●千葉法相、死刑執行命令 信念崩し「論議」

(毎日新聞 2010年7月29日) http://bit.ly/cReovQ


 民主党政権で初めてとなる死刑執行が28日、前回の執行からちょうど1年を経て行われた。死刑廃止派の立場から存廃議論に踏み込もうとした千葉景子法相が執行命令にかじを切った背景には「執行せぬままの議論はあり得ない」とする法務省の強い姿勢があった。【石川淳一、伊藤一郎】

 「時間をかけて検討し、精査した結果このような時期になった」。28日の執行後の会見で千葉法相は顔をこわばらせながら、この時期の執行理由を述べた。東京拘置所で死刑囚2人に対する執行に立ち会った直後だった。

 執行命令は法務省幹部側の働き掛けで法相が命令書に署名するのが一般的だ。だが、関係者によると、千葉法相は参院選落選から数日後、自ら執行命令を切り出した。

 執行への立ち会いも「大臣が立ち会うことに問題はあるか」と自身が希望。24日、職員の少ない土曜に登庁し、最終的に刑事記録などを読み返して署名した。

 法務省幹部は「大臣の職務は日ごろから強く意識しており、深く悩んでの判断だろう。執行立ち会いは、自身の踏ん切りの意味と(執行への)批判を寄せ付けなくする狙いではないか」と推測する。

 ◇来月にも公開で勉強会
 死刑廃止を推進する議員連盟のメンバーだった千葉法相だが、刑事訴訟法は「死刑の執行は法相の命令による」と定める。就任後は信念と職責のはざまで揺らぐ一方、会見で姿勢を問われるたび「国民的議論を起こしたい」と刑罰論議喚起に意欲をのぞかせた。

 しかし、省内には「執行をしないままで議論を始めれば『まず廃止ありき』とも取られかねない」との慎重論が大勢。裁判員制度で市民が死刑を選択する可能性もある中、千葉法相も徐々に死刑を受け入れたとみられる。

 執行後の会見では省内の勉強会設置も発表し、法務省が消極的だった刑場の公開にも踏み込んだ。勉強会は千葉法相在任中の来月にも始動する。絞首刑が適切かどうかや、執行当日になって本人に告知する方法を改めることの是非、外部との接触が極端に限られる処遇のあり方などを議論する見通しだ。議論は開かれた場で行うとし、情報公開に向けても一歩踏み出した。

 任期終盤とも言えるこの時期、信念を崩しての執行命令と引き換えに「公約」だった刑罰論議をようやく呼び起こしたとも言える。

 ◇自民「立ち会いは異常」
 死刑執行について、民主党内からは擁護する意見が相次いだ。菅直人首相は28日夜、首相官邸で「まさに法律に沿って適正な判断をされたと認識している」と述べた。枝野幸男幹事長は「民間人法相」への批判が広がるのを見越し、千葉法相が死刑執行命令書に署名したのは参院議員任期中の24日だったことを明らかにした。

 だが、廃止議連会長の亀井静香国民新党代表は「信念を変えるなら国民に説明しなければいけない」と苦言。同議連メンバーの福島瑞穂社民党党首も「極めて残念。自民党時代の政治と何も変わっていない」と批判した。

 参院選で落選しながら閣僚にとどまった千葉法相に対し、野党は問責決議案の提出も視野に、30日召集の臨時国会で追及する構え。自民党の大島理森幹事長は、千葉法相の執行立ち会いを「異常だ。どういう心境で何のために行ったのか問いただしたい」と述べた。公明党の山口那津男代表も「(落選して)民意を得られなくなった段階で死刑執行に至るのも理解しにくい。首相の任命責任が改めて問われる」と批判した。【木下訓明、倉田陶子】

 ◇執行国、90年代から半減
 国際的には死刑制度は廃止の方向にある。アムネスティ・インターナショナルの調べでは、死刑廃止国は90年代以降、増加傾向にあり、09年は139カ国。執行した国は日本を含め18にとどまり、90年代からほぼ半減した。

 その中で日本の世論は制度存置が圧倒的。内閣府が昨年実施した世論調査では85・6%が死刑を容認し、政府が制度を存置する大きな根拠となっている。

 国内事情では93年の死刑再開以降、近年の厳罰化傾向により、死刑確定者が増加。07年に就任した鳩山邦夫法相(当時)が「自動執行」を提起し、一時は2カ月に一度の執行ペースを保った。だが、廃止議連のメンバーだった千葉氏の法相就任で1年間執行は中断。一方で今年に入っても既に5人の死刑が確定し、死刑囚は今回の執行前に過去最高レベルの109人に増えた。

 全国犯罪被害者の会(あすの会)幹事の高橋正人弁護士は「執行自体は評価するが、制度が存在する日本で執行が1年もされてこなかったことが異常だ」と指摘する。

 一方、会見した廃止議連の事務局長、村越祐民衆院議員(民主)は「不可解な変節で落選をきっかけに判断したのなら政治家として唾棄(だき)すべき存在だ」と憤った。アムネスティ・インターナショナル日本の藤田真利子理事長も「勉強会を開催するのは結構だが、ぜひ死刑執行廃止を正式表明してほしかった」と批判した。

 日本弁護士連合会の宇都宮健児会長は「積極的な議論の場の創設や情報公開を行わないまま執行したことは極めて遺憾。死刑制度が抱える問題点について幅広い議論を行い、そのために死刑執行を停止すべきだ」とのコメントを発表した。




●千葉法相2人を死刑執行、民主党政権交代後初 延命!?

(夕刊フジ 2010年7月28日17時00分)  http://bit.ly/98UjmT


 千葉景子法相(62)は28日、東京拘置所で死刑囚2人の刑を執行したと発表した。昨年9月の民主党政権交代後初めて。野党が30日召集の臨時国会で、千葉氏が参院選で落選したのに留任したことや、在任から1度も刑を執行していなかったことを追及しようという矢先のタイミングだっただけに、永田町では「追及逃れ」「保身」との批判が噴き出している。

  記者会見で千葉氏は、執行に自ら立ち会ったことを明らかにし「慎重に検討し、命令した。あらためて死刑について深く考えさせられた」と述べた。関係者によると、千葉法相が死刑執行の命令書に署名したのは24日だったという。

 執行されたのは、宇都宮市の宝石店で2000年6月、女性店員6人を焼き殺した篠沢一男死刑囚(59)と、埼玉県熊谷市などで03年、男女2人を殺害し女性2人に重傷を負わせた尾形英紀死刑囚(33)。2人の執行により、確定死刑囚は107人となった。

 千葉氏は、就任前まで「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属して死刑廃止の立場を取り、就任後も執行ゼロだったことが批判を浴びていた。急な変わり身はなぜなのか。

 仙谷由人官房長官は「法相が法の定めるところに従って適正に判断された」と強調した。

 しかし、法相在任中に過去最多となる13人の執行を命じた鳩山邦夫氏は、「法律の要請に応えて死刑を執行したことは評価できる。ただ、これまで死刑廃止と言ってきた人が、『選挙に落ちた』『死刑していない』と批判されたから態度を変えたとしか思えない。筋が通っていない。追及かわしのフェイント、あと2カ月居座りたいという欲のためにやったとしか思えない。そのために執行された人がいるとすれば、気の毒だ。千葉氏の行動はみっともない」と千葉氏の“保身”を断罪した。

 また、野党側は千葉氏が参院選で落選したことを問題視し、「国民にノーと言われた人が死刑執行のはんこを押した」(川崎二郎自民党国対委員長)と批判した。

 公明党の山口那津男公明党代表は「(千葉氏は)法相の職にふさわしいかどうかという点で民意を得られなかった。国民の理解が得られない」と指摘した上で、「菅直人首相の任命責任が改めて問われる」と記者団に語った。




●死刑執行:東京拘置所の2人、千葉法相下で初

(毎日新聞 2010年7月28日 14時13分)  http://bit.ly/9k8kYz


 千葉法相は執行後の会見で、死刑制度について存廃を含めて議論する勉強会を設置し、東京拘置所の刑場を報道機関に公開するよう省内に指示したことを明らかにした。指揮命令を確認するためとして、東京拘置所で自ら執行に立ち会ったという。法相が立ち会ったのは初めてとみられる。

 執行は07年12月の鳩山邦夫法相(当時)下での死刑執行以降、ほぼ2カ月ペースが維持されていた。だが今回は09年7月28日に森英介前法相下で執行されて以来、政権交代をはさんでちょうど1年ぶり。この間にも死刑確定は相次ぎ、今回の執行後の確定死刑囚は前回執行後の101人から107人に増えた。

 執行されたのは尾形英紀(33)、篠沢一男(59)=いずれも東京拘置所収容=の2死刑囚。

 確定判決などによると、尾形死刑囚は03年8月、交際していた当時16歳の無職少女を巡ってトラブルになった飲食店従業員の男性(当時28歳)を埼玉県で刺殺。様子を見に来た同じアパートの住人(同21歳)も絞殺し、他の2人にも重傷を負わせた。

 篠沢死刑囚は借金苦から強盗殺人を計画。00年6月、宇都宮市の宝石店を訪れ宝石を用意させ、6人を縛って休憩室に押し込み、ガソリンをまいて放火。全員を殺害し、指輪など293点(時価合計約1億4025万円相当)を奪った。

 死刑確定から執行までの期間は尾形死刑囚が3年、篠沢死刑囚が3年4カ月。【石川淳一】

 ◇命令書署名は任期切れ前日
 民主党の枝野幸男幹事長は、千葉法相が死刑執行命令書に署名したのは参院議員の任期(7月25日まで)が切れる前の24日だったことを明らかにした。



●【死刑執行】「国民にレッドカードの法相がすべきことか」野党から批判・疑問の声

(産経ニュース 2010.7.28 13:22) http://bit.ly/c6eqKr


二人の死刑確定者の死刑執行について会見する千葉景子法相=28日午前、東京・霞が関の法務省(寺河内美奈撮影) 千葉景子法相が28日、就任後初の死刑執行に踏み切ったことについて、野党各党の幹部からは批判や疑問の声が相次いだ。

 自民党の川崎二郎国対委員長は同日の記者会見で「なぜ(議員任期中の)5、6月に判断しなかったのか。国民にレッドカードを受けた人がすべきことではない」と批判。公明党の山口那津男代表も、記者団に対し「民意を得られなかった人が引き続き職務に携わることがいかがなものかと問われているときに、こうしたことを行うのは国民の理解は得られない」と語った。

 みんなの党の江田憲司幹事長は同日の記者会見で「死刑執行のハンコを押すこと自体は法務相の職責としてあり得ること」とした上で「なぜ問責が出るかどうかという極めて微妙なタイミングにあえて死刑執行の印を押したのか、まず説明してほしい」と述べた。



●死刑執行、落選法相続投への批判かわす狙い?

(読売新聞 2010年7月28日12時47分)  http://bit.ly/9FWy4Z

 千葉法相が28日、昨年9月の就任以来一度も行ってこなかった死刑執行に突然踏み切ったことについては、野党などから「30日に召集される臨時国会を控え、参院選で落選した千葉氏を続投させた菅首相への批判をかわす狙いがあるのではないか」との見方も出ている。


 仙谷官房長官は28日午前の記者会見で、「千葉法相は非常に重要な行政権行使の責任者で、あくまでも法にのっとって行った。法治主義のもとで自らの職務を全うした」と強調した。

 ただ、千葉氏の続投については野党側から「参院選での落選は有権者が千葉氏の法相としての実績を判断した結果であり、首相が内閣の都合で続投させるのは民意の軽視だ」との批判が出ている。

 千葉氏は「基本的な法務行政に対する立場に変わりはない」として、国会議員の身分を失っても政策執行に支障はないと反論していたが、野党側は臨時国会で厳しく追及する方針だった。



●2人の死刑を執行 民主政権で初 法相が立ち会い
(日経新聞 2010/7/28 11:32)  http://bit.ly/cTukBq

 法務省は28日、死刑囚2人の刑を執行したと発表した。死刑執行は昨年7月28日以来、1年ぶりで、民主党政権では初。千葉景子法相は同日の死刑執行に立ち会ったうえで記者会見し、「死刑について根本的な議論が必要」と指摘。法務省内に制度の存廃を含めて検討する勉強会を立ち上げる方針を示した。また従来外部に非公開だった東京拘置所の刑場を近く報道陣に公開するという。

 同日執行されたのは、篠沢一男死刑囚(59)=東京拘置所、尾形英紀死刑囚(33)=同。いずれも2007年に死刑が確定していた。今回の執行により確定死刑囚は107人となった。

 千葉法相は同日午前、記者会見し「いずれも大変残忍で被害者や遺族にとって無念の事件。慎重に検討し死刑執行を命令した」と話した。東京拘置所での2人の執行に自ら立ち会ったことも明らかにし、「死刑に関する根本からの議論が必要と強く感じた」と述べた。

 そのうえで、設置する勉強会について「法務省内の関係部局で構成するが、開かれた場で外部の様々な方からもご意見を聞きたい」と話した。勉強会の目的について「死刑制度の存廃を含めた制度のあり方を考え、死刑についての国民的議論が行われる契機にしたい」とした。

さらに、死刑執行の刑場について「国民的議論に資する観点から、東京拘置所において取材の機会を設けるよう私から指示した」と明かした。

 千葉法相は昨年9月の大臣就任まで「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバー。就任後は死刑について「大変重い刑罰であることを念頭に慎重に判断している」「法相の職務であることは理解している」などとコメントするにとどめ、執行の是非について明確な姿勢を示していなかった。一方で「死刑については国民的な議論が必要」との考えも繰り返し示していた。

 28日に執行された篠沢一男死刑囚は00年6月、宇都宮市の宝石店に商談を装って訪れ、店長(当時49)ら女性6人を粘着テープで縛って休憩室に押し込んだうえ、ガソリンをかけて放火し全員を殺害。店を全焼させ、貴金属293点(約1億4千万円相当)を奪った。

 篠沢死刑囚は強盗殺人罪などで起訴され、一、二審で死刑判決。同死刑囚側は殺意を否定したが、最高裁は07年に上告を棄却/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E0E6E1EAEAE2E3EAE2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXし、確定した。

 尾形英紀死刑囚は03年8月、交際相手だった当時16歳の女=殺人ほう助罪などで懲役/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E0E6E1EAE3E2E3EAE2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX5~10年の不定期刑確定=とトラブルを起こしたとして、埼玉県熊谷市で飲食店従業員の男性(当時28)を包丁で刺して殺害。犯行を目撃した男性の同僚ら女性3人を車で拉致し、1人を殺害、2人に重傷を負わせた。

 07年にさいたま地裁は「犯行は残忍、凶悪で、他者を顧みない非人間的な性向によるもの」などとして死刑判決。尾形死刑囚側は東京高裁に控訴したが、その後取り下げ確定した。



●民主党政権で初の死刑執行=法相自ら立ち会う-1年ぶり、篠沢死刑囚ら2人・法務省

(時事ドットコム 2010/07/28-12:57)  http://bit.ly/9VvJEp

 法務省は28日、宇都宮市の宝石店に放火し、女性店員ら6人を殺害した強盗殺人事件で死刑が確定した篠沢一男死刑囚(59)と、埼玉県熊谷市の4人殺傷事件で死刑が確定した尾形英紀死刑囚(33)について、刑を執行したと発表した。死刑の執行は昨年7月以来1年ぶりで、民主党政権下では初めて。
 死刑廃止論者だった千葉景子法相は同日の記者会見で、死刑執行に自ら立ち会ったことを明らかにした上で、東京拘置所の刑場を今後公開し、法務省に存廃を含めた死刑制度を考える勉強会を立ち上げる意向を示した。同省によると、法相が死刑執行に立ち会うのは初めて。
 勉強会は外部有識者からの意見も聞いた上で、結果を公表する方針。千葉法相は「死刑について広く国民的な議論が行われる契機にしたい」と述べた。
 千葉法相は、死刑執行の理由について「いずれも残忍な事件で、十分な審理を経て死刑が確定した」と述べた。前回から1年となるこの時期に執行したことには「さまざまなことを考えた結果だ」とした。
 法務省によると、未執行の死刑確定囚は107人となった。



●死刑執行に立ち会い、千葉法相「根本からの議論が必要」

(asahi.com 2010年7月28日12時44分)  http://bit.ly/dpZe6G


死刑を執行したと発表する千葉景子法相=28日午前11時4分、東京都千代田区、西畑志朗撮影
 「執行が適切に行われたことを自らの目で確認し、あらためて根本からの議論が必要と感じました」。死刑執行に立ち会った千葉景子法相は、神妙な面持ちでそう語った。

 就任以来、執行に慎重な姿勢を示し「国民的な議論」と「刑場などの情報公開」が必要との考えを繰り返してきた。執行前日の27日の記者会見でも「在任中に具体的な動きを起こす考えはあるか」と問われ「なかなか知恵がないですけれども、いろいろと念頭に置きつつ努力を継続している」と、かわしていた。

 その翌日の執行。「国民的議論をする前になぜ執行したのか」と記者会見で問われると、「国民的な議論を深めるに至ることができなかったことは確か」と認めた。そのうえで、「今後真正面から議論させていただき、それを受け止めて議論が展開していくことを願っている」と話した。

 死刑は、再審請求されている場合などを除き、判決確定から6カ月以内に執行するよう刑事訴訟法に定められている。千葉法相は、選挙前から確定した裁判記録を読むなどして「様々な要件や状況を検討してきた」という。今月の選挙で落選したことの影響を問われると「まったくそれはございません」と否定した。

 今後の内閣改造の時点で、政界から引退することを示唆しているが、省内には勉強会を設けることも決めた。その成果については「簡単に結論が出るとは思えないが、ご意見を聞きながら議論の内容を発信していきたい」。

 死刑廃止の持論をなぜ曲げたのか、という問いには「考え方を異にするということではなく、職責に定められていることをさせていただいた」と厳しい表情のまま語った。



●死刑執行:「法相職責を全う」仙谷官房長官
(毎日新聞 2010年7月28日 14時10分)   http://bit.ly/bbON7p

 仙谷由人官房長官は28日午前の記者会見で、千葉景子法相が死刑囚2人の死刑執行命令を下したことについて「千葉法相が法治主義の下で自らの職務を全うした。これ以上でも以下でもない」と述べた。

 千葉法相は先の参院選神奈川選挙区で落選し、「民間人枠」で続投している。仙谷長官は千葉法相の判断に問題はないとの考えを強調しながらも、「政権内部で個別の事案について今(死刑を)執行すべきとかすべきでないという議論をしたことはない」と語り、今回の執行は千葉法相の判断だったと説明した。【横田愛】



●「千葉法相は国民に説明を」=死刑廃止派の亀井氏らが批判
(時事通信 7月28日18時11分)http://bit.ly/czSpFQ

 超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」会長を務める亀井静香国民新党代表は28日午後、記者会見し、民主党政権下で初の死刑が執行されたことについて「死刑をすべきではないという信念を持っていた(千葉景子)法相なので、考え方を変えるのなら、国民に説明しないと(いけない)」と厳しく批判した。
 法相は閣僚就任前は同議連の中心メンバー。亀井氏は「今は政治家が日ごろの言動、信念と関係ないことを簡単にやる。千葉法相までもかと(思う)。政治家の信念や公約を国民が信じられなくなっている」と指摘した。




●政府・与党、死刑執行「適正な判断」=野党、落選法相を批判
(時事通信 7月28日13時14分) http://bit.ly/dCkrDJ

 民主党政権下で初めて死刑執行されたことについて、政府や与野党からは28日、賛否両論が相次いだ。政府・与党は「千葉景子法相が法の定めるところに従って適正に判断された」(仙谷由人官房長官)と強調。これに対し、野党側は千葉氏が参院選で落選したことを問題視し、「国民にノーと言われた人が死刑執行のはんこを押した」(川崎二郎自民党国対委員長)と批判した。
 仙谷氏は記者会見で、今回の死刑執行について「政権内部でいま執行すべきだとか、すべきでないとか議論したことはない。あくまでも任された千葉氏の判断だ」と説明した。
 千葉氏が命じたことの是非に関しては「法治主義の下で自らの職務を全うした。それ以上でもそれ以下でもない」と述べた。枝野幸男民主党幹事長も「粛々と法に基づいて法執行を行ったと受け止めている」と記者団に語った。
 これに対し、川崎氏は記者会見で「レッドカードを受けた人がやるべきことではない」と批判。山口那津男公明党代表も「(千葉氏は)法相の職にふさわしいかどうかという点で民意を得られなかった。国民の理解が得られない」と指摘した上で、「菅直人首相の任命責任が改めて問われる」と記者団に語った。  .



●法相は任期中に判断=死刑執行-民主幹事長
(時事通信 2010/07/28-13:39)http://bit.ly/a4afXa
 
民主党の枝野幸男幹事長は28日、千葉景子法相の下での死刑執行に関し、国会内で記者団に対し、法相が執行書に押印したのは参院議員としての任期が切れる前の7月24日であると「聞いている」と語った。




●死刑未執行1年、考え示さず 千葉法相

(共同通信 2010/07/27 13:09)   http://bit.ly/94rYnj

 千葉景子法相は27日の閣議後記者会見で、1年にわたり死刑が執行されていないことについて「(執行命令は)大臣の職責と認識している」と述べたが、具体的な考えは示さなかった。

 執行は昨年7月28日の3人が最後。昨年9月の政権交代で法相に就任した千葉氏は、慎重な姿勢を示し、執行も命じていない。

 死刑執行は1989年11月から3年4カ月にわたり中断。故後藤田正晴氏が93年3月に再開して以降、在任期間が短い一部法相以外は執行を命じてきたが、2005年10月に就任した杉浦正健氏は1年近い在任中、命じなかった。

 千葉氏は参院選で落選し、民間閣僚となったが「民間であろうが、(考え方に)特段変わりはない」と話した。



●「千葉法相の問責案提出を」安倍元首相、続投を批判
(産経ニュース 2010.7.15 16:27) http://bit.ly/9D225h

落選が決まり、険しい表情を見せる千葉景子氏(中央)=12日午前0時55分ごろ、横浜市中区の選挙事務所 自民党の安倍晋三元首相は15日、参院選で落選した千葉景子法相が閣僚を続けていることを「国民がノーを突き付けたのに閣僚として残るのは問題だ」と批判し、参院に問責決議案を提出すべきだとの考えを表明した。自民党を中心とする保守系議員の勉強会「創生日本」(会長・安倍氏)の会合で述べた。

 安倍氏は、千葉氏が選択的夫婦別姓制度導入などを推進していたことも批判し、「選挙区である神奈川県民の良識が示された」と主張した。



●自民・公明、荒井戦略相と千葉法相への問責提出を検討
(日経新聞 2010/7/27 19:54)  http://bit.ly/9yBz7Z

 自民、公明両党は27日、30日召集の臨時国会を前に国会内で国会対策委員長会談を開き、事務所費問題が発覚した荒井聡国家戦略相と先の参院選で落選しながら続投している千葉景子法相への参院での問責決議案の提出を検討することで一致した。荒井氏への問責決議案は参院選前の通常国会にも提出したが、採決されなかった。

 国会議員の歳費を月単位から日割り支給に変更する法案については公明側が臨時国会へ提出する方針を伝達。自民側は党内の論議を急ぐ方針を示す一方で、川崎二郎国会対策委員長は「解決しなければいけない問題はたくさんある。難しい問題だ」と慎重に検討する必要があるとの認識を示した。