流出ビデオ映像に実在の海保職員名

(日刊ゲンダイ2010/11/6)

海保に歓迎電話「犯人、捜さないで!」
流出した尖閣ビデオは、撮影者として映像に表示される名字が、石垣海上保安部に所属する海上保安官2人と一致することが6日、海保関係者への取材で分かった。
捜査当局内部からの流出をうかがわせる事実といえ、同庁は6日、新たに職員2人を石垣海保に派遣。5日に派遣した3人、第11管区海上保安本部(那覇市)が派遣した5人と合わせ、現地で調査を進める。
流出した6本のビデオ映像のうち2本には、漁船の映像が始まる前のタイトル部分に「○○撮影」として、撮影者を示すとみられる名字がそれぞれ1人ずつ記されていた。
海保関係者によると、同じ名字の海上保安官が石垣海保に実在することが確認されたという。

◆海保に歓迎電話「犯人捜さないで」
映像流出事件を受けて5日、東京・霞が関の海上保安庁には、映像を見た国民から電話が殺到。約100件の電話のうちほとんどが「国民が見たいと思っていたもの」と歓迎する声だった。83件が「よくやった、犯人捜しはしないで」「海保の関係者が犯人でも処分しないで」など流出を支持する内容。14件が「中国船への対応が甘かった」「情報管理がなってない」と批判する内容だった。約8割が男性からで、若い世代が多かったという。
メールの件数は71本で、こちらも大半が流出を歓迎する内容だった。
◆中国領事館で郵便物から煙
ユーチューブに尖閣ビデオが投稿された4日夜のちょうど同じ頃、札幌の中国領事館に不審な郵便物が届けられていた。
北海道警札幌南署によると、封筒は縦23センチ、横12センチの大きさで、差出人は書かれていなかった。消印は大阪市東淀川区と読み取れるという。中国語で「尖閣諸島は日本の領土だ」と記載されたカードが入っていた。カードにひもが付いており、引いたところ「パン」と音がして煙が出て、火薬のようなにおいもしたという。同署は悪質ないたずらとみて調べている。




※日刊ゲンダイはケータイで月315円で読める。
この貴重な媒体を応援しよう!
http://gendai.net/