学会・公明にスリ寄れば支持基盤は崩壊 [衆院補選 民主惨敗]

(日刊ゲンダイ2010/10/25)

菅にはもうひとつ、スリ寄っている相手がある。学会・公明党で、これもふざけた話だ。
菅は野党時代、学会・公明の政教一致批判の急先鋒だったのだ。08年には、元公明党委員長で学会と公明党の政教一致を暴露した矢野絢也氏の国会招致を働きかけたし、「公明党が閣僚を出すことは憲法20条違反だ」と公言したこともある。
ところが、首相に就任すると、突然、学会の富士美術館に出かけ、公明党にも秋波を送り続けているのである。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「この辺も末期の自民党とソックリですね。数が足りないから公明党と組もうとする。支持率が下がるから、学会票を欲しがる。でも、学会・公明党というのは難しいところで、信者の現世利益を大事にする。ここと組んでいると長期的、国家的な見地に立った政策がやりにくくなるのです。そうなれば、『らしさ』が失われ従来の支持基盤は離れていく。
まして、民主党の場合、有権者はこれまでのしがらみを断ち切り、未来を見据えた革命を期待したわけですよ。それなのに学会・公明党と組んで、現世利益政治では期待はずれもいいところです」
ちなみに、公明党をひきつけようと裏で画策しているのは、黒幕・仙谷官房長官だ。小沢をつぶし、学会・公明と組むのか、民主党は。沖縄を捨てて、米国に従属か。庶民を犠牲にし、役人主導の無責任政治に逆戻りか。
こんなことではこの国の劣化が進むばかりだ。有権者の間では絶望が広がり、怒りが沸点に向けて渦巻いている。