●[知事選に機密費?]双方、納得いく説明を
(沖縄タイムス 2010年7月23日 09時55分)  http://bit.ly/aktpOP

 自民党の小渕内閣で官房副長官を務めた鈴木宗男衆院議員(新党大地代表)が1998年11月の沖縄県知事選で、自民党が推薦する稲嶺恵一氏陣営に官房機密費3億円が渡されたと証言した。21日放送のTBS「NEWS23クロス」のインタビューで「(官房機密費を)3億円使ったと聞いている」などと答えた。

 知事選は3選を目指す現職の大田昌秀氏と自民党が推す稲嶺氏が争い、稲嶺氏が大差で初当選した。

 大田氏は米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古沖の海上ヘリ基地を拒否、政府と対立し経済振興策がストップしていた。稲嶺氏は15年の期限を付けた軍民共用空港を造ると公約し、冷え込んだ経済の活性化を前面に押し出していた。

 鈴木氏の証言が事実であれば、国民の税金である官房機密費を使って政権党にとって好ましい候補者にてこ入れしたことになる。民主主義の根幹をゆがめるものである。

 稲嶺氏の後援会の98年の政治資金収支報告書をめぐっては自民党本部からの寄付に関連し7000万円の出入りの齟齬(そご)が生じたことがある。当時も官房機密費流用疑惑が国会で取り上げられている。

 政府は官房機密費について「国の事業を円滑に遂行するため状況に応じて機動的に使う経費」と説明するが、領収書もいらず、使い道も明らかにされない。会計検査院もアンタッチャブルである。官房長官が管理するが、裏金的な要素が強く、国民の政治不信を招く要因になっている。

 最近になって官房機密費の使途を明らかにし始めたのは、小渕内閣当時、鈴木氏とコンビを組んでいた官房長官の野中広務氏である。

 野中氏は各種インタビューで官房機密費を毎月5000万~7000万円使っていたなどと答えている。引き継ぎ帳があり、野党対策として、自民党の衆院国対委員長と参院幹事長に毎月500万円ずつ、首相側にも1000万円渡していたという。

 政治評論家らに配られたことも明らかにしている。言論がゆがめられる恐れがあるゆゆしき問題である。

 一方、鈴木氏はインタビューで自民党の歴代首相に「夏1000万円、冬1000万円」配られたと証言している。その中で県知事選にも触れ「沖縄サイドからそういう申し出があった。やっぱり選挙は勝たなければならない中で、最終的に判断されたと聞いている」と言っている。

 当時の稲嶺氏の選挙責任者らは鈴木氏に名指しされたのも同然である。

 確かに鈴木氏の証言には具体性に欠けるところがある。しかし、鈴木氏は旧沖縄開発庁長官を務め、現在は衆院外務委員長の要職にある人物である。

 稲嶺氏本人は同じ番組で「お金にはまったくタッチしていないし、そのようなことは知らない」と反論している。

 ぬれぎぬなのであれば、今度は選挙を主導した責任者らが鈴木氏に答える番だ。鈴木氏にはもっと具体的に、稲嶺氏陣営には県民が納得できる説明をしてもらいたい。



●官房機密費3億 98年知事選疑惑
(琉球新報 2010年8月4日)  http://bit.ly/9A5f0n


【東京】仙谷由人官房長官は3日の衆院内閣委員会で、1998年の沖縄県知事選時に、官房報償費(官房機密費)から3億円が稲嶺恵一前知事陣営に選挙資金として渡されたと、当時官房副長官を務めた鈴木宗男衆院議員が一部報道機関に証言したことについて、「官房長官のところにその事実関係を調査する手だてはない」と述べ、事実関係の調査はしないとした。
 仙谷氏は、一般論として官房機密費を選挙資金に使うことが適切か否かについては「官房報償費の存在が許されるとすれば、それ(使途の是非)についてもお答えしない」と明確な答弁を避けた。塩川鉄也委員(共産)への答弁。



●知事選流用「知らぬ」/官房機密費
(琉球新報 2001年3月9日)  http://bit.ly/968Dms


稲嶺恵一知事は9日午前の定例記者懇談会で、1998年11月の県知事選挙の際、首相官邸の内閣官房機密費から、知事の陣営に1億円以上が流れたと一部で報道された件について、「私は一切知らない。資金の収支は政治資金規正法に基づき、県選挙管理委員会に提出した通りだ」と述べた。

この件については8日の参院予算委員会でも取り上げられ、福田康夫官房長官は「報道を見てそんなことがあったかと思ったが、そもそも報奨費(機密費)の使途は申し上げるわけにはいかない。そういう性格のものだ」と言及を避けている。
普天間飛行場の移設問題で、代替軍民共用空港は海上への建設となる三工法に絞り込まれていることと、「本島北部の陸上に建設する」としていた98年11月の知事選挙での公約との整合性について、稲嶺知事は「海上浮体施設など、当時の撤去可能な海上案と対比し、県民の財産になるとの意味で陸上案と言った。陸上案は陸の真上に造るという意味ではない」と述べた。知事は当時の公約との整合性は取れているとの認識を示した上で、「撤去可能でない施設が望ましい」と述べ、代替軍民共用空港の建設場所は海上案以外にないとの考えを示した。
また、日米合同委員会で身柄引き渡し事案の明確化の作業が始まった日米地位協定の見直し問題に関し、知事は「被疑者引き渡しの問題だけではない。環境や人権の問題のウエートを強く考えており、改定を強く求めていく」と述べ、基地内の立ち入り調査権の確立など、その他の要望事案の見直しを今後も強く求める考えを示した。
新たな振興計画の策定に向けた県案の取りまとめ作業に関しては「長い目で見て、経済の自立が大切だ」と述べ、基地の跡地利用策が重要だとの考えを示した。



●機密費追及「忘れました」 率直、おとぼけの塩川発言
(共同通信 2003/09/16 07:36) http://bit.ly/aZi1Yj


塩川正十郎財務相(81)は16日、健康問題を理由に、20日の自民党総裁選後の組閣で留任しない考えを表明した。約2年5カ月間の財務相在任中、財政政策を指揮するだけでなく、小泉純一郎首相の「後見人」として政権運営全般で影響力を発揮。河内弁の歯に衣(きぬ)着せぬ率直な意見や、時にとぼけた味のおおらかな物言いで、さまざまな問題について発言し、注目を集めた。  「そんな神さんみたいこと、よう言いません」(2001年4月26日の就任記者会見。「景気はいつ回復するのか」との質問に)  「忘れてしまいました」(01年5月15日の衆院予算委員会。官房長官時代の官房機密費の使途に関する発言について追及され)  「嫌がってるものは、やったらいかん」(01年12月4日の閣議後の記者会見。発泡酒増税問題に触れて)



●官房機密費問題が再燃 透明化姿勢問われる首相
(共同通信 2004/02/04 10:08) http://bit.ly/d1u4jc


 自民党の中川秀直国対委員長が官房長官在任時に2カ月間で2億2000万円の内閣官房報償費(機密費)を引き出した問題をきっかけに、機密費の在り方をめぐる論議が再燃してきた。  民主党は中川氏の問題を独自調査する方針を決定。4日の参院予算委では同党議員が「国民に説明すべきだ」と追及したが、政府側は使途公開を拒否する姿勢を崩していない。福田康夫官房長官は4日の記者会見で「(使途を)明らかにすることはあり得ない話だ」と強調した。  ただ外務省機密費詐欺事件でも不正流用や外交機密費の官邸への「上納」問題が批判を浴びるなど世論の不信感は根強く、小泉純一郎首相は行政透明化への取り組み姿勢をあらためて問われることになりそうだ。



●中川秀直氏を参考人要求へ 機密費問題で菅氏
(共同通信 2004/02/14 09:11) http://bit.ly/aM0tGR


 民主党の菅直人代表は14日午後、大津市内で記者会見し、自民党の中川秀直国対委員長が官房長官時代に2カ月間で約2億2000万円の官房機密費を引き出した問題について、衆院予算委員会で中川氏の参考人招致を要求、使途について追及する考えを示した。  菅氏は「予算審議で必要な参考人は大いに招致する必要がある。指摘を受けている人から話を聞くことも重要だ」と述べるとともに、この問題で内閣官房が関係資料を広島地裁に提出したことを踏まえ「裁判所に出せるものを国会に出せないはずはない。納税者に対してどういう種類のことに使ったかの説明はあっていい」と強調した。





内閣官房機密費


(2004年2月4日)官房長官が管理し、「国の事業を円滑、効果的に遂行するための経費」とされる。支出内容は非公開。野党への国会対策費などに使われる「領収書のいらない政治資金」とも言われる。中川秀直前官房長官が新潮社を訴えた名誉棄損訴訟で、新潮社は中川氏が脅されて右翼団体幹部に多額の機密費を支払った可能性があると主張。内閣官房は広島地裁の照会に応じ、前長官在任中の2000年7―8月に計2億2000万円を支出したとの文書を提出した。