あの生方幸夫議員に「政治とカネ」疑惑  (日刊ゲンダイ 2010/10/20)

選挙収支報告書に虚偽記載か

─あれだけ小沢を批判してどう決着つけるのか

いやはや驚いた。小沢元代表の「政治とカネ」を党内から痛烈に批判してきた民主党の生方幸夫元副幹事長(千葉6区)に、「政治とカネ」の疑惑が浮上したのだ。「クリーンな政治」を訴えてきた厳格な先生が不正なんてにわかに信じられないが、状況はかなり怪しい。

一部報道によると、生方議員が09年8月の衆院選後に提出した「選挙運動費用収支報告書」に記載された人件費のうち、2割が実際に支払われていなかった疑いがあるという。運動員ら23人への報酬として記載された166万5000円のうち、最低でも5人分34万円について架空の支出が疑われ、領収書の署名についても6人が「書いていない」と証言。領収書には名前や住所の間違いも見つかり、第三者がなりすましで書いた可能性も指摘されている。
これが事実なら立派な違法行為。公職選挙法は報告書の虚偽記載を禁じている。破れば3年以下の禁固または50万円以下の罰金だ。「政治とカネ」にうるさい先生なら百も承知のはずである。一体どうしちゃったのか。
なにしろ先生はメディアで声高に小沢批判を繰り返してきた。3月17日付産経新聞では、〈小沢さんがしかるべき場所できちんと説明するのが第一。それで国民の納得が得られなければ自ら進退を考えるしかないです〉〈国民は小沢さんが不起訴になったから全部シロとは思っていないんですよ。おそらく説明できないんでしょうね〉と話していた。

最近も自身のブログ「生方幸夫 今日の一言」で、〈やはり政治の信頼を回復するためには少なくとも小沢さんは民主党議員としての活動は自粛していただくしかないと思います。私個人としては小沢さんは裁判に専念するために議員辞職するのが最も適当だと思います〉(10月4日付)と主張していた。「問題を抱えた小沢は辞めるべき」とブレないのだ。

これほど立派な先生のこと、当然、スラスラと説明されるのだろうと直撃すると、「いまは会合中なので事務所に連絡してください」とつれない答え。その後は連絡が取れなくなった。あれれ? 説明できないということは議員辞職?
「額の大小はあるものの、疑惑を批判してきた政治家が疑惑にまみれるのは困りもの。国民はだれも信じられなくなります」(政界関係者)

法廷で黒白つけてもらいますか。