「小沢さんに会えない」と寝言いう岡田幹事長 やることが違うよ

(日刊ゲンダイ2010/11/1)

国会の「政治とカネ」追及に国民ウンザリ 景気対策のための臨時国会ではなかったのか

─自民党もそんなことばかりやっていると支持率の回復や政権復帰などあり得ないぞ
いつまで「政治とカネ」の問題でゴタゴタやっているのか。小沢一郎を「政倫審」に呼ぶかどうかをめぐって、いまだに国会がモメ続けている。しかし、小沢一郎を国会に呼ぶ意味はまったくない。いい加減「政治とカネ」ばかりの国会に国民もウンザリしているのではないか。
遅れに遅れていた補正予算の審議が、ようやくきょう(1日)からスタートした。だが、自民党は「小沢一郎の国会喚問が先だ」とイチャモンをつけて予算審議をボイコット。与党時代、あれほど民主党の審議拒否を批判してきたくせに、ホント、ふざけた政党だ。

それもこれも、民主党の国会対策があまりに稚拙だからだ。
「自民党がしつこく『政治とカネ』の問題を言い続けているのは、それしか攻撃材料がないからです。ところが、国会運営に慣れていない民主党は、相手の土俵に乗り『証人喚問ではなく政倫審でどうか』と自分たちから持ちかけている。岡田幹事長は『(政倫審出席については)小沢さんとまだ会えない状況だ』とわざわざ会見で話し、政倫審問題を大きくする始末です。自民党の要求など突っぱねていればいいのに、こんなことをしていれば、ますます政倫審を攻撃の材料に使われるのは当たり前。民主党は自分で自分のクビを絞めているようなものです」(政界関係者)

民主党が愚かなのは、小沢一郎の「政倫審」出席を実現すれば、野党が国会審議に応じると本気で信じていることだ。だが、たとえ政倫審に応じても、自民党は「疑惑は深まった」と難癖をつけて、次は「参考人招致だ」「証人喚問だ」と騒ぎたてるに決まっている。さらに国会が混乱し、予算成立が遅れるだけだ。
そもそも、小沢一郎を国会に呼ぶ必要はまったくない。本来、証人喚問や政倫審は、検察が動かない疑惑について、国会が動いて真相をただすというものだ。しかし、小沢一郎の「政治とカネ」の問題は、東京地検が1年間も捜査をし「シロ」と結論が出ている。調査能力に劣る自民党が、国会に呼んで何を聞くというのか。新しい材料があるわけでもない。貴重な審議時間を浪費するだけだ。
政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「自民党が審議拒否するなら、民主党は放置しておけばいいのです。補正予算案の成立を妨害したら、批判されるのは自民党の方です。岡田幹事長は『小沢さんが会ってくれない』と泣き言を言う暇があったら、なぜ『自民党は景気が悪化してもいいのか』『予算審議に応じないのはおかしい』と反撃しないのか。政治センスがなさすぎます」
民主党も自民党も、この臨時国会が「景気対策」のための国会だったことを、もう一度、思い起こすことだ。



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