沖縄 米軍関係者の犯罪が急増している!

(日刊ゲンダイ2010/8/7)
普天間問題先送りの一方で痛み拡大
─上半期は前年比7割増
沖縄県内での米軍関係者による犯罪が急増している。県警の統計によると、刑法犯で逮捕・書類送検された米兵や軍属とその家族の人数が、今年6月末現在で昨年同期比17人増の41人に上った。なんと7割増である。
今月4日には、那覇市内のアパートに侵入し、20代女性の口をふさいでわいせつな行為をした疑いで28歳の海兵隊員が逮捕された。
3月には名護市辺野古でひき逃げ事件が発生。米海兵隊憲兵隊が海軍3等兵曹の26歳の女の身柄を拘束したが、その後の米軍との調整に手間取り、名護署が女を書類送検したのは、事件から4カ月以上たった7月24日のこと。この間、被害者の補償はたなざらしにされてきた。
普天間問題の解決が先送りされる中で、被害に遭うのは一般市民である。
犯罪が起きるたびに自治体が米軍に抗議し、米軍側は再発防止を約束するが、効果は表れていない。こうした現状に沖縄平和市民連絡会のメンバーは、政府の弱腰対応を批判する。
「基地がなくならない限り、こうした犯罪は終わらない。日本政府が今のように米国にモノを言えない状態では、何ら進展しないだろうと思う。かつては、犯罪を起こした軍人を基地に囲って除隊させ、帰国というパターンだった。近年、そうした状況はようやく変わりつつあるが、根本的なことは変わっていません」
名護のひき逃げ捜査の長期化を見ても、被害者救済が後手に回ったのは歴然。日米地位協定が捜査を遅れさせたというが、こんなことが繰り返されたら県民はたまらない。
基地問題を先送りし、政権維持を図る菅政権は、沖縄県民の痛みを少しも理解していないのではないか。