続投・菅、最初から迷走 この内閣には全く期待できない  (日刊ゲンダイ2010/9/17)

挙党一致を自称する改造内閣の哀れな内情

─この無能政権は発足前からグラグラに揺れている
「412人内閣を作りたい」――。14日の代表選で「全員参加の政治主導」をブチ上げ、再選を決めた菅首相だが、改造内閣発足前から大揺れだ。仙谷官房長官主導で進めた人事が難航。党の要の幹事長選びで二転三転し、結局、「脱小沢」の象徴である岡田外相に決まった。その一方で、小沢前幹事長に代表代行を打診し、「挙党一致」のアリバイ作り。早くも党内に反発が広がっている。国難のときに一体何をやっているのか。訳の分からない世論を気にして、権力亡者の菅を再び代表に選んだ民主党の罪は重大。挙党一致を自称する無能内閣の内情はオソマツそのもの。早くも哀れな末路が囁かれている。

◆菅首相は一体何をしたいのか。構想なき行き当たりばったり組閣
─首相をグルグル代えるのは良くないと菅を代表に選んだ民主党の重大な罪

なにひとつ成果を挙げられないまま、わずか3カ月で内閣を改造し、再スタートした菅内閣。
さっぱり見えないのが、菅首相が一体なにをやりたいのか、だ。代表選でも、小沢一郎が具体的に理念や政策を訴えていたのに、首相は「クリーンだ」「全員参加だ」などと抽象的な単語を羅列するだけだった。ここまで自分のビジョンを語らない、語れない総理大臣は戦後、初めてじゃないか。
「どんな凡庸な総理大臣でも、ひとつくらい『これをやりたい』というテーマがあるものです。
一内閣、一テーマという考え方もあります。ところが、菅首相からはまったくビジョンが見えてこない。『強い経済、強い財政、強い社会保障』がキャッチフレーズらしいが、『弱い経済……』を目指す首相はいないのだから、なにも語っていないに等しい。代表選では突然『1に雇用、2に雇用、3に雇用』と言い出したが、どうやって雇用を増やすのか具体策は語らない。本気でやりたいことがない男がトップでは、すべてその場限りになり、この国は右に左に漂流してしまいます」(政治評論家・本澤二郎氏)

総理として明確なビジョンがないから、「挙党一致」「適材適所」とは裏腹に組閣人事も行き当たりバッタリ。なぜ、この顔ぶれなのか、まったく意味不明だ。
「まるで自民党政権の組閣を見ているようです。呆れたのが露骨な論功行賞。仙谷長官を筆頭に、代表選で自分を支えてくれた大臣を片っ端から留任させている。さらに、人気取りのために女性を入れ、民間人の片山善博慶大教授を入閣させるという安直さ。どんなメンバーなら内閣として力を発揮できるか、じっくり考えた形跡がない。普通は、国民がワクワクし、『この内閣はこれをやりたいんだな』と一目見て分かるような人事になるように腐心するものです。なのに、党内事情だけで組閣しているのだから話になりません」(政界事情通)

この内閣にはまったく期待できない。