[沖縄知事選]前代未聞!政権与党が候補擁立断念のお粗末

(日刊ゲンダイ2010/10/27)

“逃げ菅”今度は「不戦敗」

“逃げ菅”が選んだのは不戦敗だった。普天間移設問題をめぐり注目を集めている11月の沖縄県知事選で、民主党が独自候補擁立を断念、自主投票とする方針を決めたのだ。きのう(26日)の岡田幹事長と沖縄県連代表の喜納昌吉前参院議員との会談の結果である。「日米合意に縛られマニフェストに反してまで辺野古移設を進めようとする党本部と、県外移設を求める県連の溝が埋まらなかったのです。県連サイドには喜納を推す動きもあったが、岡田が頑としてのまなかった。県外移設を掲げる候補の擁立を認めたら、党内は大混乱に陥り、米国にもにらまれる。菅首相にとっては保身が第一なのですよ」(政界関係者) 政権与党が知事選の候補者を出せない――。前代未聞である。この結果、知事選は現職で自公が支援する仲井真弘多氏と、共産、社民、社会大衆各党が推す宜野湾市長の伊波洋一氏による一騎打ちとなりそうだ。両者共に辺野古移設には反対の立場である。日米合意=辺野古移設にこだわる民主党は、県外移設を望む県民から完全に相手にされなくなる。
自主投票を沖縄選出議員はどう受け止めているのか。沖縄4区選出の瑞慶覧長敏議員は、言葉を選びながらこう語った。
「政権政党として一番大事な知事選で(基地問題などの)政策を問うことを放棄する結果となり、有権者の期待を裏切るということになってしまった。沖縄は戦後60年間も基地問題と闘ってきました。(辺野古移設反対の県連の立場は)県民の生活と人権がかかっているだけに譲れない。ですから、知事選は自主投票となったが、政策協議機関を設けて今後も党本部と話し合っていきます。菅総理は所信表明演説の中で(普天間問題で)“沖縄の方々のご理解を求め、誠心誠意説明していく”とアピールされた。言葉だけでなく行動で県民を納得させていただければと思います」
国民新党の下地幹郎幹事長(沖縄1区)は会見で自主投票について「理解に苦しむ」と民主党の対応に呆れ顔だった。北海道に続き沖縄でも醜態をさらすことになった菅政権、いよいよ終わりが近づいてきた。



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