夢も希望もなくなった経済。落ちるところまで落ちるこの国

(日刊ゲンダイ2010/9/15)

小泉自民党政権時代の切り捨て政策以降、ズタズタにされてしまった地方経済は、菅政権の続投で完全崩壊する。
「地域主権推進会議なるものの新設を掲げた菅首相に比べ、ヒモ付き補助金を地方への一括交付金に改めると主張した小沢氏の方がはるかに地方のことを考えている。都道府県が高速道路を建設する仕組みの創設など、地域経済の再生、活性化につながるアイデアも示していた。それなのに党員・サポーター票など地方票は菅に大きく流れた。地方の活性化はもはや期待できない。地方の党員らは自分たちの首を絞めたも同然です」(政界関係者)
本当にバカだ。地元の経済よりも大マスコミ報道を優先させて菅に投票した党員・サポーターはロクなものじゃない。
コトは地方経済の問題だけではない。参院選で唐突に消費税増税プランを打ち出し、有権者の総スカンを食らった菅の経済オンチぶり、リーダーシップ欠如には失望感が高まる一方。この男は国をとことんダメにしてしまう。そんな危惧を抱く人が急激に増えている。経済ジャーナリストの荻原博子氏もそのひとりである。「代表選最後の演説を聞いていても、地に足が着いていない感じで、何の説得力もなかった。“みんなでやりましょう”と言うばかりで、リーダーシップのカケラも感じられない。国民が心の底から望んでいる経済対策にしても、抽象論ばかりで肝心な具体策が見えない。この人に任せていたら口先ばかりで、円高も経済も雇用もすべておかしくなってしまう。そんな不安が高まるばかりです」
このままでは景気は確実に悪化する。「大胆な成長戦略、経済政策を打ち出せない菅政権が続けば、円高・株安が一層進み、景気の2番底が現実になりかねない」(斎藤満氏=前出)というから最悪だ。
景気悪化で倒産が増加すれば、失業者が街にあふれかえる。当然、犯罪が増え、老人をポイ捨てする“姥捨山状況”も今以上にひどくなる。政治のダメさ加減を目の当たりにして、庶民の間に危険な“英雄待望論”が台頭する恐れもある。行き着く先はファッショ――。
この国は落ちるところまで落ちることになるのだ。