自民敗北 止まらない内紛 谷垣降ろし

(日刊ゲンダイ2010/8/9)
民主薄氷 大激戦 長野県知事選

「民主VS.自民」の大接戦となった長野県知事選は、民主党推薦の阿部守一(49)が辛勝した。7月11日の参院選で圧勝した自民党は、参院選後初の大型選挙で勝利し、一気に菅政権を追いつめるつもりだったが、完全に思惑が外れた格好だ。
民主党を攻めるどころか、また党内がガタつきはじめている。
きのう(8日)投開票が行われた長野県知事選は、民主、自民が総力を挙げて戦う政党選挙だった。
民主党は、枝野幹事長が2回現地に入り、蓮舫、前原、原口……と閣僚を次々に投入。自民党も小泉進次郎や小池百合子を送り込んだ。
「民主党にとって長野県知事選は、政権を左右する重要な選挙だった。もし、敗北していたら負のスパイラルに陥り、党内から『菅首相では選挙に勝てない』の声が噴出し、9月14日の代表選での再選も苦しくなったでしょう。結果は民主36万2903票、自民35万7882票。わずか5000票差の薄氷の勝利だったが、勝ったことは大きい。とりあえず党内の混乱は避けられました」(民主党関係者)

◇「半自民票6割超」の現実
逆に、ショックなのが勝てる選挙を落とした自民党だ。ただでさえ、参院議員会長ポストをめぐって党内が分裂。さらに、もめるのは確実だ。
「たしかに民主党と自民党は接戦だったが、共産党が担いだ松本猛(59)が取った18万9793票を合わせると『反自民票』は6割以上。まだ有権者の『嫌自民』意識は続いている。そもそも、参院選で勝ったといっても、選挙区の総得票数は、民主2275万票、自民1949万票と、326万票も少なかった。自民党議員が焦りを感じているのは、人材が集まらないことです。知事選もタマが悪かった。腰原愛正候補(63)は前副知事で老け顔。これじゃあ勝てません」(自民党事情通)
自民党はきのうで野党暮らしが327日と過去最長を更新し、党内は嫌気がさしている。なにかキッカケがあれば、また谷垣降ろしの動きが出てくるのは間違いない。