菅―仙谷の「岡田潰し」の陰湿 (日刊ゲンダイ2010/10/13)

小沢処遇も補選も”丸投げ”

─ウルトラCの逆襲はあるのか
「幹事長に一任」「執行部が行う話」――。強制起訴議決が出た小沢一郎元代表の処遇をめぐって、菅―仙谷ラインは、岡田克也幹事長に判断を“丸投げ”状態だ。狙いは「岡田潰し」。責任を押し付けられた格好の岡田は、メラメラと逆襲の炎を燃やしている。
きのう(12日)の民主党役員会で、小沢の処遇について話し合われたものの、結論は出なかった。野党が証人喚問を求め、大マスコミも「小沢を処分しろ」の大合唱だが、今の岡田執行部がそう簡単に結論を出せるわけがない。
「そりゃそうですよ。小沢さんへの対応については党内が二分されています。厳しい世論を背景に離党勧告を求める声もあるが、
輿石さんら参院執行部は、『離党も議員辞職も必要ない。政倫審についても、小沢さん自身が決めること』という考えを崩していない。役員会で簡単に意見集約などできる状況ではありません。結論がどっちに転んでも、岡田さんは党内外から批判を浴びますからね」(民主党中堅議員)
そんなことわかりきっているのに、仙谷官房長官は、「(小沢氏の処遇をどうするかは)執行部が行う話で、私はあれこれ言える立場ではない」と突き放すのである。
きのう告示された北海道5区補欠選挙でも、岡田は厳しい立場だ。民主党前議員の辞任にともなう補欠選挙だけに、ただでさえ劣勢。加えて新人候補は知名度が低く、苦戦している。選挙は党務。負ければその責任は幹事長が負わされる。
「小沢問題と補選。どちらもキツイ党務です。仙谷さんは、それを見越して岡田さんを幹事長にしたんでしょう。『ポスト菅』は、仙谷さんが推す前原外相と岡田幹事長が最有力候補。岡田さんに党務の責任を押し付けて、早いうちに潰そうとしているとしか思えません」(前出の中堅議員)
岡田はもともと、外相続投を希望していた。しかし、菅―仙谷はそれを拒絶した揚げ句、幹事長に難問丸投げの責任転嫁である。ポーカーフェースの岡田だが、「仙谷は許せない」と内心怒り心頭なのは間違いない。
「岡田さんは、いまや“非主流派”に追いやられた。菅―仙谷に逆襲するなら、最も効果的なのは小沢さんと組んで反旗を翻すことです。小沢グループを含む非主流派連合を形成するしかありません」(政界関係者)
仙谷VS.岡田の対決が表沙汰になる日も近そうだ。