●政府首脳、検事総長責任論に言及 前特捜部長ら逮捕
(asahi,com 2010年10月2日5時9分) http://p.tl/Vi_M

 政府首脳は2日未明、東京都内で記者団に対し、大阪地検前特捜部長が逮捕されたことを受けて、検察トップの検事総長の責任問題について「そのうち来るだろう、そんな話も。(特捜部の検事が)3人も逮捕されたのだから」と述べ、検事総長の進退に波及する可能性が高いとの認識を示した。




●検事総長、責任免れぬ=政府高官
(時事ドットコム 2010/10/02-01:55) http://p.tl/Lo7B

  政府高官は2日未明、大阪地検特捜部検事の証拠隠滅事件で前特捜部長らが犯人隠避容疑で逮捕されたことを受け、大林宏検事総長の責任は免れないとの認識を示した。
 同高官は「(検事総長の責任問題は)そのうち来るだろう。3人も逮捕されたのだから」と語った。




●頭下げ「深くおわび」=深夜の会見で謝罪-大阪高検トップの検事長
(時事ドットコム 2010/10/02-01:12) http://p.tl/vO __


 大阪高検トップの柳俊夫検事長は午後11時すぎから約40分にわたり、高検が入る大阪市福島区の合同庁舎で記者会見。「管内の検察官を監督すべき者として、現職幹部の2人が逮捕されるという重大な事態に至ったことは誠に遺憾。深くおわびする」と謝罪し、頭を下げた。
 大阪高検は大阪地検を管轄する直接の上級庁。記者会見は、24階の会見室で開かれ、カメラ撮影は冒頭部分だけ。記者とのやりとりはカメラを退出させて行われた。
 柳検事長は用意した紙を机に置き、コメントを読み上げた。「検察に対する信頼回復に全力で取り組む」。逮捕された2人について現職を解き、同高検総務部付とすることを明らかにした。
 2人の犯人隠避容疑に関し、記者から相次いで質問が飛んだ。柳検事長は「組織的な事案と言えると思う」と苦渋の表情で応じた。
 しかし、特捜部の立て直し策や2人の仕事ぶりを尋ねる質問には、「最高検が現在捜査しているので、わたしどもからは差し控えたい」と答えたのみ。自身の責任については「上級庁で対応することになろうかと思う」と話した。



●【検事逮捕】検事総長に「退場」論幹部大量処分も 不当案件他にも?
(産経ニュース 2010.10.2 01:28)  http://p.tl/glxh

 大阪地検特捜部の押収資料改(かい)竄(ざん)事件に絡み、当時の特捜部長までもが逮捕された。政界からは検察官のトップである大林宏検事総長の監督責任を問う声が噴出していて、総長の責任論が強まる事態が予想される。検察幹部の大量処分もありうる情勢だ。

 戦後、総長が懲戒処分を受けたスキャンダルは、一度きり。平成14年に捜査情報漏(ろう)洩(えい)の見返りに暴力団関係者から接待を受けたなどとして三井環(たまき)大阪高検元公安部長が収賄容疑などで逮捕された事件でのことだ。原田明夫総長(当時)が戒告処分を受け、会見で「検察史上類を見ない不祥事で、深くおわびします」と謝罪した。

5年のゼネコン汚職事件では、検事が参考人を暴行し逮捕されたほか、13年には福岡地検次席検事が福岡高裁判事の妻による脅迫事件の捜査情報を漏らしたとして停職処分となるなど、検察も不祥事と無縁ではないが、総長にまで累が及ぶケースは極めてまれだ。

 だが、今回は民主党を中心に総長の責任を問う声も上がっている。民主党の石井一副代表は前特捜部長が逮捕された1日、「他にも不当に権力を行使した案件があるのではないか」とし、検察への不信感を表明した。

 仙谷由人官房長官は9月22日の会見で「通常の株式会社組織などとは違う厳正さが必要だ」とコメントしトップの責任に言及。国民新党の亀井静香代表も総長の「退場」を要求した。

ただ、事件当時、大林総長は所管外の東京高検検事長で、検察幹部からは「職責としては処分対象にはならない」との声も上がる。自民党の石破茂政調会長は「法と証拠に基づいて調べる以外にない」とし捜査を見守る姿勢を示した。

 今回の事件では総長に限らず、検察幹部が軒並み処分される事態も予想される。逮捕された大阪地検前特捜部長、大坪弘道容疑者(57)は改竄について、大阪地検の小林敬検事正らに「検事同士でトラブルになっているが、問題はない」と報告したとされる。幹部らはその説明を聞いただけで対応を取らず、その後の経緯を詳しく尋ねることもなかった。

 検察関係者によると小林氏と玉井英章前次席検事は主任検事の前田恒彦容疑者(43)の逮捕直後から「退職は覚悟している」と周囲に漏らしているという。

 「かつてない大量処分も予想される。落ちた信頼の回復は容易でない」。検察関係者はため息交じりにそう語った。



●【検事逮捕】「組織自体の在り方に起因する深刻な問題」日弁連
(産経ニュース 2010.10.2 00:13)http://p.tl/Kxpe


大阪地検の前特捜部長と前副部長の逮捕を受け、日本弁護士連合会(日弁連)は1日夜、「大阪地検特捜部が組織ぐるみで客観証拠を歪(ゆが)め、無(む)辜(こ)の一市民を冤(えん)罪(ざい)に陥れる端緒を作り上げたことになり、単に主任検事個人の問題ではなく、検察組織全体の在り方に起因する深刻な問題であることが露呈した」とのコメントを発表した



●「過失と判断」「説明信じた」大坪前特捜部長の一問一答
(asahi.com 2010年10月2日5時12分) http://p.tl/_jIo


 大坪弘道・大阪地検前特捜部長と佐賀元明・前副部長は逮捕前の朝日新聞の取材に対し、前田恒彦・主任検事によるデータの書き換えを隠そうとした事実はないと説明してきた。大坪弘道・前特捜部長との主なやりとりは次の通り。

 【大坪前部長】

 ――改ざんについて、前田検事から直接聞き取りをしたのか。

 本人からは聞いていない。佐賀前副部長が前田検事から「データを書き換えたかもしれない」と聞き取り、その報告を受けた。しかし、すでにFDは返却済みでデータを確認できなかった。意図的な改ざんだった場合、(正しい最終更新日時が記された)捜査報告書が残っているのも不自然だったため、過失による書き換えと判断した。

 ――検事正らには報告したのか。

 佐賀前副部長、前田検事の同僚検事と報告した。「前田検事がデータを書き換えた可能性があるが、公判には捜査報告書が提出されており、問題はない」と説明した。

 ――同僚検事から「次席検事に意図的な書き換えだったと話しましょう」と言われたことはないか。

 まったくない。

 ――公判部の主任検事から「公表すべきだ」と言われたこともないか。

 公判部主任検事と同僚検事が「前田検事が改ざんした」と決めつけ、2人から公表を求められたことはあった。しかし、「事実関係が固まったわけではないだろう」となだめた。意図的な書き換えだったとすれば、なぜ捜査報告書を放置したのか。また、どうしてFDをすぐに返却したのか、説明がつかない。だから前田検事の説明を信じた。



●「事実を隠したことはない。争う」佐賀前副部長一問一答
(asahi.com 2010年10月2日5時13分) http://p.tl/TuWk

 大阪地検の大坪弘道・前特捜部長と佐賀元明・前副部長は逮捕前の朝日新聞の取材に対し、前田恒彦・主任検事によるデータの書き換えを隠そうとした事実はないと説明してきた。佐賀元明・前副部長の主なやりとりは次の通り。

 【佐賀前副部長】

 ――データの書き換えについて、前田検事からどのように報告されたのか。

 1月下旬に電話で聞き取った。意図的な書き換えとは言っていなかった。

――どう受け止めたのか。

 前田検事は「インターネットからダウンロードしたソフトで誤ってFDの日時データを書き換えたかもしれない」と言っていた。疑問は感じたが、正しい日時データが記された捜査報告書がすでに証拠開示されており、意図的ではなく過失だと思った。

 ――当時を振り返り、反省点はあるか。

 当時の大坪部長や検事正に対し、厚労省元係長側に返却していたFDを回収して書き換えの事実があるかを確かめよう、と進言するべきだった。東京地検特捜部に応援に行っていた前田検事もすぐに呼び戻し、詳しく聞くべきだった。

 ――なぜ、FDを回収して書き換えの事実を確認しなかったのか。

 元係長側から何も言ってきていないのに、確認するのはちゅうちょがあった。そもそも意図的な書き換えと聞いていない。大坪部長とともに、書き換えた事実を隠したこともない。逮捕されても争う。