[尖閣ビデオ流出事件]海上保安官 独占インタビュー映像の中身

(日刊ゲンダイ2010/11/18)

逮捕見送りで困った読売テレビ

◆「あいつは愉快犯、放送するな」の声も

中国漁船衝突の映像を流出させた海上保安官(43)が逮捕されず“解放”されたことに、一番ガックリしたのは大阪の読売テレビかもしれない。
読テレは保安官が10日に出頭する前、独占取材に成功。当然、インタビュー映像も撮っていて、中身は1時間以上の“大作”だという。しかし保安官は「逮捕されたら放映してよい」という条件も出したため、せっかくのスクープ映像が幻になりそうなのだ。
読テレの関係者がこう漏らした。

「これまでのウチの局の放送は“取材した記者が保安官の話した内容を説明する”という中途半端なものでした。そのためか視聴率も悪かった。『逮捕されろ』『肉声を流したい』と願う報道部員も多かったようです」
逮捕が見送られたことに大半の報道部員はガックリしたらしいが、意外にも一部の間には「逮捕されなくてよかった。あんなインタビューを放送してはダメだ」との声も出ているという。一体どういうことなのか?
「保安官の話す内容におかしな部分が多かったからです。『映像流出は誰かの名誉を害したのか』『映像公開は何かの違反になるのか』といった挑発的な部分もあるようです。『彼は正義の告発者ではなく、単なるお騒がせ男、愉快犯だ。そもそも流出させたことを上官に言う前に、テレビ局に電話すること自体おかしいだろう。逮捕されても、そんなヤツの言い分を流すべきではない』と、正論を吐く記者もいるそうです」(前出の関係者)
一方、キー局の日本テレビはそんな事情を知ってか知らずか、読テレに対し「何とか放送できないのか」「インタビューテープをこちらにくれないか」などと頼んでいるそうだ。

「読テレは仕方なく、保安官の携帯電話に連絡を取り、インタビューの放送を許可するよう頼んでいますが、断られているようです。『解放されたものの、任意捜査は続いており、下手なことを話して捜査当局を刺激したくない』という理由だそうです」(地元紙記者)

読テレ総合広報部は「事件は動いており、今後放送するのか、しないのか、お答えできません」とコメントしている。
この幻のインタビュー映像が、ユーチューブに流出しなければいいのだが……。




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