[検審]補助弁護士選定に重大疑惑  (日刊ゲンダイ2010/10/21)

小沢反撃 次の一手

─時期と手続きに複数の謎
検察審査会に対する行政訴訟は“門前払い”だったが、小沢サイドはメゲていない。裁判になれば「無罪確実」だし、その前にもうひとつ、攻め手があるという。これが決まれば、検察組織はガタガタになりそうだ。
小沢サイドが注目しているのはズバリ、検察審メンバーに助言する「補助弁護士」選定までの怪しい“タイムラグ”である。9月14日の起訴議決に至るまでのカレンダーを改めて振り返ると、驚くべき事実が浮かび上がってくるのだ。
まず、今回の東京第5検察審11人のメンバーのうち、6人は5月1日、5人は8月1日に就任した。審査がスタートしたのは、メンバー全員がそろった8月からだ。
読売新聞は「11人の審査員たちは、お盆休みのある8月中は隔週でしか集まれなかったが、9月に入ってからは、平日に頻繁に集まり審査を行った」(6日朝刊)と報じている。
ところがである。8月の審査開始から1カ月も経過した9月8日になって、全国紙の朝刊各紙が「検察審査会の審査を補助する弁護士が選ばれたことが7日、分かった」などと一斉に打った。
となると、今回、検察審の補助員を務めた吉田繁実弁護士はいつ選任されたのか。8月中から選任されていたのに、メディアに漏れなかったのか。それとも、9月になって初めて選任されたのか。検察審事務局は「審査状況に関することなので公開できません」の一点張りだが、永田町では、こんな情報が駆けめぐっている。
「実は、第5検察審の補助弁護士は9月7日まで決まっていなかったと聞いています。この日に選任されたのが吉田弁護士だとすると、8月の審査は補助員なしで行っていたのか、あるいは前任者がいたのか。すべては闇に包まれているのです」(政界関係者)

◆一体いつから選任されたのか
万が一、9月7日以前に別の補助弁護士がいて、弁護士が代わったとすれば、なぜ交代したのか。それまでの審査の流れがどうだったかも含め、一切が伏せられている。7日に弁護士が初めて選任されたとしても問題だ。
「仮に9月7日まで補助弁護士がいなかった場合、9月14日の起訴議決まで、わずか1週間で審査をしたことになります。しかも11人のメンバーは“平日に頻繁に集まった”というから、土日を除いた5日間で議決に至ったことになる。小沢サイドは、いつ、どういう手続きで補助弁護士が選任されたのか、ここを明らかにすることにも主眼を置いているようです」(永田町事情通)
それでなくても、吉田弁護士は新たに犯罪事実を付け加えて、審査会をミスリードした人物だ。弁護士会には懲戒処分請求も出されている。いわくつきの人物が就任した時期と裏側は絶対、明らかにすべきである。そこにおかしなことがあれば、大阪地検のFD改ざんのような騒ぎになる。