小沢一郎は民主党を離党するのか [疑惑まみれ 小沢強制起訴]

(日刊ゲンダイ2010/10/5)

問題は今後の小沢だ。離党勧告、議員辞職の声が強まる中、どうしていくのか。
小沢は「裁判の場で必ず無罪であることが明らかになるものと確信している」「お騒がせしていることを心からお詫び申し上げる」との談話を発表したが、周辺によると、それほどショックは受けていないようだ。
「代表選でも表明した通り逃げない」と言い、粛々と裁判を闘う決意を固めているという。小沢側近が言う。
「この結論はある程度、想定していたんです。だって、仙谷官房長官は何が何でも小沢を潰すつもりでやっているんですからね。このまま何もしなければ、検察審査会で起訴相当議決が出て、政治生命を絶たれてしまう。だから、代表選に出馬して、闘ったのです。小沢さんはきのう、仲間内の席で『本当に代表選に出馬しておいてよかった』と言ったらしい。当然、離党も議員辞職もせず、頑張るはずです」
小沢が代表選に出ていなければ、即刻、党内から離党勧告が出ただろう。なにしろ、ねじれ国会だ。野党案を丸のみの菅である。小沢をかばっていたら、国会が行き詰まってしまう。小沢ひとりを離党させ、政治生命を絶つ。小沢憎しの菅や仙谷にとっては、一石二鳥だ。ためらうわけがない。
ところが、小沢は代表選で200票も集めた。この数字が重い。小沢に離党勧告したはいいが、集団離党でもされたら、政権運営どころか、民主党政権が終わってしまう。
だから、おいそれと離党勧告はできない。小沢も離党しない。小沢がしみじみ「代表選に出てよかった」と言ったのは、そういう意味だ。
「加えて、検察には今、これだけ逆風が吹いている。菅・官邸側だって、おいそれと小沢氏を追い込めないはずです」(元参院議員・平野貞夫氏)
反小沢の急先鋒、仙谷官房長官も「有罪判決が確定するまでは推定無罪だ。コメントを差し控えたい」と慎重だった。岡田幹事長も「本人の考え方が示される前にコメントはしない」と語った。
官邸の謀略が見え隠れする「起訴相当議決」だし、その後、検察のデタラメも噴出。
小沢の秘書を調べた前田主任検事ら3人が逮捕された。当面は反小沢サイドも動くに動けず、両者のにらみ合いが続くことになる。