大使館・領事館はゴクつぶし
(日刊ゲンダイ2010/10/7)

地下にワイン8000本、不動産も雨ざらし
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─いい加減にせい外務省
外務省はやはりデタラメな役所だった。海外に置いている日本大使館や総領事館の壮大なムダ遣いが明らかになった。
会計検査院が6日公表した在外51公館の調査によると、11公館が簿価にして計約22億5000万円もの不動産を使用しないまま放置していた。また3公館では年間消費量の7~29倍もの高級ワインなどの酒類を買い込んでいた。
目に余るのは、大金で取得しながら放置したままの土地・建物だ。グアム総領事館の公邸用地(約5800平方メートル)は79年に約1億5000万円で買ったのに、09年度末まで全く使わずに放置していた。サウジアラビアの総領事館の宿舎は00年以降、老朽化を理由に使わなくなったのに土地(取得価格約9000万円)は保有したままだ。またドイツやタイ、ペルーなどの大使館でも使っていないのに、売却のめどがないまま風雨にさらしている。
さらにイスラエルの大使館は高級ホテルの部屋を年間契約で借り上げながら年にたった50日しか使っていなかった。
ちなみに公邸にプールのある19公館のうち9公館が未使用で、テニスコートのある11公館のうち5公館では誰も使った形跡がなかった。
ワインなど酒の使い方もデタラメだ。51公館で09年度は総計6万本の在庫があったのに約2万本を新たに購入し、5万3200本近くが公邸地下の倉庫に眠ったまま。しかも2万~3万円の高級ワインが4000本以上もあった。
年間消費量の2倍以上のワインを保有していたのは14公館もあり、特に悪質なのは、パリ郊外にある経済協力開発機構(OECD)代表部。09年度には268本しかゲストに出さなかったのに、その29倍強の7900本近くが地下に眠っていた。揚げ句は品質が落ちたとしてワインを捨てた公館も。ニューヨーク総領事館では計200万円で購入した200本近くを破棄。ドイツやオーストリアの大使館も計約850本をドブに流していた。