[愛知知事選]大村秀章が県連の反対押しきって出馬する姑息な打算

(日刊ゲンダイ2010/11/16)

落ちぶれ自民からまた「造反者」

◆河村名古屋市長の支援で最有力候補とか

野党・自民党からまた「造反者」だ。しかも党と“対決モード全開”だから、ただごとではない。
TVタックルなどでおなじみの大村秀章衆院議員(50=比例東海ブロック)が、来年2月の愛知県知事選に出馬する意向を先週末に示した。自民党愛知県連は既に総務省出身の重徳和彦氏(39)の擁立を決め、党本部も近く推薦する予定だったが、大村がこれに反旗を翻し“宣戦布告”をした格好だ。

「額賀派の大村は東大・官僚出身を鼻にかけ、スタンドプレーも多いことから、自民党内で浮いた存在。完全に干されています。このまま衆院議員を続けていても、上がり目はない。また地元愛知13区には強力な民主党新人がいるため、焦った大村は愛知県知事選に出たいと何度もアピールしていました。しかし県連も党本部もこれを無視、代わりに若くて爽やかな重徳氏を知事選候補に選んだため、大村はコノヤローと思ったのでしょう」(地元紙記者)
15日には議員会館の廊下で大村と県連幹部が怒鳴り合いのケンカをしている姿も目撃されている。知事選を巡っては、民主党が元官僚の擁立を決め準備を進める中、自民党は分裂状態だが、意外にも現時点では「大村が当選最有力」との声が出ている。一体ナゼ? 前出の地元紙記者が続ける。

「元民主党の衆院議員で人気者の河村たかし名古屋市長が、大村の支援を表明しているからです。河村市長は『市民税の恒久減税化』や『市議の報酬カット』など大胆な改革を進めたいが、議会の抵抗があって思うように進まない。それなら飲み仲間で考えの近い大村を知事にして、一緒に機運を高めようという狙いです。河村市長は『大村は愛知から日本を変えるリーダーとしてふさわしい人』と持ち上げているが、自分の政策実現のために単に利用したいだけですよ」

そうとは知らず大村は既に有頂天になっているという。

県知事という職業は、落ちぶれた議員の再就職先ではないはず。愛知県民は、どんな民意を示すのだろうか。




※日刊ゲンダイはケータイで月315円で読める。
この貴重な媒体を応援しよう!
http://gendai.net/