ガタガタ検察にトドメ 裏金問題ついに国会へ

(日刊ゲンダイ2010/10/28)

すべてを知る大林検事総長の進退は…

検察の「裏金問題」がついに国会で火を噴きそうだ。裏金の全容を知る元大阪高検公安部長の三井環氏や民主党議員らが、その準備を着々と進めているというのである。ただでさえ不祥事続きガタガタの検察なのに、ここで裏金問題をバクロされたら組織崩壊だ。“当事者”であった大林宏検事総長のクビが吹っ飛ぶのも時間の問題である。
その三井氏はきょう(28日)午後、衆議院第2議員会館で開かれる「取調べの全面可視化を実現する議員連盟」の会合に出席する。「検察問題」と題し、裏金の実態を洗いざらいブチまける予定だ。
「小沢事件で東京地検特捜部が暴走したのも、大阪地検特捜部が調書をデッチ上げてまで村木元厚労省局長を起訴したのも、すべては民主党つぶしが狙い。それは三井氏が裏金問題を告発した90年代後半、当時の与党だった自民党と手を結んだことが根っこにある。一連の検察不祥事は、すべて三井氏の告発を闇に葬ったことから始まっているといっていいでしょう」(司法ジャーナリスト)

民主党の一部議員が狙う検察“浄化作戦”の「ウルトラC」が、三井氏を国会の法務委員会で証人喚問することだという。三井氏がこう言う。
「国会に呼ばれたら、検察の裏金の全容を説明し、使ったカネを国に戻すよう求めるつもりです。今の大林検事総長は、(裏金が常態化していた頃に)札幌地検次席検事、松山地検検事正を務めていて、すべて知っている。言い逃れは出来ません」
検察がここまで堕落したのも、組織を挙げて「裏金告発」を握りつぶし、自浄能力を失ったからである。ここにきて、取り調べメモ廃棄は「通知に反せず」とトボケ始めた最高検の伊藤鉄男次長検事がその例だ。総長以下、幹部を総取っ換えしなければ検察の信頼回復など到底あり得ないのである。


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