逮捕された森元首相の長男 この親にしてこの子ありの典型

(日刊ゲンダイ2010/8/9)

札付きの放蕩息子で親の力で表に出ないように工作してきた前歴もウワサされ、県議に選ばれたこと自体も怪しかった
「ついにお縄になったのか」――。
酒気帯び運転で7日に逮捕された森喜朗元首相(73)の長男で、石川県議だった森祐喜容疑者(45=7日付で辞職)を知る人々は、口をそろえてこう言った。祐喜はこれまでも「森喜朗の長男」として週刊誌に数々のネタを提供し、周囲を呆れさせてきた人物なのである。
「自民党の大物議員の息子たちとつるみ、親のカネで銀座や六本木で豪遊していたのは有名です。だれが命名したのか“自民党の3バカ息子”のひとり。芸能人を招いた誕生パーティーでの乱痴気騒ぎや六本木のクラブの元ホステスとの愛憎トラブルが報じられたこともありました。絵に描いたような放蕩息子で、議員秘書だった妻との離婚騒動も話題になった」(政界事情通)
祐喜との関係を暴露した元ホステスは、写真誌に〈歯茎に妙なものを塗られてセックスしたこともあるんです〉と告白していたから穏やかではない。
永田町では、「また、森さんのところのバカ息子が……」とウワサされることが多く、いくつかのトラブルをめぐっては「父親が手を回し、関係をもみ消した」なんてことが、まことしやかにささやかれたものだ。「県議になっても、問題行動は変わらなかった。公務や地元の行事をサボることが多く、朝から酒臭い息をさせていることもしばしば。逮捕の数日前も“体調が優れない”などと視察や会合をキャンセルしている。東京に妻と娘を残した“単身赴任”の生活も災いしたのでしょう。逮捕前夜に開かれた自民党県連と谷本知事との懇親会も欠席しています」(地元事情通)
その翌日(7日)の午前10時過ぎ、祐喜はTシャツ姿でワンボックスカーを運転し、コンビニに突っ込んだ。事故を起こしたときの祐喜は、足元がふらつき、ろれつが回らなかったという報道もある。ところが、道交法違反の容疑は「飲酒運転」ではなく「酒気帯び運転」。逃亡や証拠隠滅の恐れがないとして、きのう(8日)、石川県警小松署を釈放された。


警察署前で本人は「大変申し訳ありませんでした」と頭を下げた。ニュージーランドに出張中の森元首相も「このような不祥事を起こし、慚(ざん)愧(き)に堪えない」とのコメントを発表している。しかし、この親父からして胸を張れるような政治家ではないだろう。
リクルートや佐川急便事件などスキャンダルに次々まみれ、小渕首相(当時)死去後の密室協議で首相の座を射止めたものの、「神の国」「無党派層は寝ていろ」など数々の失言暴言で国民に見放された。退陣後はキングメーカー気取りでエラソーに振る舞っていたが、おかげで自民党は政権を失った。
この親にしてこの子ありとは、よく言ったものである。