●【小沢氏「強制起訴」】小沢氏弁護人、臨戦態勢 本人と近く協議 検審に異議申し立ても
(産経ニュース 2010.10.5 19:37) http://bit.ly/dwx3m6


 東京第5検察審査会の「起訴議決」公表から一夜明けた5日、民主党の小沢一郎元幹事長(68)の弁護人は週内に小沢氏本人と協議し、公判に向けた弁護団を発足させることを明らかにした。議決内容が、土地購入資金の4億円に絡んで小沢氏の虚偽記載への動機にも踏み込んだことから、弁護人は「検察の不起訴処分の是非を判断するという役割を超えている」として検審など関係機関に対し、異議申し立てを行う意向も示した。

 小沢氏の弁護人によると、週内に小沢氏本人と協議を行い、弁護団の態勢を整え始めるという。弁護団は現在のところ「3、4人の少数精鋭」を想定しているといい、東京地検特捜部を経験した弁護士も参加するとみられる。

 今後、東京地裁は弁護士会からの推薦を受けて「指定弁護士」を選出する。検察審査会法では、指定弁護士は必要に応じて、関係者の聴取など補充捜査を行うことができるとしている。

 指定弁護士が小沢氏にも聴取を要請する可能性があるが、弁護人は「小沢氏との相談も必要だが、小沢氏は被告人の立場であり、唯々諾々と応じることにはならないと思う」と聴取には否定的な考えを示した。

一方、今後のスケジュールについて、「年内にも起訴される可能性がある」と指摘。小沢氏は無罪を主張するため、争点などを絞り込む公判前整理手続きが行われる見通しで、「整理手続きに相当な時間がかかり、初公判は来年夏ごろになるだろう」との見方を示した。

 公判での争点について、弁護人は「秘書だけでなく、政治家を起訴するような話なのか。元秘書の供述など証拠関係ももちろん争うことになるだろう」とも話した。

 議決では、土地購入原資となった4億円の出所について着目し、「4億円の出所について明らかにしようとしないことは、政治資金収支報告書の不記載、虚偽記載にかかる動機があったことを示す」と、小沢氏の「動機」にまで言及した。

 これについても、弁護人は反発。検審の審査は検察の不起訴処分の是非が対象で、審査範囲を超えかねないとして、「裁判所か指定弁護士かに何らかの形で『おかしいのではないか』と申し入れるよう検討している」と話した。



●小沢氏、強制起訴へ 検察起訴独占は「不当」
(毎日新聞 2010年10月5日 東京朝刊)  http://bit.ly/bJnEAk


 市民の最終判断は「強制起訴」だった。東京第5検察審査会が4日、小沢一郎・民主党元代表を起訴すべきだとする議決を公表した。「検察官の判断だけで起訴しないのは不当」。議決は検察による起訴権限の独占を批判し、政界実力者を不起訴とした法律のプロの判断を否定した。「政治とカネ」を巡る議論にも大きな影響を与えることは必至だ。【石川淳一、鈴木一生、野口由紀】


 ◇裁判で黒白求める 公訴権の乱用危ぶむ声も
 「国民は裁判所によって無罪なのか有罪なのかを判断してもらう権利がある」「国民の責任で黒白をつけようとする制度である」。議決は「真相を法廷で明らかにすべきだ」という最近の審査会の傾向を踏襲しつつ、「権利」や「責任」という言葉を使って市民感覚を強烈に印象付けた。

 検察審査会制度は戦後占領下の1948年に施行された。連合国軍総司令部(GHQ)は起訴するかどうかを市民が決める「起訴陪審制度」の創設を要求したが、日本の検察当局が抵抗。市民が不起訴の妥当性をチェックする制度に落ち着いた経緯がある。

 国民の司法参加をうたった司法制度改革の流れの中で、09年5月に改正検察審査会法が施行され、審査会は事実上の起訴権を持った。「検察官の判断だけで起訴しないのは不当」という議決要旨の表現からは、起訴・不起訴を決める裁量権を独占してきた検察当局への強い不満と不信がうかがえる。

 制度設計にかかわった弁護士は「政治的案件こそ、起訴権が適切に行使されているか国民目線でチェックする必要がある」と審査会の存在意義を強調、「小沢氏は公開の法廷で堂々と潔白を説明すべきだ」と話し、プロの判断を覆した議決を評価した。

 「制度改正時から予想された結論だ」。検察内部にも議決を冷静に受け止める声がある。法務省幹部も「政治家や公務員らは無罪の可能性があっても起訴が許されるという国民判断はあると予測していた」と指摘する。

 だが、「無罪」を懸念する声も上がった。別の幹部は、厚生労働省の村木厚子元局長(54)の無罪が確定した郵便不正事件を引き合いに、「『供述だけで事件をやるのか』と批判されているのに、今回は『供述だけでやってもいい』と言っているようなもの」と首をひねった。

 裁判官時代、再審無罪が確定した「徳島ラジオ商殺人事件」にかかわった秋山賢三弁護士(東京弁護士会)も「強制起訴制度が公訴権の乱用になりかねない」と語り、制度が新たな冤罪(えんざい)を生むことを危惧(きぐ)する。

 有罪が確実な場合しか起訴すべきでないと考える検察官と、法廷を真相究明の場とする市民感覚。裁判の行方次第では、今回の議決が検察や審査会、そして刑事裁判の在り方を大きく左右する「ターニングポイント」になる可能性もある。


 ◇「本人責任」高い壁 議決、不備を指摘 政治資金規正法、見直し論も
 小沢氏や鳩山由紀夫前首相の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件では、検察審査会が相次いで、議決の中で同法の不備を指摘した。小沢氏が強制起訴されることで、法の見直し論議が始まる可能性が出てきた。

 政治資金規正法の規定は、実務的に政治資金収支報告書を作成する政治団体の会計責任者や事務担当者について、虚偽記載などの責任を問うものになっている。このため、「政治家との共謀を認定するのは、政治家本人の明確な故意がないと難しい」(検察関係者)とされてきた。

 鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」を巡る事件で、東京第4検察審査会は4月、鳩山氏について不起訴相当の議決を公表した。鳩山氏に「虚偽記載の共謀の事実はない」とする一方で、会計責任者の選任と監督の両方に落ち度がない限り、政治団体代表である政治家の責任を問うことができない法の規定を強く批判。「常識に合致しておらず、改正されるべきだ」と付言した。陸山会事件で小沢氏を「起訴相当」とした1回目の議決(4月)も、「法の趣旨・目的は政治資金の流れを公開し、是非についての判断を国民に任せること」として「『秘書に任せていた』と言えば、政治家本人の責任は問われなくて良いのか」と問いかけた。

 陸山会の07年分の虚偽記載容疑を審査した東京第1検察審査会も7月、小沢氏について不起訴不当と議決したうえで、「一連の審査を行ってつくづく感じた」として法の不備に言及。「政治家にとって都合のよい、抜け道が多くある」として、政治家自身が責任を免れることを許さない制度を構築すべきだと指摘。「報告書に政治団体代表(政治家)の署名・押印を必要とすべきだ」と提案した。

 今回の議決は、法への直接の言及はしなかった。しかし、小沢氏の供述の信用性を検討する中で「収支報告書の不記載、虚偽記入の動機があった」と指摘。07年に陸山会保有の土地についての会見で、土地登記の確認書を偽装して説明していることにも触れた。状況証拠などを挙げる中で政治家本人の責任追及の必要性を指摘したと言える。【三木幸治】


 ◇クリーンな姿勢を--米倉経団連会長
 強制起訴されることが決まったのを受け、日本経団連の米倉弘昌会長は4日、経済産業省内で記者団に「政治とカネ(の問題)は国民に政治への不信感を持たせるので、これを契機にクリーンな姿勢を政治家の方には持っていただきたい」と話した。【立山清也】


 ◇公表まで3週間 「議論、文章化に時間」
 東京第5検察審査会事務局によると、今回の審査員は男性5人、女性6人で平均年齢は30.90歳。第1段階の審査を担当したメンバーから全員入れ替わり、当時のメンバーより平均年齢で3.37歳若かった。審査会に助言する「審査補助員」は、第二東京弁護士会所属で、全国初の裁判員裁判の弁護人を務めた吉田繁実弁護士。9月14日の議決から公表まで約3週間かかったのは「議論を文章化するのに時間がかかったため」と説明した。審査会では、共謀に関する代表的な判例として、傷害事件で現場におらず実行行為をしていなくても謀議に参加すれば共犯と認定した「練馬事件」の最高裁大法廷判決(58年)を紹介したという。




●証拠改ざん:「口封じ」でまた組織防衛 崩壊・特捜検察
(毎日新聞 2010年10月5日 23時06分) http://bit.ly/cwQM2C


 「先輩、マジっすか!!」。昨年7月中旬、大阪中之島合同庁舎(大阪市)17階にある大阪地検特捜部の執務室。厚生労働省元係長の上村勉被告(41)=公判中=を取り調べた男性検事の顔が青ざめた。郵便不正事件の主任検事、前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=から、証拠のフロッピーディスク(FD)のデータ書き換えを打ち明けられたからだ。

 「そんなことできるんですか」「専用ソフトがある」。先輩と後輩との間でこんなやり取りがされていた。しかし、「なぜ改ざんしたの?」「FDを早々に上村被告側に還付したのはなぜ」--。上村被告を取り調べた後輩検事は、自分が十分な供述を引き出せなかったため、前田検事が証拠にまで手を付けたと思い込み、この時、尋ねることができなかったという。

 今年1月27日、村木厚子・元厚労省局長(54)の初公判。村木元局長側に証拠開示された捜査報告書に添付された記録と検察側冒頭陳述の主張が合わず、弁護側が追及した。そのため、元局長が上村被告に偽証明書発行を指示したとされた日付の矛盾が明らかになった。

 後輩検事と公判担当検事の計4人から、証拠改ざん疑惑を訴えられた当時の特捜部長、大坪弘道容疑者(57)と、副部長の佐賀元明容疑者(49)=共に犯人隠避容疑で逮捕。前田検事に、過失による書き換えを装わせ、小林敬検事正らには「問題はない」と報告した、とされている。改ざん疑惑の“告発”は封印された。

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 今から8年半前、大阪高検の現職公安部長だった三井環氏(66)が、大阪地検特捜部に詐欺などの容疑で逮捕された。三井氏が検察の「調査活動(調活)費」による裏金づくりの実態を告発するテレビ番組に出演するとの情報が入り、検察が動いた。容疑は税金の軽減措置を受けるための証明書を役所からだまし取ったなどとするものだった。収録当日ということもあり、裏金疑惑の「口封じ」との批判が巻き起こったが、原田明夫検事総長(当時)は記者会見で、逮捕の正当性を強調し「口封じ」を強く否定した。

 三井氏はその後、捜査情報漏えいの見返りに元暴力団組員から接待を受けたとして収賄容疑で再逮捕されたが、この元組員を取り調べたのが大坪前部長だった。

 「大坪検事と元組員が合作した虚構だ」。実刑判決を受け、今年1月に出所した三井氏は批判する。実際、起訴対象の一つとなった元組員による接待は、逮捕段階と起訴段階で現場のホテル名が変わり、公判では元組員が当時、接待場所にいなかったことが判明。この接待による収賄罪は無罪となった。

 捜査にかかわった元幹部は、「逮捕の主な目的は裏金の告発を止めることだった」と明かす。複数の検察関係者によると、「調活費」は慣習として検事正ら幹部の飲食費などに流用されてきたという。調活費の予算額(全国)は98年度の5億5300万円をピークに、事件後の03年度は7800万円に大幅に減少した。

 三井氏の控訴審判決(07年)で、大阪高裁は「(調活費の)不正流用の事実があったといわざるを得ない」と言及。しかし、法務省は「適正に執行されている」として実態調査をせず、裏金づくりの“告発”は封じ込まれたままだ。

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 前田検事の同僚検事らは大坪前部長らに改ざん疑惑の調査や公表を求めたが、聞き入れられなかった。「組織防衛を優先したのだろう。隠ぺいする体質はあの時のままだ」。関西の検察OBが自戒を込め、言い切った。



●小沢氏公判、長期化も…元秘書供述の評価が焦点
(読売新聞 2010年10月5日10時17分) http://bit.ly/9U197p


 陸山会の政治資金規正法違反事件で検察審査会の「起訴議決」を受け、東京地裁は今週中にも東京の三つの弁護士会側に対し、検察官役となって小沢氏を起訴する「指定弁護士」を推薦するよう依頼する方針だ。

 月内にも決まる見通し。改正検察審査会法には、指定弁護士の数に関する規定はなく、同地裁は「複数の弁護士を選ぶこともある」という。

 政治資金規正法違反事件は裁判員裁判の対象事件ではないため、公判はプロの裁判官のみで審理される。小沢氏は無罪を主張するとみられ、公判前整理手続きが行われる可能性が高い。指定弁護士は関係者の事情聴取などの補充捜査を行うこともできるため、起訴や初公判の時期は不透明だ。

 兵庫県明石市の歩道橋事故では、今年1月に元明石署副署長の起訴議決が出されてから、起訴まで約3か月かかっており、初公判はいまだに開かれていない。

 公判でポイントになるのは、小沢氏の関与を認めた元秘書らの供述を裁判官がどう評価するかだ。

 元秘書ら3人は公判で起訴事実を否認し、供述の任意性を争う方針で、検察官役の指定弁護士にとって、有罪立証のハードルは低くない。また、大阪地検特捜部による証拠改ざん事件が、検察側が捜査段階で作成した供述調書に対する裁判官の評価に影響を与える可能性を指摘する声もある。

 「審理は長期化し、1審判決までに2~3年かかる可能性もある」(検察幹部)との見方も出ている。



●民主・小沢元幹事長強制起訴確定 小沢氏、側近議員に「これは権力闘争だ」と涙
(FNNニュース 2010/10/05 18:58)  http://bit.ly/bvEDIF


2度目の「起訴相当」を受けた小沢元幹事長が、「これは権力闘争だ」と涙を見せたという。一方、その処遇をめぐっては、民主党内で、さまざまな意見が飛び交っている。
菅首相は午後5時半すぎ、日本に戻った。
菅首相は4日、ベルギー・ブリュッセルで「(離党勧告については?)小沢さんのコメントも聞いておりません。それ以上のことは、わたしもまだ、こちらにいてくわしいことは知りませんので」と述べた。
帰国後、いきなり判断を問われる小沢氏の処遇。
一方、小沢氏は「これは権力闘争だ」と述べ、側近議員に涙を見せたという。
一部で、その主導者と報じられた仙谷官房長官は5日午前、「わたしは憤慨に堪えません」と述べた。
2度目の起訴相当議決発表から一夜明け、小沢氏はカメラに無言を貫いている。
先の代表選で小沢氏を熱烈応援した「小沢ガールズ」の岡本英子衆院議員は、今回強制起訴となることには冷静だった。
岡本議員は「なかなかね...。想定外だったことでもないので。受け止めなきゃいけないところだと思いました」と語った。
これに対し、同じく小沢氏を支持する森 ゆうこ参院議員は「もう一度、検察審査会もしっかりと議論をし直すべきであった」と述べた。
4日、「自ら身を引かなければ離党勧告になっていくだろう」と発言していた牧野国対委員長代理。
しかし、そんな牧野氏自身が、党の役職を辞任する事態になった。
牧野氏は「言葉だけじゃなくて、行動で示すことが大切だと思って、辞める決意をした」と述べた。
反小沢の閣僚たちも5日、小沢氏の進退を問われると、一様に口が重かった。
前原外相は「40年も国会議員をやってこられたご本人が判断されるべきことだと思います」、蓮舫行政刷新担当相は「コメントする立場にありません」とそれぞれ述べた。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、執行部は、この小沢氏の処遇で、非常に難しい選択を迫られることになると指摘する。
伊藤氏は「小沢さんがそのまま民主党に居残ることを認めてしまうということになると、支持率が急降下する可能性がある。執行部が、思い切って小沢さんに離党勧告を突きつけるなり、除名処分にした場合、民主党の分裂という事態を招きかねない」と語った。
小沢氏の強制起訴で、野党は一気に攻勢を強めている。
自民党の石原伸晃幹事長は「総理は代表なんだから、何か言わないといけない」と述べた。
みんなの党の渡辺代表は「まずは国会において、証人喚問を要求をしてまいります」と述べた。
一方、東京地裁は、小沢氏の裁判での検察官役となる指定弁護士選任に向け、候補者3人を推薦するよう、第2東京弁護士会に依頼をするなど、準備を進めている。