自民党はいよいよご臨終だ 墓穴を掘った最後のあがき

(日刊ゲンダイ2010/8/12)

参院会長選挙40対40 クジ引きで中曽根就任の茶番劇
(1/2ページ)
初めて行われた自民党の参院議員会長選は、中曽根弘文(64)が選ばれる番狂わせに終わった。
当初は、町村派、額賀派、古賀派の主要3派が推す谷川秀善(76)が圧勝するとみられていた。ところが、フタを開けてみると40対40の同数。クジ引きの結果、中曽根が会長に就くことが決まった。この結果に真っ青なのが、森喜朗元首相(73)だ。
「事前の票読みでは、60対20で谷川が勝利すると予想されていたのに、ざっと20人が造反した格好です。その多くが、森喜朗がオーナーの町村派の議員だとみられている。町村派は『造反議員を処分しろ!』とカンカンです。もともと、参院議員会長には、党の若返りを図るため、林芳正(49)の起用が取り沙汰されていた。その林を潰し、谷川秀善を就けようと画策したのが、森喜朗でした。今回、40人もの参院議員が谷川にノーを突きつけたのは、いつまでもキングメーカー気取りの森元首相への反発です。さすがに本人も『ここまで反発が強いのか』とショックを受けたのではないか」(自民党事情通)
中堅・若手の参院議員が、一斉に反旗を翻したのは、森喜朗のバカ息子が酒気帯び運転で逮捕されたことが決定的だったらしい。実際、この先、森元首相が表にシャシャリ出てくるのは難しい。影響力を一気に落とすのは確実だ。
参院議員会長選が、予想外の結果になったことに、谷垣執行部も慌てている。中曽根弘文を担いだ連中が、総裁選で「反谷垣」で動いたメンバーと重なるからだ。なにより、参院ドンの青木幹雄が引退し、森喜朗が失墜したことで、党内に重しがなくなった。今後はなんでもありになりかねない。
「野党に転落した自民党が復権するには、与野党が逆転した参院を舞台に民主党を攻めるしかない。なのに、自民党の参院が真っ二つに割れている。これまで結束を誇っていたのがウソのよう。衰退する組織特有の現象です。そもそも、中堅若手が担いだ改革の切り札が、無能のレッテルを張られた中曽根弘文なのだからお寒い限りです」(政界関係者)
民主党が「小沢グループVS.反小沢一派」で分裂するより、自民党の内紛、分裂の方が早いかもしれない。