[小沢事件]こんなデタラメが許されるのか!検察審11人の平均年齢30.9歳
(日刊ゲンダイ2010/10/6)

大半は20代。こんな若造たちに検察不起訴事件を裁かせた裁判所の不見識と悪意を問う

民主党・小沢元代表の「強制起訴」議決に、大新聞は待ってましたとばかり「小沢政治に決別の時だ」「議員辞職の決断を」と大騒ぎしている。それが「世の中の代表の声だ」とも言い切った。だが、その“代表”とやらの正体にはガク然だ。平均年齢30・9歳という究極のデタラメがまかり通っていた――。
審査員11人中8人以上が「起訴すべし」と結論づけた今回の検察審査会。相変わらず、議事録も開催日程もベールに包まれた“秘密裁判”だったが、審査員11人の平均年齢は明らかになった。
弱冠30・9歳――。これには誰もが腰を抜かした。

「ハッキリ言って、この年齢の低さは異様ですよ。審査員は全国の自治体の選挙人名簿からくじで選ばれる。つまり、20歳以上で選挙権のある有権者が対象で、その平均年齢は50代半ばと高齢化が進んでいます。『年齢の高い人は仕事が忙しいから審査員を辞退したのでは』との憶測もあるが、それにしたって不自然すぎる。05年のJR福知山線脱線事故では審査員の平均年齢は53歳だったし、01年の明石歩道橋事故は42歳でした。一方、小沢氏のケースでは1回目の検察審も平均34歳。偶然にしては信じられない確率です」(司法関係者) 裁判所と法務官僚が操作したのか。仮に今回の審査員に50代が3人でも交じっていた場合、残り8人はみんな20代前半という計算になってしまう。こんな半人前のヒヨッコたちが、国政を左右する重大案件を裁いたのかと思うとゾッとする。AKB48には詳しくても、小沢事件の経緯や背景をどれだけ理解していたというのか。
元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏がこう憤慨する。

「一連の小沢捜査の裏には、霞が関の抵抗や大マスコミのリーク問題など複雑な構図がある。また、捜査をめぐっては検察関係者の間でも判断が分かれ、最終的に2回とも不起訴になった。極めて冷静で客観的な判断が必要な案件です。直前には、郵便不正事件の冤罪が確定するなど、検察の捜査手法について判断材料にすべき事件もありました。しかし、ネットばかりやって、新聞をロクに読まない世代の人たちに何が分かっていたのか。検察審の“いかがわしさ”は、30・9歳という平均年齢に象徴されています」
しかも、今回の審査は9月に入って本格化し、結論を出したのはわずか2週間後の14日。たぶん実質2、3日の“勉強”に過ぎないだろう。


そんなスピード審査の中、プロの検察官が20代ばかりの法律シロウト集団相手に専門用語ばかりで説明するのである。全体の構図や問題点を頭の中に入れろというのが無理。「この4億円は変ですよ」「小沢さんは黒ですよ」と1年以上も言い続けてきたテレビ番組の司会やコメンテーターのセリフに同調して、結論を出したと考えるしかない。あるいは、検察審事務官が作った議決書にうなずいただけじゃないのか。「違う」というのなら公の場に出て反論してみせればいい。

こんなデタラメが許されていいわけがない。民主党は東京地裁の責任者と事務担当者を国会に呼んで追及すべきだ。裁判所は何でも恣意的にネジ曲げても許される聖域じゃないのだ。