得したのは誰だ、自民党なのか [[尖閣ビデオ]官僚集団の倒閣か]

(日刊ゲンダイ2010/11/6)

ただひとつ言えるのは、今回の流出事件で得した連中と、これにつけ込もうと考えている連中がいることだ。補正予算の審議を妨害したい連中、菅政権を追い詰めたい連中である。


「自民党は今回の政府の大失態に大喜びです。公明党が民主党政権に接近していることで、自民党は渋々、補正に協力せざるを得なくなり、存在感を示せずにいたのが、これで菅政権を攻撃する口実ができた。石原伸晃幹事長などは、“国益がかかった問題だ。補正予算の審議がどうなるか分からない”とエラく鼻息が荒く、馬淵国交相や柳田法相の罷免を求めています。活躍の場ができたことで、大ハシャギですよ」(国会関係者)

そこまで見通して、それじゃあ、自民党関係者や、その支持勢力が今回のビデオ流出を仕掛けたのかというと、そんな度胸はない。自民党中枢に詳しい関係者はこう言った。

「谷垣執行部にそんな陰謀や芸当ができるグループがあったら、こんなテイタラクな政党になっていませんよ。中国を刺激し、日中関係をさらにギクシャクさせ、菅民主党を追い詰めたい願望はある。でも、万が一、犯人捜しの結末が自分の方に向かってきたときに、自民党が受けるダメージを考えれば、それなりの覚悟が必要ですが、そんな腹の据わった政治家は党内にいない。それだけは断言できます」


情報管理の面で世界の笑いものになっている菅政権。批判されるのは当然だが、自民党など野党が居丈高に騒ぐのは、単なる便乗犯にすぎないということだ。自民党議員がハシャげばハシャぐだけ、“目クソ鼻クソ”のレベルになるだけなのだ。





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