前代未聞の失態演じた検察審事務局に情報公開請求  (日刊ゲンダイ2010/10/19)

「どちらサマ?」とピリピリムード

「会議は本当に開かれたのか」「ユーレイ審査員だったんじゃないのか」――。小沢を「強制起訴」した東京第5検察審査会に対する“疑惑”の声が強まっている。起訴、不起訴に絡む判断を行う重要機関なのに、中身はサッパリ分からず、公表された審査員の年齢も二転三転するデタラメさ。検察審に関する数々の疑念を確認するため、本紙記者が事務局を訪ねた。
東京・霞が関の東京高裁、地裁などが入った合同庁舎。第1~第6まである検察審事務局は3階にある。審査会に関する情報公開請求窓口もここだ。
受付に行くと、事務局を務める地裁職員らの視線が一斉に注がれる。まるで“押し売り”の販売員を見るような目つきである。前代未聞の失態で、事務局にクレーム電話が殺到しているのだろうか。ピリピリとした雰囲気が記者にも伝わってくる。
記者 「検察審査会について情報公開請求したい」
職員(怪訝な顔で) 「どちらサマですか」「ご存じかと思いますが、会議に関する内容は公開できません」


何も質問しておらず、何も記入していない段階から記者を“威嚇”。露骨なまでの「警戒感」だ。
もっとも、会議の中身が非公開になる可能性が高いのは記者は百も承知。そこで、第5検察審が開いた会議の日時と場所などを請求した。会議の中身とは全く関係なく、疑問の声が出ている開催の有無が分かる上、2000ページに上る検察の資料を審査員がどのくらいの時間をかけて審査、判断したのかも一目瞭然になるからだ。この程度の内容の情報公開さえも認められなければ、検察審の「ブラックボックス」批判が強まるのは必至だ。
請求用紙にざっと目を通した職員は「分からないことがあれば電話します」と取りあえず“受理”した。請求結果の通知時期は不明だが、国民の“疑念”は晴れるか、それとも大炎上か――。大いに注目である。