「政党政治の機能が問われている」16日の菅首相

(asahi.com 2010年8月16日19時44分) http://bit.ly/9I0Twc

 

菅直人首相が16日夕、首相官邸で記者団の質問に答えた内容は、以下の通り。


 「あ、お久しぶりでーす」

 ――よろしくお願いします。

 「はーい」

 【今後の政権運営】

 ――夏休みを終えて心機一転だと思うが、秋以降、代表選や臨時国会がある中、どういう政権運営を考えているか意気込みを。また、具体的な方針や対策を新たに発信していくつもりはあるか。

 「ま、少しあの、時間が取れたので、ま、色んな物を読んだり考えたりしました。で、一番大きな、あの、私なりの問題意識はですね、こう政権交代というのは、実は明治憲法下でも、昭和の初期に、あの二大政党があってですね、何回か繰り返された時期があったわけです。ま、これでその、いわゆる立憲君主の下における民主主義が定着するのかなと、当時も期待したところがあったわけですが、結果としては、その二つの政党が、ま、言わばスキャンダル合戦とかですね、えー、さらにはこう軍部を、あの引きこむような、軍部と組むようなことをやって、結果として、えー、政党政治そのものがですね、えー、自己崩壊していって、ま、軍部による政権に変わっていくと。ま、そのころの歴史を、ま、改めてちょっと考えてみてですね、やはり今、私たちが昨年、二大政党による政権交代ができたわけですが、本当にこの二大政党による政権交代が、国民にとっていい政治を、この、もたらすことになるのか、それとも何かお互いが足を引っ張り合うばっかりでですね、決めるべきことも決められないでですね、えー、ま、自らその政治の機能をですね、果たせないようなことになってしまうのか。まさに歴史に問われた場面ではないかなと。もちろん、あの、与党、野党という立場もありますけども、与党、野党を超えて議会制民主主義の中でのですね、政党政治がきちんと機能できるのかどうか、それが問われているという、ま、そういう意識で、あの、これからの政権運営に当たっていきたいと。ま、こんなことを考えたのが一つです。で、もう一つはですね、あの、少し具体的なテーマを、現場を見ていってですね、そこから見えてくるものを、あの、政策に反映させていきたいと。例えば、あの、今、若者が、あの新卒者含めて雇用の問題が色々あるわけですけど、学校にいる間は文科省なんだけれども、卒業しちゃうと、今度はあの、厚生労働省になり、えー、ま、いったん会社に入ると、ま、経産省になると。しかし、若者は、あの、別に役所別にいるわけではないんで、えー、今の若者がなぜ、あの、失業率が高い状況にあるかっていうことを現場の状況を見る中で、逆に政策に反映させていくという。そういう現場からの、その声とか、現場の状況を直接見てくるという、そういうことをこの間、あの、ぜひやってみたいなと。こんなことを考えました」

【GDP成長率の伸びが鈍化】

 ――4~6月のGDP成長率の伸びが0.1%と予想外に鈍化した。どういう認識を持っているか。個人消費の伸び悩みが主要因とされるが、新たな経済政策を打ち出す考えはあるか。

 「ま、あの、為替の問題を含めてですね、あの、注意深く見ておく必要があると思ってます。あの、ま、関係閣僚、ま、荒井経済財政担当大臣、あるいは野田財務大臣、さらには直嶋経産大臣に、ま、近々あの、それぞれのですね、立場で今の日本の経済の状態をしっかり見た上で、えー、色々報告してくれと、ま、そういうことを言ってあります。ま、そういう中から、あの、今後のことは考えていきたいと、こう思ってます」


 【鳩山前首相の訪中】

 ――鳩山由紀夫前首相が今日から訪中して温家宝首相と会談する。今回の訪中や今後の日中関係にどのような役割を期待するか。また、今回の訪中について事前に意見交換や指示をしたか。

 「あの、鳩山前総理は、ま、環境問題での、この日中の協力をテーマにする議員の会で、えー、あの、訪中されると、ま、そんなふうに聞いてます。で、あの、温家宝総理とも会談されると聞いてまして、あの、こういう環境の問題を通して、幅広くですね、日中関係の進展に、これからも大いに、あの、頑張って頂きたいなと、期待をしてます」


 【口蹄疫基金に国費投入の要請】

 ――今日、宮崎県の東国原知事から、県創設の復興基金に300億円の国費投入の要請があったが、どう対応するか。また、今週中に省庁の意見をまとめて閣議にかけたいと発言したそうだが、今週中に閣議決定をするつもりはあるか。

 「あの、もともと特措法ができててですね、あの、基金の創設ということが、ま、その中に盛り込まれております。ま、あのー、ちょっと今、夏休み状況のなかで、ま、今週末には閣議に、関係閣僚全部集まって来ますので、ま、そこで話をしたいということを、ま、あの、東国原知事にも申し上げたんです。ま、その話の中で、あの、進展状況をちゃんと把握して、あの、しっかりした対応をしていきたいと、こう思ってます」

 (秘書官「はい、よろしいですか」)

――閣議決定までにはならないと。

 「うん?」

 ――閣議決定までにはならないということか。

 「あの、今言ったようにですね、法律そのものはもう出来てるんですね。ですから、あの、今それぞれの役所に色んな案件が上がってきて、その中からどうしようということになりますので、あの、私が閣議のことを申し上げたのは、今週金曜日に閣議があるので、そこに関係閣僚が出てこられるから、そこで状況把握、あの、話を聞きたいということを、そういうことをやりますということを、あの、知事には申し上げたんです」

 (秘書官「はい、ありがとうございました」)

 ――できればもう一問。

 「はい」


 【新しい議員会館】

 ――今日初めて新議員会館に行ったが感想を。

 「私ね、あの、1年生議員、ま、だいぶ前なんだけど、の時に、なった直後にアメリカに行く機会があって、向こうの議員会館を見たんですね。そうすっと日本の議員会館に比べて、えー、スタッフも下院で18名いて、えー、当然そのスタッフがいる部屋も、従来の議員会館に比べると、何倍も大きかったんです。で、ものすごい議員立法、ま、アメリカは議員立法以外は、ま、法律は作れないんですけど、そういうことをやってたんですね。えー、そういうのを見てですね、私もその、そういう議員立法とかを、ま、私なりにはやってきたんですが、とにかくそのー、仕事をするスペースとしては、あの、非常に制約があったんですね。そういう意味では、あの、この新しい議員会館でですね、あの、議員の皆さんが、ま、私も議員ではありますけども、議員の皆さんがですね、あの、もっともっとこの、活発なですね、あの、政策活動、立法活動をできる条件が整ったわけですから、頑張ってもらいたいなと。そんな感想を持ちました」

 (秘書官「はい、ありがとうございました」)