●【押収資料改竄】FD証拠申請せず…残る改竄のナゾ

(産経ニュース 2010.9.22 00:47)  http://bit.ly/a3XVBL

データ改ざんを報じた新聞を持ち、記者会見場から引き揚げる弘中惇一郎弁護士=21日午前、東京・霞が関の司法記者クラブ 主任検事の前田恒彦容疑者が改竄(かいざん)したとみられるフロッピーディスク(FD)の最終更新日時。大阪地検特捜部にとっては、偽の証明書が実体のない障害者団体に発行されたことを立証するなかで、厚生労働省の村木厚子元局長=無罪確定=の指示があったのか否かにかかわる重要な証拠だった。しかし、このFD自体は裁判で検察側から証拠申請されておらず、なぜ改竄の必要性があったのかは謎も残る。


つじつま合わせ?

 関係者によると、特捜部は昨年5月26日、村木元局長の部下だった上村勉被告=公判中=の自宅からFDを押収した。

 FDには証明書の文書データが保存されており、最終更新日時は「2004年6月1日午前1時20分6秒」となっていた。

 ところが、その後、検察側から上村被告側に返却されたFDは、最終更新日時が「2004年6月8日午後9時10分56秒」に変わっていたという。

 検察側は裁判の中で関係者の供述をもとに、村木元局長が上村被告に偽造証明書の発行を指示したのは「6月上旬ごろ」と主張していた。しかし、これでは実際に更新された6月1日午前1時とはつじつまが合わなくなる。村木元局長の指示が、5月中に行われていないと、6月1日午前1時の更新はあり得ないからだ。6月8日なら矛盾は生じない。



●各党、真相究明を要求=外部調査求める声も-検事逮捕

(時事ドットコム 2010/09/22-00:59) http://bit.ly/17710X

 厚生労働省の偽証明書発行事件で、捜査した大阪地検特捜部主任検事の前田恒彦容疑者が押収した文書データを改ざんした証拠隠滅容疑で逮捕されたことについて、与野党から21日夜、真相の徹底解明などを求める声が一斉に上がった。
 民主党の参院幹部は取材に対し「無実の人を故意に犯罪者に仕立て上げようとしたことは大変な問題だ。取り調べの可視化への動きが出るのは当然だ」と強調。閣僚経験者の1人は、事実関係の解明に向け「最高検でなく、警察が捜査しないといけない」と述べた。国民新党幹部は「検察の責任は重い」と断じた。
 自民党の小坂憲次参院幹事長は、取材に対し「司法に対する国民の信頼を大きく裏切るもので許し難い。徹底した捜査で原因究明し、国民の信頼回復に努めてもらいたい」と述べ、同党の加藤紘一元幹事長は「ショッキングでどうにもならないほど影響の大きな事件ではないか」と記者団に語った。
 公明党の山口那津男代表も「極めて遺憾だ。検察の信用失墜は著しい。主任検事単独の犯行なのか組織的な犯罪なのか、真相解明が待たれる」と強調。一方、社民党の福島瑞穂党首は「検察では全容が明らかにならない」と指摘し、第三者機関が真相究明に当たるべきだとの考えを示した。



●「基本に忠実な捜査を」 最高検、深々と謝罪


(共同通信  2010/09/22 01:12)  http://bit.ly/cTmhxX

 大阪地検特捜部の主任検事前田恒彦容疑者の逮捕を発表し、頭を下げる最高検の伊藤鉄男次長検事=21日午後9時16分、最高検察庁
 「今回の事態を真摯に反省し、基本に忠実な捜査を徹底したい」。伊藤鉄男次長検事が深々と頭を下げると、一斉にフラッシュが光った。最高検は21日午後9時15分、東京・霞が関の法務・検察合同庁舎20階で緊急記者会見。大阪地検特捜部検事の前田恒彦容疑者(43)逮捕と、厚生労働省の村木厚子元局長(54)の無罪判決への控訴断念を発表した。

 会見には、最高検ナンバー2の伊藤次長検事のほか、池上政幸刑事部長、八木宏幸検事も出席。事件の経緯や前田容疑者の供述内容については「捜査中につきお答えできない」と繰り返した。

 さらに、捜査チームに大阪と東京地検の特捜部員を加わらせていないと明らかにした上で、「徹底的に捜査する」「中途半端なことはしない」と中立公正な捜査をしていることを強調した。

 事件と控訴断念の関係があるのではとの問いも相次いだ。しかし、伊藤次長検事は「きょう大阪地検、高検と協議して決定することは前から決まっていた。関係ない」と言い切った。

 捜査チームを立ち上げた日に即日逮捕した点にも触れ「早急に捜査に着手することが、この問題に対する誠実な対応だと思った」と加えた。



●厚労省文書偽造をめぐるデータ改ざん事件 逮捕された前田恒彦容疑者宅を家宅捜索
(関西テレビ 09/22 00:51)  http://bit.ly/cUpeRY


最高検察庁が21日夜、大阪地検特捜部のエース検事・前田恒彦容疑者(43)を電撃逮捕した。前田容疑者は、厚生労働省の元局長が無罪判決を受けた事件の捜査で、押収したフロッピーディスクのデータを改ざんした疑いが持たれている。検察全体への信頼を根底から揺るがす事態だけに、検察当局の対応には危機感が満ちている。
21日午後9時すぎから、最高検察庁・伊藤鉄男次長検事による異例の緊急会見が行われた。
最高検察庁・伊藤鉄男次長検事は、「最高検察庁は、先ほど、大阪地方検察庁検事・前田恒彦を、証拠隠滅罪で逮捕いたしました。最高検としましては、このような事態に至ったことを、重大かつ深刻に受け止めて、徹底的に捜査したうえ、早急かつ厳正に対処する所存であります」と述べた。
逮捕されたのは、大阪地検特捜部の主任検事・前田恒彦容疑者。
午後9時48分、検察庁の職員が、前田容疑者の自宅に捜索に入った。
最高検の指揮の下で行われた、前田容疑者宅の家宅捜索。
午後10時11分、前田容疑者を乗せた車が大阪拘置所に着いた。
前田容疑者は、厚生労働省の村木元局長が無罪判決を受けた郵便の割引制度をめぐる事件で、捜査を指揮した。
村木元局長の部下だった上村 勉被告の自宅から押収されたフロッピーディスクのデータを、改ざんした証拠隠滅の疑いが持たれている。
フロッピーディスクに入っていたのは、上村被告が作成したとされる、うその証明書のデータ。
押収時のデータの最終更新日は、「2004年6月1日」。
この更新日を、前田容疑者は、検察が描く事件の構図に合わせるため、「6月8日」に書き換えたという。
村木厚子元局長は、「こんなことまで起こるのか、あり得るのかということで、非常に恐ろしいっていう気持ちがしました。大変怖かったです」と述べた。
大阪地検は、会見で「大阪地検といたしましては、最高検察庁による捜査に全面的に協力してまいる所存でございます。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
東京地検の捜査の応援まで要請されていた大阪地検特捜のエース。
主任検事として、部下を指揮する立場にもあった前田容疑者について、関係者は「『落としの前田』として有名だった」、「取り調べでは突然、激高することも多かった」などと話した。
これまで守屋元防衛事務次官の汚職事件を担当したほか、小室哲哉音楽プロデューサーによる詐欺事件、さらには小沢一郎元幹事長の政治資金規正法違反事件では、元秘書・大久保隆規被告の取り調べを行った。
特捜部内では、検察の読み通りに容疑者から自供を引き出す、いわゆる「割り屋」として知られる一方で、取り調べが強引との批判もあったという。
未曽有の不祥事は、発足直後の菅政権をも大きく揺るがした。
柳田 稔法相は、「もし、この件がですね、本当であると、真実であるということになれば、到底、許されない行為であると」と述べた。
菅首相は、「この件については、最高検が厳正に捜査をし、厳正に対応するというふうに言われてますから、そうあるべきだと思います」と述べた。
犯罪や不正を正す検察内部で、なぜ、犯罪行為が見過ごされたのか。
最高検察庁・伊藤次長検事は、「本件では、基本に忠実な捜査が不徹底であったと言わざるをえず、それによって、このような事態を招き、村木元局長にご負担をおかけしたことにつきまして、誠に申し訳なく思っております」と述べた。
最高検は、会見の中で、村木元局長に対する控訴を断念したことを明らかにした。
また、厚生労働省は、休職中となっていた村木元局長の復職を発表した。




●厚労省文書偽造をめぐるデータ改ざん事件 前田容疑者の逮捕を受けて大阪地検が会見
(関西テレビ 09/22 00:03)  http://bit.ly/94YyZq

最高検察庁が21日夜、大阪地検特捜部のエース検事・前田恒彦容疑者(43)を電撃逮捕した。前田容疑者は、厚生労働省の元局長が無罪判決を受けた事件の捜査で、押収したフロッピーディスクのデータを改ざんした疑いが持たれている。
容疑者から重要な供述を引き出すエリート検事として鳴らした前田容疑者は、一転、取り調べを受ける立場になり、21日午後11時半現在、大阪拘置所の中にいる。
逮捕を受けて大阪地検は、午後9時半からこの事件で初めてとなる会見を開き、大島忠郁次席検事がやや憔悴(しょうすい)した表情で、用意したコメントを読み上げた。
記者からは、フロッピーディスクの書き換えについて、「地検としてはいつごろ把握していたのか」、「地検の事情聴取に対して、前田容疑者はどう弁解していたのか」などといった質問が上がったが、「最高検の捜査があるので答えられない」と、言葉を濁す場面がほとんどだった。
また事件が起きた背景の検証についても、「最高検の捜査を待ってから行う」と話し、大阪地検独自に問題を明らかにしようとする姿勢は見えてきていない。



●厚労省文書偽造をめぐるデータ改ざん事件 伊藤次長検事「徹底的に捜査を尽くす」
(FMMニュース 09/21 23:59)  http://bit.ly/cjA7HE


最高検察庁が21日夜、大阪地検特捜部のエース検事・前田恒彦容疑者(43)を電撃逮捕した。前田容疑者は、厚生労働省の元局長が無罪判決を受けた事件の捜査で、押収したフロッピーディスクのデータを改ざんした疑いが持たれている。
最高検察庁は21日夜、異例の緊急会見を開いた。
会見で、検察組織のNo.2・伊藤鉄男次長検事は、「中途半端なことはしない。徹底的に捜査を尽くす」と述べ、前代未聞の事件に検察当局が抱く危機感があらわになった。
最高検が大阪に検事を派遣し、捜査に乗り出したのは21日午前で、捜査開始当日の極めて異例のスピード逮捕となった。
これは、無罪判決に加えて、その捜査を担当していた検事の不正を放置していたのでは、検察当局への信頼が地に落ちるとの危機感の現れと言える。
また、「特捜部のエース」とされた前田容疑者の逮捕は、「巨悪を眠らせない」などと言われた、特捜検察の存在意義そのものを揺るがしかねない事態となっている。
最高検を含めた検察当局が信頼を回復するためには、一刻も早く事件の真相を徹底的に解明し、国民がわかるような形で明らかにすることが必要となる。



●「最悪の事態」危機感にじませる検察幹部ら

(読売新聞 2010年9月21日16時43分)  http://bit.ly/aNO3Zu


 「最悪の事態」「組織の危機だ」。捜査を指揮する大阪地検特捜部の主任検事が、押収した証拠物を改ざんしたとの報に検察幹部らは一様に表情をこわばらせ、危機感をにじませた。

 大阪高検の柳俊夫・検事長は、大阪市福島区の合同庁舎で21日午前11時から会見。「最高検が今後、刑事罰も視野に徹底的に捜査して厳正に対処すると聞いている。大阪高検としても全面的に協力したい」と厳しい表情で話した。

 大阪市内にある小林敬・大阪地検検事正の自宅にはこの日朝、報道陣が殺到。小林検事正は約10分間取材に応じたが、核心部分については「調査を始めたばかりで答えられません」などと繰り返し、迎えの車に乗り込んだ。

 最高検幹部は「事実とすれば、我々の組織にとって最悪の事態」と顔をこわばらせた。前田恒彦検事(43)が以前在籍した東京地検幹部は、「特捜部の危機だ。証明すべきことを証明できなくするなんて、検事としてあってはならない行為。捜査にかかわった全員が辞表を出すぐらいじゃないと、検察は持たないのではないか」と 危惧 ( きぐ ) した。