誰が何の目的で流したのか [[尖閣ビデオ]官僚集団の倒閣か]

(日刊ゲンダイ2010/11/6)

尖閣ビデオで世界中に無能さらした菅政権とそれにつけ込む怪しいヤツら

─ネット動画の威力と脅威で国家統制や権力が有名無実化したのは間違いなく、いよいよこの国は無政府状態に突入

─犯人の特定は恐らく無理だ

たった1本のネット動画が、一国の政府を揺るがしている。突然、中国漁船衝突事件の映像がネット流出したことに、仙谷官房長官は「公務員が故意に流出させたという行為があったとすれば、明らかに国家公務員法違反だ」と怒り心頭。8日の衆院予算委で調査の進展状況を説明するため、犯人捜しに躍起だが、恐らく特定するのはムリだ。それが、ネット社会の怖さである。

犯人が流出先に選んだのは、動画サイト「ユーチューブ」の日本版だ。登録情報などから投稿者を割り出すには、ユーチューブを傘下に持つ米グーグルの協力が不可欠。政府もグーグルへの協力要請を検討しているが、これが一筋縄ではいかないのだ。ネット社会に詳しいジャーナリストの江建氏が言う。

「グーグルは、徹底的にユーザーのプライバシーを保護することで有名な企業で、諸外国の捜査協力には基本的に応じていません。特にユーチューブは、ほとんど個人情報の登録なしに誰でも簡単に動画を投稿できるのがウリです。権力側の要請とはいえ、うかつに個人情報を手渡せば、ユーザー離れを引き起こし、自らの首を絞めることにもなります」
しかも、ユーチューブのサーバーは米国にあるため、日本の捜査当局が単独で強制捜査に踏みきり、資料を押収することは不可能だ。米国に捜査協力を要請しても、グーグルが首をタテに振らない限り、登録情報は永久に得られない。
前出の江氏は「自首しない限り、犯人特定は難しい」と断言した。




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