[民主代表選]新聞テレビが大宣伝「党員・サポーターは菅優勢」はマヤカシだ

(日刊ゲンダイ2010/9/10)

いよいよ最終盤の代表選。新聞テレビは「菅優勢」と書き、その根拠として、「地方議員、党員・サポーター票は菅氏が6~7割を獲得しそう」と分析している。本当にそうなら、小沢は国会議員票で相当、差をつけないと勝ち目はない。しかし、この「菅優勢」報道には、多くの疑問があるのである。
「党員・サポーターは全国に34万人もいて、名簿が公になっているわけでもない。2382人の地方議員については、新聞社が確認できますが、党員・サポーターはムリです。『世論調査や地方議員の傾向に近いだろう』という勝手な推測ではじいているにすぎません」(永田町関係者)
その世論だって怪しいものだ。新聞の調査では菅の支持が高いが、インターネット調査は小沢支持が多いし、立会演説会も「小沢コール」が菅を圧倒していた。さらに、各地で国会議員が開いている「党員・サポーター集会」をのぞくと、「菅優勢」への疑問がより強くなる。
衆院愛知10区選出の1年生、杉本和巳議員は「14日の代表選当日まで、じっくり考えてから決める」と態度未定の中間派だ。杉本議員が9日開いた「党員・サポーター集会」では、地元の地方議員5人中3人が菅支持、1人が小沢支持、1人は表明せず、だった。しかし、集会では中小企業経営者を中心に、「景気をなんとかして欲しい。この国を変えてくれるのは小沢さん」という声があがり、最後に、どちらを支持するか挙手してもらうと、菅22人に対し小沢25人だったのだ。別の中間派議員もこう言う。
「『小沢支持ならもうアンタに投票しないぞ』というメールやファクスはありますが、事務所にかかってくる電話は、菅支持、小沢支持、ほぼ半々です」


◆中間派の集会では小沢支持が逆転

民主党関係者も、首をかしげている。
「党員・サポーター票は衆院の300小選挙区ごとに1ポイントずつ与えられます。総取り方式ですから、自分の選挙区で50%以上を押さえられればいい。その仕組みをよく理解しているのが小沢派です。ある中堅議員は『うちの党員・サポーターの7割は私の支持者だから大丈夫』と話していました。一方で、菅派の新人には『うちの選挙区の党員・サポーター総数は1400人。自分は500人しか集めていないのに……』とアワを食っているのもいます。新聞テレビの言う『菅支持が6~7割』は信じられません」
菅陣営は世論の支持が頼みだから、「世論は菅、だから党員・サポーターも菅」とメディアを使って広めるしかない。そこを割り引いて見る必要があるのである。