鈴木宗男氏 実刑確実でも意気軒昂!

(日刊ゲンダイ2010/10/9)

「収監前にこれだけは言っておきたい」

9月7日、最高裁で上告を棄却され、異議申し立ても却下された鈴木宗男前衆院議員は懲役2年の実刑が確定した。今月末にも収監されるが、鈴木氏は意気軒高だ。一連の事件は完全否認し、獄中からも検察批判を続けると宣言している。その鈴木氏に収監前インタビュー。
フロッピーディスクが改ざんされた村木事件でも、取り調べの方法が問題になりましたが、アレが検事のやり方です。ストーリーに沿って、密室で強圧的に調べて調書を作りあげていく。私の場合も、本当にデタラメなデッチ上げ調書を作られました。2審からは証人が「検察に言わされました」と証言した。それでも裁判所は、神聖な法廷での証言よりも調書を重視したのです。
「取り調べの全面可視化を実現する議員連盟」(会長・川内博史衆院議員)では9月15日、「取り調べの全面可視化」の必要性について話しました。冤罪を二度と起こさないためにも、可視化法案を早急に成立させるしかありません。

機密費問題も重要で、用途の情報公開が必要です。私は7月にはテレビで「98年の沖縄県知事選で機密費を3億円使った」と暴露しました。これは新基地建設派の稲嶺恵一候補(前知事)を当選させるためです。小渕元首相は稲嶺さんのお父さんにお世話になるなど縁が深く、何としても勝たないといけなかった。沖縄県連も官邸に「知事選で3億円必要」と頼みに来た。だから、機密費を出したのです。小渕さんは「沖縄は随分、選挙にお金がかかるのだな」とびっくりしていました。


◆取調べ可視化、機密費公開、普天間見直しが絶対必要

97年10月に普天間飛行場の移設先を名護市に決めたのは、当時、沖縄開発庁長官だった私です。しかし今は、辺野古の海を埋め立ててはいけないという立場です。
半年ぐらい前ですか、小沢さんと寿司屋で会食をした時に「サンゴ礁の海を埋め立ててはいけないと思うが、どう思うか」と聞くから、「その通りです」と私は答えた。政権交代をしたのだから、自民党政権時代に決めた辺野古埋め立て案でまとめてはいけない。沖縄の心をまず聞いて、そこでアメリカに「沖縄の民意に沿って、もう一回、検討させて欲しい」と言えばいいのです。
小沢氏は代表選で普天間問題を争点にして、「もう一回、アメリカと話す」と言いました。アメリカと組んでいい加減な情報を流している外務・防衛官僚が決めた辺野古埋め立て案を政治主導で見直そうとしたのです。小沢氏の考え方に国民が理解を示さないのは不思議です。
私は、官僚集団に風穴を開けようと思ったが、負けてしまった。しかし、秘書をしていた浅野貴博君が衆議院議員になり、新党大地の代表代行にもなります。収監までの残り1カ月で、質問主意書の出し方を指導している。私の倍は出すようにします。役人は覚悟しておくことです。
(取材協力・横田一)