●『郵便不正』事件の真相 本紙だけはすべてを知っている

(四国タイムズ 2010年10月5日) http://bit.ly/d4Fusu


■本紙だけはすべてを知っている。


この『郵便不正』事件の真相は、いや、敢えて書く、その〝真犯人〟は――。

ズバリ、先般、小豆島町長に就任した、塩田幸雄氏、並びに塩田氏が最も懇意にしていた『大物議員』、木村義雄元代議士なのである。

この二人の〝癒着〟関係については、もうここでくだくだしく記す要はなかろう。

「いわゆる『村木事件』は、完全にシロとなりました。しかし、事件が消えたわけではありません。近く事件の再構築をしますが、それを一任されているのが、実は我がオペレーションなのです。

その結論が、塩田氏と木村元代議士にあることは、こう言わずもがなでしょう」。

そのくだりはこれまでの本紙をまたじっくりと眺め直して欲しい。

新知事の初登庁に始まり(これはつまり前知事の院政の始まりなのだ。それは、〝事件〟そのものなのである、『郵便不正』事件の急展開と、これまで本紙が徹底的に追及してきた事件が、ついにその〝真相〟を露わにしてきた。もう後は前を向いて驀進するだけ。結果は――。すべて本紙が書いてきている。


●郵便不正の実態は贈収賄


■木村元副大臣と塩田元部長の逮捕は不可欠

「まずは、村木さん、無罪確定、職務の復帰、おめでとうございます!」

さて、ここで村木厚子氏の犠牲を無駄に終わらすわけにはいかないではないか。

まずはこれ、9月23日付朝日新聞の社説にこうある。

《きのう復職した村木さんは、あしざまに言ってもおかしくない検察に対し、

「抱える問題が修正されるきっかけになればいい。検証を厳しく、温かく見守る役割を果たしたい」

と述べた。人間の真の強さを感じさせる。…》

また、9月24日付産経新聞にはこうある。

《地に墜ちた信頼を取り戻すには、データー改竄の経緯や組織としての対応の是非を総括し、国民にすべてを説明することが必要だ。

その上で、かつて東京地検特捜部長を務め、政界汚職事件を手掛けた宗像紀夫弁護士は、検察の再生に向けてこう提言した。

「社会が納得する事件を暴き出す本来の職責を果たすことで、信頼回復に努めるしか残された道はない」》

さらに、1年前に遡って平成21年10月号の本紙は。

「全精社協」&「凛の会」は同根 「口利きコンビ」木村元副大臣と塩田元部長

《…、事件の本質に迫るには、心を研ぎ澄まして声なき声に耳を傾けてみよう。必ずやその声は聞こえるはずである。

「塩田幸雄塩田幸雄塩田幸雄…男として、上司として、これほど最低な唾棄すべき男を見たことがない」

インターネットでこれを見つけた。

女性だ。よっぽど悔しい思いをした人に間違いない。塩田幸雄を憎んでいる人に違いあるまい。

この女性の恨み節をたどって当時の上司、厚労省の塩田幸雄(58)元障害保健福祉部長に迫り、そしてそこから木村義雄・厚労省元副大臣の「補助金・口利き請託事件の真相解明を目指していこう。


■検察の信頼回復は全容解明 塩田元部長の逮捕が村木氏への償い

検察の信頼回復には、村木氏が言うように検証を厳しく、また、宗像弁護士が言うように、社会が納得する事件を暴き出す本来の職責を果たすしか残された道はない。検察の甘えは許されないのである。

検証を厳しく、事件を暴き出す本来の職責を、本紙も、もう一度かみしめ、真剣に考え全容解明に力を注ごう。

惑わされてはいけない。検察における現状のゴタゴタをほくそ笑んで嵐が過ぎ去るのを待っているのは、他でもない、真犯人の木村義雄元副大臣と塩田幸雄元部長だ。ましてや塩田幸雄元部長は、現在、小豆島町の町長に就任しているのだから、このまま見逃すわけにはいかないではないか。

さてそれでは、過去の活字を総動員して真相に迫る。

検察の描いた偽証明書作成にいたるシナリオは、民主党副代表であった石井一代議士のルートであった。

すなわち、倉沢邦夫→石井一→塩田幸雄→村木厚子→上村勉。大阪地検特捜部が描いたこのルートは、完全に破たんし、特捜部主任の前田恒彦検事が逮捕され今に至っている。要するに大阪地検特捜部は、ボタンを掛け違えて、倉沢邦夫氏が石井一代議士の私設秘書であったことをいいことに、石井一のルートに事件の構図を押し込んだということだ。

それでは、事実はどうであったのか。詳細を除けばこうなる。

倉沢邦夫→木村義雄→塩田幸雄→上村勉。

要は、石井一の替わりに木村義雄を、そして村木厚子を除けば、虚偽有印公文書作成ではなく贈収賄罪として立件できるということだ。

そのためには、大阪地裁で採用された一部の倉沢邦夫と上村勉の供述調書を整理し、その上で、塩田幸雄の供述調書を精査し直せば、事件の構図が贈収賄事件として浮かび上がってくるはずだ。それを固めて、石井一に求めていた役割分担を木村義雄に置き換えれば見事に事件の全容解明になるはず。

もちろん、「全精社協」の事件で押収した資料や木村義雄元副大臣の供述調書なども大いに郵便不正事件に活用するべき。なにしろ不正なカネや商品券、酒などの贈答品が、塩田幸雄元部長や木村義雄元副大臣に流れているのが分かっているのだから。

村木厚子元局長への償いは、上村勉の独断犯ではなく、この木村義雄と塩田幸雄の贈収賄事件を成立させることでしか応えようはあるまい。

さて、償いへのゴールは定まった。あとは国民の信頼回復のために捜査関係者がその気になるだけだ。

この事件の全容解明には、どうしても事前に把握していなければならない人物像がある。それは、木村義雄氏と塩田幸雄氏の過去における数多の疑惑(犯罪行為)が常習的に長年に亘って続けられてきたということ。本紙は10年以上も木村義雄元副大臣の有料口利き疑惑を追及し続けてきたので、捜査関係者は是非それを四国タイムズのバックナンバーから押さえてほしい。

話を次に進めよう。

昨年6月14日に村木氏が逮捕された3カ月余り後、郵便不正事件を扱った同じ大阪地検特捜部が「全精社協」の高野修次会長ら3人を逮捕した。

その時の産経新聞平成21年9月23日付。

「政治家4人に計1千万円裏献金」全精社協の元職員証言自民元幹事長も

《補助金の不正流用疑惑が浮上している社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協、東京)の会長らが平成19年以降、複数回にわたり、厚生労働副大臣を務めたことがある元衆院議員ら自民党の国会議員4人に計約1千万円の裏献金をした可能性があることが22日、分かった。全精社協の幹部が産経新聞の取材に証言した。裏献金の原資は国の補助金から捻出した裏金とみられる。

経理担当の元職員(58)も取材に、幹部が証言した4人のうち2人の実名を挙げ、裏献金の手法について詳細に説明。さらに「違法献金であることは知っていた。2人の他にもいる」などと話した。》

この記事の元厚生労働副大臣を務めたことがある元衆議員が、木村義雄氏であることは疑う余地もない。

さらに、9月26日付朝日新聞には、「全精社協向け補助金木村元副大臣、交付を促す電話厚労幹部に別の審査で復活」。

そして、10月16日付朝日新聞には、「木村元副大臣へ120万円全精社協不正元次長、地検に供述」。

本紙がこれらの記事をここであえて載せたのも理由がある。それは、大阪地検特捜部が「凛の会」と「全精社協」の事件は、2人の人物が、ともに二つの事件に関与して登場しているので、真相解明には理解しやすいと考え活用してほしかったからだ。

本紙川上が不思議に思えてならないのは、ちょうどこの頃、自民党の麻生総理が衆議院を解散し総選挙に突入していた8月に影響を与える時期であったということだ。大阪地検特捜部が自民党に配慮して、民主党の石井一副代表を逮捕しようと描いたシナリオなら大阪地検特捜部はまさに自殺行為ではないか。

本紙が木村義雄元副大臣を取材し追及する過程においても、検察が恣意的に木村義雄を見逃しているとしか取れない場面に何度も出くわした。今や、木村が所属する山崎拓自民党元副総裁も政界を引退したので、検察もここらで木村に気遣いする必要性はまったくない。検察の信頼回復と村木氏への償い、ぜひ頑張ってもらいたいものだ。

木村義雄元副大臣と塩田幸雄元部長は、同じ穴のムジナ。


●逮捕の村木氏は無罪で復職


■塩田元部長の逮捕で正義を貫け!

この原稿を書く今月1日夜、大阪地検特捜部の大坪部長と佐賀副部長が逮捕された。特捜部のトップからナンバー3までが逮捕されたことになる。

まさに本紙連載の「捜査放棄と冤罪捜査」に当てはまる検察版の事件ということだ。

捜査機関の事件を恣意的に「潰す、でっちあげる」という構図が、今回、村木氏の逮捕から明らかになった。ここで注意しなければならないのは、大阪地検特捜部のこの最悪の下地は、大阪高検元公安部長・三井環氏の逮捕時に出来上がったということだ。ということは、三井環逮捕に関わった当時の検事が、今回も主導して村木厚子逮捕に関わったということだ。

犠牲となった三井環氏や村木厚子氏への償いは、検察組織の再生と事件の全容解明しかない。検察のあるべき姿、原点に立ち返ろう!

さて、郵便不正の全容解明に戻ろう。

先月、今西憲之氏と週刊朝日取材班が著作した「私は無実です」を読んだ。

その中で、裁判官の質問に答えた塩田幸雄氏の証言を引用する。
《▽国会議員からお金をもらった、と証言されましたけど、正当なものですか?
▼「(正当なものだと)思っています。いろいろな原稿の下書きをしたりいろいろお手伝いしています。社会的には批判されるべきですが、問題ないと思っています」
▽その差がわからないのですが、どういうふうに批判されるんですか?
▼「特定の政治家と、そういう関係は好ましくないと」
▽では、なぜ、そんなことをされたのですか?
▼「その先生とは、非常に長い間、ご指導いただいて、一心同体というかお父さまの代から政策を実行するうえでいろんな形でサポートしていただきました。今は許されないと思っていますが、大いに反省しています」》

国会議員、その先生とは、木村義雄元副大臣のことだ。