週末、記者団に『8月末の全国代表者会議でやらなければならない』と語った。又市は新党首に辻元を担ぐつもりでした。しかし、党首に祭り上げられてしまったら、離党なんて金輪際できなくなる。慌てた辻元が、先週金曜日に重野幹事長に面会を申し込んだのです」(社民党関係者)
今、このタイミングを逃したら、社民党に骨をうずめるしかなくなる。そんな焦りが、季節外れの離党騒ぎの発端なのだ。
「辻元は、重野幹事長との会談でも“連立離脱すべきじゃなかった”という話ばかりしていたそうです。社民党としては、知名度の高い辻元が抜けるのは痛い。27日の幹部会で対応を協議する意向ですが、いきなり離党を切り出された重野幹事長は『そんな話、聞けるか。社民党公認で戦ったんだから、離党なんて絶対に認めない』と強気でした。ただ、社民党の女性議員は言い出したら聞かないタイプが多いから、翻意させるのは難しいでしょう」(社民党関係者=前出)
社民党から、辻元に続く離党組がどれだけ出てくるのか。焦点はそこに移っている。