30分会談で証明された岡田幹事長失格!  (日刊ゲンダイ2010/11/5)


小沢に政倫審蹴られ打つ手なし

─やっぱり器じゃなかった

これが原理主義者の限界なのだろう。岡田幹事長(57)が「政治の父」と呼ぶ小沢元代表(68)に“子供扱い”された。きのう(4日)、“念願”の会談を実現させたものの、政倫審への出席は拒否され成果ゼロ。交渉術を持たない岡田の未熟さを印象づけただけで幕引きとなった。
30分の会談で岡田は「政倫審で説明して欲しい」と要請したが、小沢は「私が政倫審に出て問題が解決するのか」とはねつけた。野党にせっつかれ、招致実現に向けた努力を約束しておきながら、小沢に拒まれると、もう打つ手なし。1回生じゃあるまいし、巨大与党の幹事長が「当たって砕けろ」の出たとこ勝負とは情けない。

「岡田幹事長の大失態ですね。本来、補正予算案の審議と小沢氏の国会招致は別の次元の問題です。小沢氏の政治とカネを解明しなければ、日本が立ち行かなくなるわけではありません。自民党は、それしか民主党を攻撃する材料がないから、ネチネチと取り上げているだけ。岡田氏は、最初から“予算と小沢問題は無関係”と突っぱねるべきだったのです。同じ土俵に上がったから、招致ナシでは前に進まないところに追い込まれてしまった。寝業師タイプではない岡田氏に、ねじれ国会の幹事長は、やはり荷が重かったということでしょう」(政治評論家・有馬晴海氏)
小沢が言うように、この問題は政倫審を開いたところで解決しない。証人喚問もやらなきゃいけなくなる。それも1度では済まない。ほかに攻め手のない自民党は「説明が足りない」「疑惑は深まった」と大騒ぎし、繰り返し招致を要求するだろう。「小沢の政治とカネの解明」騒動は永遠に続くのだ。

ところが岡田は、そんな自民党の姿勢を批判するわけでもなく、まんまとペースを握られているのだから呆れてしまう。招致と引き換えに補正予算を通そうと必死だが、そもそも小沢が招致を受け入れる可能性は万に一つもなかった。岡田にも1日に「司法の場に移っているので司法の場で説明していく」と回答していた。
「小沢さんは、自民、公明と安易な取引を図る今の民主党にうんざりしている。


菅執行部に協力する気はないし、支えるつもりもない」(民主党事情通)
岡田は会談をやることで、党内に幹事長としての力量を示し、野党に「努力している」とアピールしたかったのかもしれない。しかし、この日の会談が残したのは、「やっぱり岡田は器じゃなかった」(ある民主党議員)という汚名だけだ。

「岡田が本気なら、小沢のクビに縄をつけて国会に引っ張ってくればいいのです。それを拒めば、小沢を除名し追い出すのがスジ。そんな覚悟もないくせに、ノコノコと調整に乗り出す政治センスのなさは致命的。自民党にいたくせに、自民党に人脈がないのも不甲斐ない」(民主党関係者)
自民党は「当然、菅総理大臣が前面に出て解決を図るべきだ」(谷垣総裁)と攻撃をエスカレートさせている。こうなると補正の成立は遅れに遅れ、景気は悪化するばかり。衆院補選もダメ、国会運営もダメ。もはや岡田を幹事長に据えておくことは民主党にとってマイナスでしかない。中国をカリカリさせるだけの幹事長代理ともども交代させた方がいい。



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