●ウィキリークス創設者がスイス亡命を検討、ロシア文書なども公開へ
(ロイター 2010年11月5日 13:04)  http://bit.ly/bcHdUS

 [ジュネーブ 4日 ロイター] 政府機密文書などの内部告発サイト「ウィキリークス」創設者のジュリアン・アサンジ氏は4日、スイスのテレビ局TSRに対し、同国への政治亡命を検討していると明かした。

 アサンジ氏はこれまで、ジャーナリストの活動を法律で厳しく保護するスウェーデンに同サイトの拠点を置きたいとしていたが、同国当局から先月就労申請などを却下されていた。

 同氏は、中立国であるスイスでサイトを安全に運営することを真剣に検討したいとの考えを示した。

 同氏はまた、これに先立って開いた記者会見で、米国はイラクやアフガニスタンの駐留軍による虐待を徹底的に調査すべきだと主張。年内に米国、ロシア、レバノンなどの機密文書数千点を公開することも明かした。



●米軍機密文書40万件を公開 民間サイト「ウィキリークス」
(共同通信 2010年10月19日 10:03) http://bit.ly/9jJyqj

 【ロンドン共同】アフガニスタン駐留米軍などの機密文書をインターネットで公開し議論を巻き起こした民間の内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」は22日、イラク戦争に関する米軍の機密文書約40万点をネット上で公開した。英紙ガーディアンによると、イラク戦争開戦から約9カ月後の2004年1月から09年末までの死者は計約10万9千人で、うち6割に当たる約6万6千人が民間人だったという。



●アイスランドを調査報道の聖地に ウィキリークス後押し
(朝日新聞 2010年8月17日10時28分) http://bit.ly/9uD2q4


ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジュ氏=AP
 【パリ=稲田信司】アフガニスタン駐留米軍の機密文書を暴露して注目を集めたウェブサイト、ウィキリークスが、北欧の小国アイスランドを拠点にして活動を強化しようとしている。情報源保護などの環境を整え、調査報道を進めやすい「聖地」にアイスランドを変えるための立法措置に向け、サイト運営者らが同国の議員を支援している。

 アイスランド議会は今年6月、調査報道の環境整備立法の土台となる政策の指針を、賛成多数で承認した。

 昨年、IT関係者の招きでアイスランドを訪れたウィキリークスの運営者らが「世界で最も報道の自由が保障された国」にするための法案づくりを提案したことが出発点だった。賛同した議員や弁護士らが、法案の骨格となる指針づくりにまず着手していた。

 指針は、報道の自由、特に情報源や内部告発者の保護に関する各国の法律などを参照した形で、体系的な法文としてはまだ整理されていない。推進派の議員らによると、議会の委託を受けて文化省が9月から法案の文面づくりに着手する。法律の形に仕上げるのは1~1年半先になる見通しという。さらに、ノーベル賞に相当するような、世界的に権威のある「言論の自由賞」を創設する構想もある。

 そもそも、ウィキリークスがアイスランドで注目されるようになったのは昨年夏。金融危機で暮らしが深刻な打撃を受けたなか、ウィキリークスは大手銀行の内部文書を公開し、ずさんな融資の実態を暴いた。バブルに酔った銀行への不満を募らせていたアイスランド国民の関心を一気に引きつけた。

 「世界で情報の透明性が最も高い国になることで、金融危機で地に落ちた信頼を回復したい。カネの流れが不透明で脱税の温床となっているタックスヘイブン(租税回避地)と逆の発想だ」。法案の旗振り役、ビルギッタ・ヨンスドティル議員はそう語る。

ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジュ氏は朝日新聞記者に対し、「巨大メディアが情報の発信源を握る現状では、真実が埋もれてしまう。アイスランドは小さい国だが民主的。ネット先進国でもあり、資金力がないメディアや個人にとって聖地になる潜在力がある」と語った。調査報道で告発された国や企業からの名誉棄損訴訟など、賠償請求で対抗されることを懸念するメディアや情報提供者にとって活動の拠点になり得る、と期待している。

 この夏、ウィキリークスがアフガン駐留米軍の機密を暴露したことを受け、米国政府はウィキリークスの規制を求める声を強めている。だが、アイスランド政府はあくまで法整備を進める構えだ。

 連立与党の一翼である左派・緑の党のオグムンドゥル・ヨーナスソン議員は7月末、地元紙に「我が国は、北大西洋条約機構(NATO)に加盟していることの是非を住民投票で問うべきだ」と語った。批判されるべきなのはウィキリークスではなく、アフガンに駐留を続ける米軍中心のNATOだという主張だ。

 ただし、ウィキリークスのような活動を後押しする法案づくりに懐疑的な専門家もいる。英イーストアングリア大学のマリス教授は「言論の自由の名の下に、インターネットを無法地帯にしてはならない」と指摘する。




●内部告発サイト ウィキリークス創設者レイプ容疑の怪

米軍機密文書のスッパ抜きで米政府を激怒させたジュリアン・アサンジを、スウェーデンの検察が強姦容疑で指名手配した後、すぐ撤回したのはなぜか

(NEWS WEEK 2010年08月23日 16時04分) http://bit.ly/9n9tpY


マーク・ホーゼンボール(ワシントン支局)

 まさに、スウェーデンを舞台にした世界的な大人気ミステリー「ミレニアム」シリーズを地で行く展開だ。スウェーデンの検察当局は8月21日、この夏アフガニスタン戦争に関する米軍機密文書を暴露したことで一躍有名になった内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジをレイプと性的虐待の容疑で指名手配したと発表。しかしその後間もなく、アサンジの指名手配を撤回するという声明を出した。

 スウェーデン検察のウェブサイト(英語ページ)に掲載された文書には、こう記されている。「ジュリアン・アサンジがレイプを行った疑いはないと、エバ・フィンネ主任検察官は判断した。従って、アサンジはもはや指名手配状態にない」


■思わぬ展開の連続で......

 始まりは、20日の夜だった。スウェーデン検察がレイプ容疑に関連してアサンジに事情を聞きたいと考えていると、地元のタブロイド紙エクスプレッセンが報じたのである。

 このニュースが世界中を駆け巡ると、ウィキリークスはツイッターに複数の書き込みを行い、疑惑を否定。早い段階の書き込みでは、「卑劣な手口の標的になるだろうと、警告されていた。やはり、これがその第1弾だ」と反発。その後、アサンジ自身のものとされる書き込みでは、「容疑には根拠がない。この時期に逮捕状が出されたことには、深い当惑を感じる」と書いていた。

 ところが不可解なことに、この数時間後にウィキリークス公式ブログに掲載された声明は、ツイッターの書き込みより腰が引けて見える。「ウィキリークス・チーム」名義の声明文はこう書いている。「8月21日土曜日、当プログラムの創設者で広報担当の1人であるジュリアン・アサンジがレイプ容疑を掛けられていることを知った。我々は、容疑の深刻さを深く憂慮している。我々、ウィキリークスのスタッフは、ジュリアンを高く評価しており、全面的に支持している」

 この声明文は最後に、「ジュリアンが疑いを晴らすことに力を注ぐ間も、ウィキリークスは通常どおりの活動を継続する」と記している。アサンジに対する指名手配を撤回すると、スウェーデン検察当局がウェブサイト上で明らかにしたのは、ウィキリークス公式ブログの声明文が掲載されたのとほぼ同じ時間だった(スウェーデン検察当局もアサンジも取材要請に返答していない)。


■陰謀論にますます拍車?

 アサンジは言ってみれば放浪家型の人物で、同僚たちによれば居場所を把握したり、連絡を取ったりするのが難しいという。さまざまな報道によると、スウェーデンを訪れていたのは、スウェーデンの野党・社会民主党の会合で講演するためだったとされる。またアサンジは、ウィキリークスがスウェーデンの内部告発者保護法に基く特別な免責権を得るために、出版免許の取得を申請しようとしていたという(ウィキリークスは、スウェーデンにサーバーを置いている)。

 ウィキリークスの支持者とアサンジ自身は、ただでさえ自分たちが狙われているという陰謀論的な被害者意識を抱いている。今回のセンセーショナルな騒動で検察の方針が二転三転したことにより、そうした傾向にますます拍車が掛かることは間違いないだろう。



●公開文書、戦争犯罪の可能性示唆=ウィキリークス創設者
(ウォールストリートジャーナル 2010年 7月 27日 14:24 JST) http://on.wsj.com/d1Tshj    

 内部告発情報を公開するウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジュ氏は26日のロンドンでの記者会見で、同サイトが公開したアフガン戦争に関する文書は戦争犯罪の証拠を含んでいるようだ、と述べた。

 その上で、いかなる犯罪についても判断は「司法に委ねられる」と語った。

 アサンジュ氏は米軍の「タスクフォース373」を引き合いに出し、米軍「暗殺部隊」と表現した。アサンジュ氏の説明では、同部隊の「急襲の失敗」で子供7人が犠牲になった。

 同氏はさらに、米軍が報告書で戦時の民間人の死亡を隠匿していた可能性を強く指摘。一部のケースでは死傷者の大半を「敵」、少数を「民間人」と分類し、「釈然としない」と述べた。

 戦争犯罪などの可能性で調査を実施し得るケースはどの程度あるのか、との質問に同氏は「数千だ」と答え、米軍はおそらく、一部について調査を強いられるだろう、と語った。その上で、同様の事態の発生に対する「抑止力を形成すべく、十分な調査を行う必要がある」と述べた。

 アサンジュ氏は、公開された文書に「(アフガン反政府戦力の)タリバンを肯定するような描写はない」と付け加え、タリバンが仕掛けた爆発物により「多くの人命が失われた」との報告が多数ある、と指摘した。

 同氏によると、文書は「権力の濫用」を暴露するのみならず、「戦争の最近の6年間」を詳細に記しているとし、その中には兵器の種類や作戦の進展・後退が含まれる、と述べた。

 今回の文書の公開により、アサンジュ氏のサイト、および政府の秘密を暴くサイトの使命に新たな関心が集まった。アサンジュ氏とウィキリークスは、活動資金としての100万ドル(約8700万円)を一般市民から調達した。

 同氏によると、ウィキリークスは過去数カ月間に様々な情報を大量に集積し、いずれこれを公開する方針だ。こうした情報は「あらゆる国に関する、数千ものデータベースとファイル」を含むという。

 アサンジュ氏は文書の提供者の名前を明らかにすることや、提供者がどのようにして文書をコピーし流出させたのかについて言及を拒否した。米軍の機密情報を不正入手したとして今月訴追された陸軍情報アナリストのブラッドリー・マニング容疑者についての質問にアサンジュ氏は、ウィキリークスが25日掲載した文書が「マニング氏につながりがある」との申し立ては知り得る限りない、と述べた。

 ただ、アサンジュ氏は、マニング容疑者の弁護士費用を負担していることを明らかにした。

 アサンジュ氏は、提供者は「こうした多くのケースへの関心を集めたい」との願望に基づき、文書を流出させた、と述べた。