仰天データ発覚! 流出調査でも「保身」に走った検察幹部の給与総額[年63億円]、全省庁[43億円]が束になってもかなわない
(日刊ゲンダイ2010/11/17)

トップは2900万円、デッチ上げ黙認部長は1900万円

検察が、尖閣ビデオを流出させた海上保安官(43)の逮捕を見送ったのは保身の結果だ。大阪地検の証拠デッチ上げ事件がくすぶる中、国民の批判を浴びる判断を避けたのである。そうまでして、検察が守りたいものは何なのか。仰天のデータが発覚した。
最近、法務省が国会に提出した1枚のペーパーがある。タイトルは「本省局長級以上と同等の給与を受けている検察官の人数及び年収」。この文書を見て驚くのは、検察幹部の給与体系が霞が関でもズバぬけて高いことである。
「他の省庁の局長クラスにあたる地検次席、部長など166人の年収は、約1900万円。


デッチ上げ黙認で逮捕された大坪弘道・前大阪地検特捜部長(57)も、このクラスです。海上保安庁長官のような外局の長官クラスにあたる最高検検事など82人は約2100万円です。他省に1人しかいない事務次官クラスの検事正や高検次席などが59人もおり、約2300万円を手にしています。検察ナンバー2の笠間治雄・東京高検検事長(62)の給与は約2500万円。トップの大林宏検事総長(63)の給与は、国務大臣と同じ約2900万円です」(ペーパーを見た国会議員)
締めて309人分の年収の総額は62億8700万円にも及ぶ。
ちなみに、検察庁の次に局長級以上の年収を得ている幹部の人数が多いのは国交省で、それでも計32人と検察の1割程度に過ぎない。検察庁を抱える法務省以外の省庁の幹部職員(局長クラス以上)の数は228人。


残る省庁の幹部が束になってかかっても、人件費のトータルは約43億円と、検察庁という1組織に遠く及ばないのだ。
「検察は他省庁と違って司法試験合格組が主要ポストを占めています。高額給与は、その特権意識を反映したものです。3権分立の日本では、建前上、行政府の長(首相)と司法の長(最高裁長官)の給与は同じですが、検事も判事と同じ司法試験に合格した存在です。そのため、検事と判事の給与に差をつけるのはオカシイという声がまかり通り、判事より数の多い検事の給与も、判事に準じる形で高給が保証されてきたのです」(司法関係者)

幹部ポストを乱発できる組織も全国50カ所の地方検察庁や、8カ所の高等検察庁と、他省庁に比べても多い。かくて、ベラボーな額の幹部給与を守るため、検察は今日も組織防衛にいそしむのだ。

◆検察幹部の高額給与の実態
―最高検察庁
事務次官級/検事正、高検次席など:24
外局の長官級/最高検検事など:11
本省の局長級/地検次席、部長など:0
―高等検察庁(8庁)
事務次官級/検事正、高検次席など:5
外局の長官級/最高検検事など:30
本省の局長級/地検次席、部長など:99
―地方検察庁(50庁)
事務次官級/検事正、高検次席など:30
外局の長官級/最高検検事など:41本省の局長級/地検次席、部長など:67
―総計
事務次官級/検事正、高検次席など:59
外局の長官級/最高検検事など:82
本省の局長級/地検次席、部長など:166

単位は(人)




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