貧乏クジ引いた3人の指定弁護士 (日刊ゲンダイ2010/10/26)

[小沢裁判]やりたくない表情アリアリ

─第2東京弁護士会はピリピリムード

「魔女狩り裁判」の手続きがドンドン進んでいる。小沢裁判で検察官役を務める「指定弁護士」に選任された大室俊三(61)、村本道夫(56)、山本健一(46)の3人の弁護士がきのう(25日)、都内で会見を開き、小沢「強制起訴」に向けた抱負を語った。専門家からも「100%無罪」と言われる事件を引き受けた3人の“本音”はどこにあるのか――。
「速やかに起訴の手続きを取りたい」「政治資金規正法を調べ直して、政治家個人や会計責任者の役割を確認した」……。会見した3弁護士は、冷静さを装っていたものの、表情は一様に硬かった。
その3人が所属する第2東京弁護士会もピリピリムードだ。本紙の取材に対しても「電話対応しない。ファクスで」と言いつつ、「回答は電話でもファクスでもしない」という混乱ぶり。それをただすと「また電話して」とか言い放つのである。取材拒否の姿勢アリアリで、これじゃあ、2弁が掲げる〈自由闊達な気風〉〈最も身近な法律家の団体として、社会正義を実現〉なんて到底ムリだ。なぜこんなにガードが堅いのか。「厳しい状況を承知で引き受けてもらった3人をメディアの矢面に立たせたくないのでしょう。3人は貧乏クジを引いたようなもの。報酬も1審判決までに1人当たり19万~120万円だから赤字確実。フツーなら『ワリが合わねぇ』と引き受けませんよ。恐らくヤメ検、ヤメ判、腕利き弁護士などアチコチで断られたため、3人に頼み込んだのではないか。“小沢無罪”が確実視されている裁判だし、公判でどう転んでも批判にさらされる。会見する3人の顔が暗かったのも複雑な心境の表れではないか」(都内弁護士事務所)
3弁護士の本音が「使命感」か「打算」かはともかく、3人の表情を見ても「無罪」の可能性が高まっているのは間違いない。