菅と仙谷はこの国の劣化の元凶 [衆院補選 民主惨敗]

(日刊ゲンダイ2010/10/25)

よってたかって小沢一郎を潰したばかりに、この国は限りない衰退に陥った
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◆自民末期政権化した菅政権
─民主党無能無力内閣に絶望する政権交代を求めて投票した全国の選挙民
─いくらなんでもヒド過ぎる自民悪政への逆戻り。官僚跋扈、対米従属、経済無策、大増税政策、公明党へのスリ寄り
きのう(24日)、投開票が行われた衆院北海道5区の補選は、民主党候補が惨敗した。いくら前任者が裏金醜聞で辞任した後の補選とはいえ、相手は過去の人、古ダヌキ政治家の町村元官房長官だ。民主党は勝って当然、最低でも善戦だったのがボロ負けした。
幹部は敗因を小沢の「政治とカネ」に結び付けようとし、つまり、自分たちのせいじゃないと言いたいらしいが、冗談じゃない。
北海道新聞は選挙に先立ち、有権者に何を争点にするかを問うている。「年金・医療・介護などの社会保障」が58%、「景気・雇用」が56%、「教育・子育て」が33%。「政治とカネ」はわずか14%だったのだ。
大惨敗という結果は、菅内閣の無能、無責任、迷走政治に突きつけられた評価だ。民主党政権に対する期待はずれ、失望、怒りがモロに投票行動に出たのである。

◆この無能政権はデジャビュだ
それなのに、菅政権の中枢は無反省だ。誰が責任を取るでもなく、相変わらず、小沢つぶしに奔走している。補正予算も提出せずに小沢の国会招致で、ああでもないこうでもない、とやっている。
「自分たちへの批判を小沢氏に転嫁したいから」(民主党の国会議員)である。
政策は役人丸投げで、米国にスリ寄り、公明党にはコビを売り、とにかく、他力にすがり、政権維持に汲々としている。
そこには政権交代時の理想のカケラもないのだが、さて、こんな政権は見たことがある。そう、自民党の末期政権だ。森、安倍、福田、麻生内閣に共通していたのは、政治的基盤が崩れ、何もできないくせに政権にしがみついたことで醜態をさらし、それがかえって自民党政権の崩壊を早めたことだ。菅政権も同じ道を歩みつつある。