普天間問題 官房機密費は食いモノにされたのか

(日刊ゲンダイ2010/8/12)

「吉誘致推進協」が100万円要求をバクロ
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やっぱり「官房機密費」が使われていたのか――。そんな疑念を抱かせる事実が発覚した。普天間基地移設問題で、鹿児島県・徳之島への基地移転を求める市民団体「基地誘致推進協議会」が今年5月、平野博文前官房長官に100万円のカネを求めていた一件だ。
問題の場面は5月16日。普天間移転先の選定責任者だった平野前官房長官と協議会が鹿児島市内のホテルで会談した際、移転条件として島内3町が抱える計約250億円の負債免除のほか、活動資金として100万円を求めたという。驚くのは、協議会が報道機関の取材に対し「政府のために活動しているのだから(要求は)当然。官房機密費から出せるはず」と答えていることだ。「この発言は『カネを出せば協力するよ』と言っているようなもので、オモテに出せないカネの出どころとして官房機密費の機能をよく知っている。結局、オジャンになったというが、機密費の怪しい使い方を疑われてもおかしくありません」(民主党関係者)
平野前官房長官は問題の“結論”期日が迫った4~5月に計3億円の機密費を引き出している。何に使ったのかは一切不明だが、喜納昌吉・前参院議員は6月の参院外交防衛委員会で、地元で飛び交うウワサとして「普天間移設先の候補地として挙げられたうるま市や徳之島の議員を官邸に呼ぶための経費として(機密費が)使われた」などと指摘。今回の要求問題は、こうしたカネがあちこちに流れていた可能性を示す出来事だ。
「鈴木宗男衆院議員は7月の民放テレビで、98年の沖縄知事選挙で、自民党が推す稲嶺恵一氏の陣営に機密費から3億円を出したと証言している。本当なら、自民党政権が自分たちに都合の良い候補者だけに税金を投入していた由々しき事態です」(在沖縄ジャーナリスト)
普天間対策で機密費が使われていたとしても、成果があったならいい。が、結局は何も事態は変わらなかった。これでは怪しいブローカーなどに機密費を食いモノにされただけの恐れがある。一体、何にどれだけ使ったのか。使途を明らかにするべきじゃないのか。