●逮捕は「恥の上塗り」=前特捜部長が供述-犯人隠避を全面否認
(時事トッドコム 2010/10/03-20:59)  http://bit.ly/aJCYx9


 大阪地検特捜部検事による証拠改ざん事件に絡み、犯人隠避容疑で逮捕された前特捜部長大坪弘道容疑者(57)が、最高検の調べに対し、自分たちの逮捕について「(検察にとって)恥の上塗りになる」と供述し、全面否認を続けていることが3日、関係者の話で分かった。
 前同部副部長佐賀元明容疑者(49)も、最高検の捜査を批判する趣旨の供述をしているとされ、容疑を否認しているもようだ。
 関係者によると、大坪容疑者は最高検の逮捕後の調べで、自らが捜査を指揮し、無罪が確定した村木厚子厚生労働省元局長の事件を引き合いに出し、「(逮捕は)恥の上塗りになる」として、たとえ起訴されても無罪になるとの見方を示しているという。



●前副部長、口止め電話か 同僚検事に「過失」念押し?
(asahi.com 2010年10月4日5時0分) http://bit.ly/aX5oTD


 大阪地検特捜部の主任検事が証拠改ざん容疑で最高検に逮捕された後、上司の前副部長・佐賀元明容疑者(49)=犯人隠避容疑で逮捕=が、改ざんの「告白」を昨年7月に主任検事から初めて受けたとされる同僚検事に電話し、問題の証拠データ書き換えについて話し合っていたことが、最高検の調べで分かった。同僚検事は、故意ではなく過失だったことにする念押しの電話と受け止めたという。

 同僚検事は最高検に対し、こうした趣旨の証言をした模様だ。最高検は、この電話が証拠隠滅の「口止め工作」にあたる疑いがあるとして、前部長・大坪弘道容疑者(57)と佐賀前副部長の逮捕に踏み切ったとみられる。

 一方、この主任検事の前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=も、「故意の改ざんではなく過失だった」との弁解をまとめた上申書を、今年9月21日の逮捕直前にパソコンのデータから消していたことが新たに判明。最高検はこの経緯も調べている。

 前田検事は、厚生労働省元係長・上村勉被告(41)宅から押収したフロッピーディスク(FD)内のデータを、昨年7月13日に書き換えたとする容疑で逮捕された。同省元局長の村木厚子氏=無罪確定=が関与したとする「筋書き」に合わせるためだったとされる。

 前田検事が逮捕された後、最高検の捜査の焦点は、大坪前部長と佐賀前副部長が証拠隠滅を知りながら、隠蔽(いんぺい)工作をしたかどうかに移った。

 今年9月23~28日の間の5日間、大坪前部長と佐賀前副部長を東京に呼び出して事情聴取した際、2人とも「前田検事からは『誤って書き換えた』と聞いたため、上司にも『過失』と報告した」と、一貫して否定した。

 捜査関係者によると、その一方で、前田検事の同僚検事は、佐賀前副部長から電話をもらい、故意ではなく過失にすると念押しされたと受け止めたという。

これまでの最高検の調べでは、この同僚検事は郵便不正事件の捜査で、上村被告の取り調べを担当。前田検事がFDデータを書き換えた昨年7月13日の数日後に、前田検事から改ざんの事実を打ち明けられていたという。今年1月末に村木氏の初公判でFDデータが問題となり、この同僚検事が別の検事にも打ち明けたことで、佐賀前副部長らも知ることになった。

 佐賀前副部長は前田検事から電話で意図的な改ざんについて報告を受けると、「ここはすべて任せろ」と発言。大坪前部長にも経緯を報告し、「誤って書き換えた」とする「弁解」を考案した疑いがある。その上で2人が2月初め、将来的に改ざんが発覚して地検上層部やマスコミから質問を受けた際の説明資料として、「弁解」に沿った上申書を前田検事に作成させたと最高検はみている。



●半年間「改ざん」放置 同僚検事、起訴直後に把握
(共同通信 2010/10/04 05:53) http://bit.ly/cVyDJt


 大阪地検特捜部の改ざん隠ぺい事件で、逮捕された主任検事前田恒彦容疑者(43)の同僚検事(35)が昨年7月、前田容疑者からフロッピーディスク(FD)のデータ改ざんを打ち明けられていたことが4日、検察関係者への取材で分かった。

 この同僚検事は、厚生労働省文書偽造事件で起訴された元局長村木厚子さん(54)=無罪確定=の初公判直後の今年1月末になって、ほかの同僚とともに改ざんを上司に訴え出た。半年間改ざんの情報を秘密にしたまま放置したことになり、最高検は、理由などについて事情を聴いている。

 検察関係者によると、この同僚検事は昨年5月、文書偽造事件の捜査に刑事部から応援組として参加。同月26日に逮捕した厚労省元係長上村勉被告(41)=公判中=の取り調べを担当した。

 同僚検事は、上村被告が所有するFD内の文書データの最終更新日時が「2004年6月1日未明」と把握。検察側が描いた偽の証明書の発行時期と整合性が取れないことを心配し、前田検事に相談していた。

 前田検事は、この矛盾を上司らに隠したまま昨年6月14日に村木さんを逮捕、7月4日に起訴した。同僚検事がこの後、あらためて矛盾について前田検事に尋ねると、「データを(6月8日に)書き換えて(上村被告側に)返却した」と答えたという。



●過失で処理「特捜部長が発案」…前田容疑者供述
(読売新聞 2010年10月4日03時03分)  http://bit.ly/afMigB


 郵便不正を巡る証拠品のフロッピーディスク(FD)改ざんに関連する犯人隠避事件で、大阪地検特捜部主任検事・前田恒彦容疑者(43)(証拠隠滅容疑で逮捕)が最高検の調べに対し、「改ざんを過失とするシナリオは、部長の発案だった」と供述していることが分かった。


 前田容疑者は「副部長から『部長の指示で、過失で処理する』と言われ、過失のストーリーを考えた」とも供述。最高検は、同部前部長・大坪弘道容疑者(57)が隠蔽(いんぺい)を主導したとみて調べている。

 最高検の調べでは、前田容疑者は1月末~2月1日、同部前副部長・佐賀元明容疑者(49)に「FDを故意に改ざんした」と打ち明けた。前田容疑者の供述などによると、その後、佐賀容疑者は大坪容疑者にこの事実を報告した上で、前田容疑者に再び電話をかけ、「部長の指示で、過失でいく。いい手段はないか」と迫った。前田容疑者が「FDが書き換えられていないか確認した際、誤って書き換わったということでどうでしょう」と答えると、佐賀容疑者は「それでいこう」と了承したという。



●逮捕直前にファイル削除=2月作成の報告書-前特捜部長が作成指示・前田容疑者
(時事ドットコム 2010/10/04-02:32) http://bit.ly/d6CThk


 大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠ぺい事件で、主任検事の前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=が、証拠品データ改ざんの経緯をまとめて2月に作った経過報告書のファイルをパソコンから削除したのは、逮捕直前だったことが3日、分かった。ファイルを基に、さらに書き直した文書を問題発覚後の9月に作成し、大阪地検に提出した後、削除したという。
 経過報告書のファイルは、前特捜部長大坪弘道容疑者(57)=犯人隠避容疑で逮捕=らの指示で作成されており、最高検は、前田容疑者が隠ぺい工作の発覚を恐れて削除した可能性もあるとみて調べている。
 大坪容疑者と前同部副部長佐賀元明容疑者(49)=同=は、2月10日ごろ、証拠品のフロッピーディスク(FD)改ざんに関する経過報告書の内容を、前田容疑者に書き直させるなどして、処罰を免れさせた疑いで逮捕された。
 検察関係者によると、経過報告書は改ざんが発覚した場合に、「過失だった」とする説明内容をすり合わせる目的で、佐賀容疑者の指示で作成。大坪、佐賀両容疑者が、つじつまが合うように何度も書き直させていた。
 大阪地検は、改ざんが発覚した先月20日ごろ、前田容疑者に文書で報告を求めた。同容疑者は、書き直された経過報告書のファイルを基に、「FDのデータをUSBメモリーにコピーしていじっていたところ、誤ってFDの方を書き換えてしまった」という内容の文書を作成して提出した。



●前特捜部長が隠ぺいを「主導」 FD改ざん隠ぺい事件
(共同通信 2010/10/03 19:52) http://bit.ly/aCoc0Y


 大阪地検特捜部の押収資料改ざん隠ぺい事件で、最高検が立証を目指す構図の全体像が3日までの検察関係者への取材で判明した。前特捜部長大坪弘道容疑者(57)=犯人隠避容疑で逮捕=が隠ぺいを主導したとみているが、前部長らは否認を続けており、立証には困難も予想される。

 厚生労働省元局長村木厚子さん(54)=無罪確定=の初公判直後の今年1月30日、前副部長佐賀元明容疑者(49)=同容疑で逮捕=が、主任検事前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=が検察側に不利な情報が記録されたフロッピーディスク(FD)の中身を書き換えたと同僚検事らから知らされた。

 検察関係者によると、佐賀前副部長は「待て」と同僚らをいさめ、東京出張中だった前田検事に電話。書き換えが故意だったと打ち明けられ、2月1日朝、前副部長は大坪前部長に報告した。

 丸1日経過した翌2日朝、大坪前部長は佐賀前副部長に「過失で処理しろ。ミステーク前提で前田検事を聴取しろ」と指示。最高検はここから隠ぺい工作が始まったとみている。

 一方、前部長、前副部長とも「前田検事の書き換えは過失だったと聞いた」と主張、最高検の見立てを否定する。




●主任検事 何度も書き直し指示あり
(NHKニュース 10月3日 19時10分) http://bit.ly/9LVRQ6

大阪地検の前の特捜部長らが主任検事による証拠改ざんを隠ぺいしたとされる事件で、主任検事は、最高検察庁の調べに対し、「データ書き換えの経緯を記した上申書を作成し、前の特捜部長らに見せたところ、『これじゃあ理屈に合わない。もっと過失で書き換わったとわかるように書け』と何度も書き直しを命じられた」と供述していることが、検察関係者への取材でわかりました。一方、前の特捜部長らは容疑を否認しているということです。

この事件で、最高検察庁は、大阪地検の前の特捜部長、大坪弘道容疑者(57)と、前の副部長、佐賀元明容疑者(49)が、主任検事の前田恒彦容疑者(43)によるフロッピーディスクのデータの改ざんを隠ぺいするため、前田検事に意図的な改ざんを否定する上申書を作成させたとみて調べています。検察関係者によりますと、前田検事は、調べに対し、「自分が当初、作成した上申書は『厚生労働省の元係長によるデータ改ざんの有無について調べていたところ、誤って書き換わってしまった』という内容だった。しかし、上申書を見た大坪前特捜部長らから『書き換える前のデータを記載した捜査報告書を2週間ほど前に作成しているのに、あとになって改ざんの有無を、調べていたという言い訳は、理屈に合わないじゃないか』と問いただされた」と供述しているということです。そのうえで前田検事は「大坪前特捜部長らから『もっと過失だとわかるように書け』と書き直しを命じられた。こうしたやり取りで何度も書き直した」と供述しているということです。前田検事は、上申書のデータをパソコンから削除していましたが、最高検がデータを復元したところ、最終的な上申書には「捜査報告書の存在は知っていたので、改ざんする意味はなく、データをいじって遊んでいただけだ。音楽を聴きながらしていたので、データが上書きされるパソコンの機械音が聞こえなかった」という内容が書き加えられていたということです。最高検は、大坪前特捜部長らが意図的な改ざんを否定するため、言い訳の内容を何度も修正させたとみて調べています。



●証拠品改ざん・隠ぺい事件 前田容疑者の「経緯報告書」、複数回の修正経て作成
(FNNニュース 10/03 17:48)  http://bit.ly/bcNFzs


大阪地検特捜部の証拠品改ざん・隠ぺい事件で、逮捕された前部長らが、「裁判に影響しかねない」として、改ざんの可能性があったフロッピーディスクの調査を見送っていたことがわかった。
関係者によると、2010年1月、前田恒彦容疑者(43)の同僚検事らがフロッピーの調査を訴えたのに対し、前部長・大坪弘道容疑者(57)と前副部長・佐賀元明容疑者(49)は、「弁護団に疑念を持たれ、郵便不正事件の裁判に影響しかねない」などと、訴えを無視したという。
佐賀容疑者は、逮捕前の取材に、「故意の改ざんと知らなかった」としたうえで、裁判への影響を危惧(きぐ)していたことを認めていた。
佐賀容疑者は、「フロッピーを回収しようとしたら、鈴木先生(上村 勉被告の弁護人)も、あほじゃないから、『何で』ということになる。そこで過誤が生じる可能性があるとか、2月の証人尋問に、いい影響与えるわけはないよね。それは確かに、ちゅうちょした」と話していた。
一方、前田容疑者のパソコンから復元された「経緯報告書」が、複数回の修正を経て作成されていたことがわかり、最高検は、大坪容疑者らが、「過失での改ざん」を強調するために、前田容疑者に何度も書き直しを命じていたことを裏づける重要な証拠とみている。



●前田容疑者が削除の上申書、最高検が復元
(TBSニュース 10月03日16:19)  http://bit.ly/9XGgy9


大阪地検特捜部による証拠改ざん事件です。逮捕された主任検事が改ざんの経緯を記したものの、その後削除していた上申書について、最高検が押収したパソコンのデータから復元していたことが分かりました。

 大阪地検の前の特捜部長、大坪弘道容疑者と、前の副部長、佐賀元明容疑者は、証拠隠滅の疑いで逮捕された主任検事の前田恒彦容疑者に指示して、証拠の改ざんが過失だったとするうその報告書を書かせたなどとして、犯人隠避の疑いで逮捕されました。

 「身に覚えはないよ」(佐賀元明容疑者・9月27日)

 逮捕前、JNNの取材に対し容疑を否認した2人は、逮捕後の調べにもいずれも容疑を否認しているということです。

 一方で、最高検の調べでは前田容疑者は、上司の大坪容疑者らから「改ざんは過失によるものだとしよう」と指示され、一旦は「誤ってデータを書き換えてしまった」という上申書を自分のパソコンで作成しました。

 その後、前田容疑者はこの上申書を破棄した上で、パソコンからも上申書のファイルを削除したとみられることが関係者への取材で分かりました。

 しかし、最高検は押収した前田容疑者のパソコンから、削除された上申書のファイルを復元することに成功。このファイルの記録が複数回にわたって更新されていたことから、最高検では前田容疑者が大坪容疑者らの指示を受け、文書を何度も修正していたことの裏づけになるとみて調べを進めています。



●徹底的に争う構え 前特捜部長「検察に未練なし」
(テレ朝ニュース 10/03 00:32)  http://bit.ly/9sjZRC


大阪地検の検事による資料改ざん事件をめぐり、逮捕された前特捜部長が最高検察庁の調べに対して容疑を否認したうえで、「検察に未練はない」と供述し、徹底的に争う構えを見せていることが分かりました。

 最高検は2日、大阪地検特捜部の前部長・大坪弘道容疑者(57)と前副部長の佐賀元明容疑者(49)が1日まで所属していた京都地検と神戸地検や2人の自宅を捜索しました。最高検の調べに対し、大坪容疑者は、部下だった前田恒彦容疑者(43)から「捜査資料を故意に改ざんした」と報告を受けたものの、「過失」として説明するよう指示した犯人隠避の容疑について全面的に否認しています。また、大坪容疑者が「検察に対して未練はない」と供述し、徹底的に争う構えを見せていることが分かりました。最高検は捜索で押収した資料を分析し、容疑の裏づけを進める方針です。