●「政治とカネ」追及に限界=公明の離反懸念-自民
(時事通信 2010/11/01-20:09) http://bit.ly/aYxl95


 小沢一郎民主党元代表の国会招致を2010年度補正予算案審議入りの条件としていた自民、公明両党は1日、民主党から小沢氏の招致に向け「環境整備に努める」との文言を引き出しただけで、矛を収めた。自公両党は審議拒否も辞さない構えだったが、補正審議入りを1日遅らせただけでトーンダウン。自公共闘による「政治とカネ」の追及も限界を示した格好だ。
 「百点満点が望ましいかもしれないが、いろいろ角度を変えて追い込んでいくことも国会対策上はある」。自民党の逢沢一郎国対委員長は1日の記者会見で、補正審議に応じる理由を苦し紛れにこう説明した。
 自公両党とも補正審議と小沢氏の招致を絡めることでは足並みをそろえていた。しかし、公明党内からは「いったん欠席すれば、二度と審議に復帰できなくなる」(幹部)と審議拒否への懸念が強まっていた。
 もともと自民党が強気でいられたのは、「政治とカネ」の問題で公明党がいつになく態度を硬化させていたからだ。両党が「環境整備」の具体的期限を設けずに審議入りに応じたことで、小沢氏招致では攻勢を掛けづらくなったと言える。
 自民党には、今年2月に長崎県知事選勝利の余勢を駆って審議拒否した際、公明党の離反で孤立無援となった苦い経験がある。野党共闘に気をつかう自民党内からは「最近は公明党に引っ張られてばかりだ」(幹部)との愚痴も漏れた。




●小沢氏、国会運営でネック=招致にめど立たず-民主
(時事通信 2010/11/01-21:25) http://bit.ly/dhIIvS


 民主党は小沢一郎元代表の国会招致にめどを付けられず、2010年度補正予算案の審議入りを1日遅らせた。野党側に対し、小沢氏招致の「環境整備」に努力する姿勢を示したが、招致実現は展望できない。野党側は今後も小沢氏問題で揺さぶりを掛けてくるとみられ、民主党は引き続き国会対応に苦慮しそうだ。
 「なるべく円満にということで、与野党合意して日程を決めたということだ」。岡田克也幹事長は1日午後の記者会見で、同日の財政演説を見送った理由についてこう語った。
 民主党は1日、自民、公明両党などが1日の財政演説に欠席する構えを見せたことから、岡田氏や輿石東参院議員会長、鉢呂吉雄国対委員長ら幹部が対応を協議。参院で野党が多数を占める「ねじれ」状況での強引な国会運営はマイナスと判断し、財政演説は強行せずに見送ることにした。
 党執行部は4日までに補正予算案を衆院通過させ、憲法の「30日ルール」で12月3日までの会期内成立を描いていたが、修正を余儀なくされた形だ。
 岡田氏は小沢氏と会談して衆院政治倫理審査会への出席を打診する意向だが、小沢氏は政倫審の出席に否定的。小沢氏に対し、党執行部からは「『一兵卒』の議員なら、幹事長に会いにくるものだ。どれだけ国会運営で迷惑を掛けていると思っているんだ」(国対筋)との不満も漏れている。



●岡田幹事長、小沢氏がニアミス=会談は否定
(時事通信 2010/11/01-22:42) http://bit.ly/b3TKKW


 小沢一郎民主党元代表の国会招致問題をめぐって岡田克也幹事長の会談申し入れに小沢氏が応じない中、岡田、小沢両氏が1日夜、都内のホテルで「ニアミス」した。それぞれ別の会合に出席し、時間帯が重なったとみられるが、「秘密会談」があったのではないかとの憶測も出そうだ。
 小沢氏の事務所は「民間人との会合」と説明。岡田氏は小沢氏より遅れてホテルに到着し、レストランで党所属の当選1回衆院議員らとの懇談会に出席した。懇談後、岡田氏は記者団に「岡田-小沢会談」を否定した。
 一方、これに先立って岡田氏は、都内のホテルで国民新党の亀井静香代表と会談。小沢氏招致問題に関して同氏とパイプのある亀井氏の協力を求めたもようだ。 




●日米・日中・日露まで…菅外交「八方ふさがり」
(読売新聞 2010年11月1日21時24分)  http://bit.ly/d9qmLO


 ロシアのメドベージェフ大統領が1日、日本側の中止要請を無視して北方領土訪問を強行したことで、外交面での民主党政権の危うさが改めて浮き彫りになった。

 沖縄の米軍普天間基地移転問題で日米同盟が揺らぎ、尖閣諸島問題で日中関係が悪化する中、日露関係でも新たな障害が持ち上がった形で、菅政権の外交は「八方ふさがり」との指摘も出ている。

 1日に緊急召集された自民党の外交部会では、前日まで菅首相、前原外相らが出席していたハノイでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議にメドベージェフ大統領、ラブロフ外相らロシア側も出席していたことを踏まえ、「なぜハノイで会談し、北方領土訪問への懸念を伝えなかったのか」などして、政府の対応を批判する声が相次いだ。

 自民党の小野寺五典外交部会長は終了後、記者団に「日本の尖閣問題での弱腰姿勢を見て、ロシアは強硬な対応に移った」と指摘した。

 民主党政権下、日本外交を取り巻く状況は急速に悪化している。鳩山前政権では、既定路線だった県内移設を否定して唐突に県外移転を打ち上げたあげくに迷走、普天間基地移設問題は暗礁に乗り上げた。日米関係を悪化させた鳩山前首相は米紙から「ルーピー(愚か)」とまで批判された。日米同盟のきしみを見透かしたように、中国は尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で強硬姿勢をみせている。

 今後、菅首相は、13日から横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で来日するオバマ大統領との日米首脳会談などを契機として日米同盟を立て直し、中国やロシアには冷静な対話による問題解決を働きかけることで関係改善を模索する意向だ。

 ただ、日米間で懸案の普天間基地移設問題に進展はない。今月末に予定される沖縄県知事選の結果次第では、問題解決がさらに遠のく可能性があり、「一度傷ついた日米同盟の立て直しは簡単にはいかない」(外務省関係者)との見方が出ている。