[大阪地検]村木元局長を控訴断念へ

(日刊ゲンダイ2010/9/14)

郵便割引制度をめぐって虚偽有印公文書作成罪などに問われ、大阪地裁で無罪となった厚労省の村木厚子元局長(54)について、検察当局が控訴を断念する方向で検討していることが分かった。
産経新聞(14日)によると、大阪地検は、村木元局長の共犯とされた倉沢邦夫被告(74)について一部無罪判決を控訴したことから、地裁で却下された供述調書の証拠採用を高裁で求めるべきとする意見が大勢を占めていた。しかし、判決では、検察が描いた構図が全面否定された。
このため高裁で供述調書がすべて証拠採用されても、新たな物証を出せない限り、無罪を覆すのは難しいと判断。控訴すれば検察批判がさらに強まるという見方が広がったようだ。
地検が期限の24日までに控訴しなければ、無罪(求刑懲役1年6月)が確定。村木元局長は厚労省に局長級で復職する見通しとなる。