●柳田法相更迭へ 首相、補正成立を優先 後任に小川副大臣浮上
(産経新聞 11月20日(土)7時58分配信)


 菅直人首相は19日、国会を軽視する発言が問題視されていた柳田稔法相を更迭する方針を固めた。首相ら政権首脳部は当初、柳田氏を擁護する姿勢を見せていたが、このままでは政府・与党が今臨時国会の最重要課題に位置付けている平成22年度補正予算の成立が危ういと判断した。民主党幹部は同日、柳田氏更迭に伴う国会運営に関して野党と協議を開始した。後任の法相には小川敏夫法務副大臣らの名前が浮上している。

 民主党は柳田氏更迭の時期について、問責決議案提出前▽決議案提出直後▽決議案採決後-の3通りの選択肢を検討中だ。

 自民党は同日の参院予算委員会理事会で補正予算案採決に応じる条件として(1)柳田氏罷免(2)自衛隊関連行事での民間人の政権批判を封じた防衛事務次官通達の撤回(3)小沢一郎元民主党代表の国会招致(4)中国漁船衝突事件のビデオ映像の公開-を挙げた。また、自民党幹部らは同日午前、都内のホテルで会合を開き、柳田氏が辞任しない場合、22日に衆院に不信任決議案、参院に問責決議案をそれぞれ提出することを確認した。

 これに対して、柳田氏は改めて辞任しない考えを示し、菅首相も19日夜、「本人も深く反省して、『誠心誠意、頑張りたい』と言っている。頑張ってもらいたい」と、擁護する構えをみせた。

 だが、仙谷由人官房長官は同日の記者会見で、問責決議案が可決された場合について、「本人の意思だ。その時点でどういう意思なのか、状況次第で予測はしかねる」と柳田氏辞任に含みを残した。また、民主党の渡部恒三最高顧問は同夜、「(柳田氏は)同情に値しない。(可決されれば)辞めていただくしかない。その前にも辞める選択肢はある」と述べた。

 一方、表向きの動きとは別に、官邸サイドと民主党幹部は19日に会談し、補正予算成立を最優先する方針で一致した。さらに、民主、自民両党の幹部が同日会談。民主党側は柳田氏更迭と引き換えに補正予算案採決に応じるよう要請したが、自民党側は拒否した。

 政府・民主党は同日、後任法相の人事調整に着手した。複数の幹部が小川氏の名前を挙げている。


●失言、迷言 止まらぬ閣僚
(東京新聞 2010年11月19日 朝刊) http://p.tl/nj1Z


 閣僚メンバーの国会答弁の乱れが止まらない。十八日の参院予算委員会では仙谷由人官房長官の「自衛隊は暴力装置」発言に加え、蓮舫行政刷新担当相、岡崎トミ子国家公安委員長が従来と食い違う答弁や「迷言」を展開し、野党側の攻撃の標的になった。いずれも謝罪したが、柳田稔法相の国会軽視発言に続いて閣僚の答弁能力の弱さを露呈した。

 「暴力装置でもあり、ある種の軍事組織でもある」。防衛省が政治的発言をする第三者を行事に呼ばないように行政通達を出していた問題をめぐる質疑の中で、仙谷由人官房長官が自衛隊をこう表現すると、委員会室は騒然となった。

 仙谷氏は直ちに「実力組織」と訂正。さらに、野党から発言の撤回を求められると素直に応じ、「法律上の用語としては不適当だった」と頭を下げた。

 蓮舫行政刷新担当相は国会内でのファッション誌の写真撮影が再び、攻撃されて答弁に苦労。これまで、国会に提出した撮影許可願の目的欄に「議員活動の記録のため」と記入したのは、衆院事務局の「示唆によるもの」と説明していたが、この日は発言を一転、撤回。

 従来の答弁について「自分の誤解だった」と説明し、野党側に謝った。さらに蓮舫氏は独立行政法人に関する答弁でも野党側に事実誤認を指摘され、再び、発言を撤回し、謝罪した。

 岡崎トミ子国家公安委員長は二〇一〇年度補正予算案に盛り込まれた警察車両の配備先について十分に答えられなかったほか、質問に合わない答弁を続け、審議がたびたび中断。岡崎氏も答弁を撤回し、陳謝した。

 閣僚答弁の迷走について自民党の谷垣禎一総裁は「まさに政権末期状況だ」と述べた。




●仙谷氏、自衛隊は「暴力装置だ」発言 自民の抗議で直後に撤回し「謝罪する」
(産経新聞 2010.11.18 11:23) http://p.tl/cYBv


仙谷由人官房長官は18日午前の参院予算委員会で、自衛隊について「暴力装置でもある。特段の政治的な中立性が確保されなければいけない」と述べた。10日付の「隊員の政治的中立性の確保について」とする事務次官通達に関する質疑のなかで述べた。

 ただ、自民党の抗議を受けて、直後に撤回し、「実力組織と言い換える。自衛隊の皆さんには謝罪する」と陳謝した。



●仙谷氏“盗撮”発言 脇の甘さのすり替え 写真報道局長・渡辺照明
(産経新聞 11月17日 7時56分配信) http://p.tl/hPXe


 国会内の写真撮影に関する仙谷由人官房長官の一連の言動は写真報道にかかわる者として到底見過ごせないものだ。

 中国漁船衝突事件関係の「厳秘」資料の撮影をめぐり、仙谷氏が9日、衆院予算委員会で「望遠レンズで盗撮された」と発言したことに、産経新聞社など在京8社の写真部長会は直ちに文書で盗撮発言の撤回と謝罪を求めた。

 これに関連し、12日の衆院内閣委員会で仙谷氏は「釈然としないが(盗撮呼ばわりは)この場で撤回する」とした。ただ、国会内の撮影には「カメラが今のように望遠レンズで拡大をして非常に細かいものまで撮影できる時代の許可ではない。撮影のあり方も考え直す必要がある」ともいい、謝罪どころか、写真取材規制強化を言い出した。同日の記者会見でも「(野球場やサッカー場で使う望遠レンズを)狭い室内で使うのはコピーするのと同じ。改めて国会の内規慣行(見直し)を検討してほしい」と繰り返している。

 機器の進歩が著しいのは確かだが、望遠レンズは国会内でも長年使用してきた通常の機材であり、決して特殊なものではない。

 ペンであれ、カメラであれ、国会内で何が行われているかを読者に伝えるのが記者の仕事だ。審議の一部始終、議員の表情、一挙手一投足に注視し、シャッターを切る。秘密会でない限り、そこで行われることはすべて公なのである。

 責めるべきは、厳秘資料を公の場で撮影された自身の脇の甘さであろう。それを望遠レンズでコピーされたなどというのは問題のすり替えではないか。正当な取材活動を「盗撮」といい、不適切発言を認めつつ謝罪せず取材規制強化をちらつかせる。望遠レンズでみているのはカメラマンだけではなく、国民であることをお忘れのようだ。われわれが危惧(きぐ)するのは、こうした仙谷氏の意識である。



●仙谷、蓮舫氏も失言…連合会長「みんな空回り」
(読売新聞 2010年11月19日10時07分) http://p.tl/4bPx


 菅内閣の閣僚の失言や発言撤回が止まらない。

 18日の参院予算委では、前日に柳田法相の発言を厳重注意したばかりの仙谷官房長官が、自衛隊について「暴力装置でもある」と発言し、直後に撤回、謝罪した。

 国会内でファッション誌の写真撮影をした蓮舫行政刷新相も、過去の答弁を撤回。民主党最大の支持団体である連合の古賀伸明会長は同日の記者会見で「みんなが空回りしている。原点に返って立て直すべきだ」と苦言を呈した。

 仙谷氏の「暴力装置」発言は、防衛省が政治的な発言をする部外者を関連行事に呼ばないよう求める次官通達を出したことに関する答弁の中で飛び出した。

 「暴力装置」という言葉は、かつて自衛隊違憲論を唱える人々が使っていたこともある表現だ。仙谷氏は、野党側の激しいヤジを浴び、「じゃあ実力組織と訂正させていただく」と語ったが、質問した自民党の世耕弘成氏の抗議で撤回。「法律上の用語としては不適当なので、自衛隊の皆さん方には謝罪する」と述べた。

 次官通達をめぐっては、前日に「自民党内閣でも、たぶん同じことをするだろう」と述べ、その後発言を撤回した北沢防衛相も18日、この問題に絡む追及に「質問者もしっかり事実関係を調べて」と反論し、審議が紛糾した。

 蓮舫氏は、国会内での写真撮影をした際、撮影許可申請で「議員活動の記録のため」とした理由について、10月の答弁で「事務局の示唆」としたことを問いただされると、「私の誤解だった。示唆はなかった」と発言を撤回、謝罪した。

 今国会ではこれまでも、仙谷氏が、政府参考人の官僚に「将来を傷つける」とどう喝的な発言をしたり、国会内での写真取材を「盗撮」と表現して謝罪や撤回を重ねたりするなど、閣僚発言が問題視されるケースが相次いでいる。



●法相?えーっ何で俺が…柳田法相の発言要旨
(読売新聞 2010年11月18日10時43分) http://p.tl/m17k


 柳田法相が14日に広島市で開かれた法相就任を祝う会合での発言要旨は次の通り。


 「9月17日(の内閣改造の際)新幹線の中に電話があって、『おい、やれ』と。何をやるんですかといったら、法相といって、『えーっ』ていったんですが、何で俺がと。皆さんも、『何で柳田さんが法相』と理解に苦しんでいるんじゃないかと思うが、一番理解できなかったのは私です。私は、この20年近い間、実は法務関係は1回も触れたことはない。触れたことがない私が法相なので多くのみなさんから激励と心配をいただいた」

 「法相とはいいですね。二つ覚えておけばいいんですから。『個別の事案についてはお答えを差し控えます』と。これはいい文句ですよ。これを使う。これがいいんです。分からなかったらこれを言う。これで、だいぶ切り抜けて参りましたけど、実際の問題なんですよ。しゃべれない。『法と証拠に基づいて、適切にやっております』。この二つなんですよ。まあ、何回使ったことか。使うたびに、野党からは責められ。政治家としての答えじゃないとさんざん怒られている。ただ、法相が法を犯してしゃべることはできないという当たり前の話。法を守って私は答弁している」




●防衛省通達問題の当事者、入間航友会会長が激白「日本をつぶす気か」
(産経新聞 2010.11.19 00:17) http://p.tl/B5N1


民主党の体質を露呈した航空自衛隊入間基地の航空祭=3日、埼玉県狭山市 防衛省が、自衛隊施設内での民間人による政権批判発言を封じ込める事務次官通達を出したことが、国会で大問題となっている。こうした中、きっかけとなる発言を行った民間団体「入間航友会」の荻野光男会長(88)が17日、夕刊フジの単独取材に応じた。荻野氏は「自民党政権時代から、自衛隊や政治に苦言を呈してきたが、今回突然、民主党政権が言論封殺に出てきた。民主党は『言論の自由』を奪い、日本をつぶす気なのか」と激白した。(夕刊フジ)

[発言要旨]「菅政権つぶして自民党政権に」
 荻野氏が注目の発言をしたのは今月3日、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)で開かれた航空祭でのことだ。地元病院の理事長で、1962年に自衛隊を後援する「入間航友会」を立ち上げた荻野氏は、途中から30年ほど同会会長を務めている。例年同様、約3000人の招待客の前であいさつした。

 これを伝え聞いた北澤俊美防衛相ら政務三役が激怒して、前代未聞の次官通達に発展したというが、今回の通達について、荻野氏は「とんでもない話だ。『民主党よ、ふざけるな!』と言いたい」といい、こう続けた。

 「私は以前から、原稿なしで自由にあいさつしてきた。自民党政権時代も、民間人の立場で、自衛隊や、当時の政治に対する思いのたけを述べてきた。さんざん苦言や文句も言ってきた。航空祭には、自民党の大臣や議員もたくさん来たが、これまで一切抗議はなかった。それが、政権交代した途端、民主党は『批判するのはケシカラン』と言い出した」

次官通達は、荻野氏の発言を、自衛隊法などの「政治的行為の制限」違反との誤解を招く「極めて不適切な発言」と断じたうえで、(1)政治的行為と誤解されることを行わないよう参加団体に要請(2)誤解を招く恐れがある場合は参加を控えさせる-などの対応策を指示している。

 民主党政権の逆鱗に触れた荻野氏は「民主党はかつて『徹底的な情報公開』『国民目線の政治』などを掲げていたが、やっていることは正反対だ。私は別に、個人を誹謗中傷したわけじゃない。政権や政党は批判されるのが当たり前ではないのか。現に、あいさつした後、大勢の人が『よく言ってくれた』『その通りだ』と握手を求めてきた」という。

 そのうえで、「民主党は化けの皮がはがれた。このままでは、言いたいことが言えない世の中になる。来年の航空祭でも、私は同じように自由に発言する。国会に呼ばれたら、堂々と出ていく。私は『言論の自由』を守るために、断固として戦っていく」と宣戦布告した。

 これに対し、「影の宰相」こと仙谷由人官房長官は17日の記者会見で、「外部の人がどこまで言っていいのか。『政権をつぶす』とは相当、荒々しいことであるのは間違いない」といい、民間人であっても一定の発言制限は必要だとの考えを示した。

 果たして、国民はどう判断するのか。



●防衛事務次官通達の要旨 
(共同通信 2010/11/17 02:02)  http://p.tl/1vnx


 防衛事務次官通達15件の要旨は次の通り。


 【隊員の政治的中立性の確保について】


 先般、自衛隊施設内での行事で協力団体の長があいさつし、施設を管理する自衛隊側が自衛隊法や同法施行令の政治的行為の制限(政治的目的のために国の庁舎、施設を利用させること等を禁止)に違反したとの誤解を招くような極めて不適切な発言を行った。

 防衛省・自衛隊としては、かかる事案が二度と起きないよう各種行事への部外団体の参加等については、下記の通り対応することとする。

 一、各種行事への部外団体の参加にかかわる対応

 防衛省・自衛隊が主催またはその施設内で行われる行事に部外の団体が参加する場合は、施設を管理する防衛省・自衛隊の部隊や機関の長は以下の通り対応する。

 ▽当該団体に対し隊員の政治的行為の制限を周知するとともに、隊員が政治的行為をしているとの誤解を招くことがないよう要請する。

 ▽当該団体の行為で、隊員が政治的行為をしているとの誤解を招く恐れがあるときは当該団体の参加を控えてもらう。

 一、部外行事への隊員の参加にかかわる対応

 隊員が防衛省・自衛隊の施設外で部外団体が主催する行事への参加を依頼され、その参加が来賓としてのあいさつや紹介を伴う場合は、当該隊員は以下の通り対応する。

 ▽当該団体に対し、政治的行為の制限について周知する。

 ▽参加を依頼された行事に政治的行為の制限に抵触する恐れのある内容が含まれていないことを確認し、確認できないときは行事に参加しない。



●テロ情報流出疑惑に、岡崎トミ子大臣、事態理解せず?記者に「警察のもの?」と逆質問
(産経新聞 2010.11.2 11:28)  http://p.tl/oeS9

 警視庁公安部外事3課の内部資料の疑いがある文書がインターネット上に掲載された問題について、岡崎トミ子国家公安委員長は2日、閣議後の記者会見で、流出文書が「警察の資料か否かも含め調査中」と報告を受けていながら、「警察のものですよね」と記者に聞き直す一幕があった。事態をきちんと理解していなかったとみられ、改めて危機管理能力が問われそうだ。

 岡崎氏はまず、「報告は受けています。警察で調査中ということですので答えは差し控えたい」としたうえで、情報管理の重要性は「きちんと警察に指示している」と述べた。「感想はないのか」と問われると、「大変遺憾に思っている。情報はしっかりと管理しなければならない。あってはならないものだったと思っている」と説明した。

 この発言に対して別の記者から「なぜ遺憾なのか。警察の資料ということが前提なのか」と質問を受けると、「警察で保管されているものかも含めて調査中ということ」と想定問答通りに回答した。

 しかし、「警察のものでなければ遺憾に思う理由は」と尋ねられると、「警察で管理しなければならないものがネット上に出ていると、こういうことですよね?」と逆質問。この後、矛盾に気付いたのか、「元に戻しまして」とわれに返り、「警察で調査中ですので答えは差し控えたいと思っている」と繰り返した。



●「慰安婦デモ」の岡崎トミ子議員が国家公安委員長になる怪
(週刊ポスト2010年10月8日号) http://p.tl/M1ch


多くの報道が指摘するように、菅直人改造内閣の人事を仕切ったのは仙谷由人官房長官だった。仙谷人事というと、「反小沢」と、自ら率いる凌雲会(前原グループ)の重用が指摘されるが、もうひとつ見逃せないのが、社会党時代から気の合う「全共闘仲間」との関係である。

 今回の改造では、岡崎トミ子・国家公安委員長、細川律夫・厚労相、松本龍・環境相と、あの村山内閣に匹敵する、大量の社会党出身大臣を生みだしたのである。

 岡崎氏の起用は、早くも物議をかもしている。部下になった警察キャリアはこう指摘する。
「あんなバリバリ左翼の活動家が、よりにもよって警察、公安を指揮するなどブラックジョークですよ。他の省庁では官僚シンパの仙谷さんを歓迎する空気が強いようですが、われわれは危機感を抱いている」

 岡崎氏は03年に、韓国で日本大使館への抗議デモに参加したことがある。いまや、旧社会党と左翼弁護士、そして朝日新聞のデッチ上げであることがほぼ確実となっている従軍慰安婦問題に関連し、「日本は謝れ!」と、信じがたいトンチンカンな声をあげていたのだから、本来なら国益を代表する国会議員になる資格すら疑われるのだが、それを大臣、それも公安担当にするなど言語道断だ。

 前出のキャリアはこうも指摘する。「仙谷さんと対立してきたセクトは震え上がっているんじゃないですか。公安の持つ左翼団体の情報は、岡崎大臣を通じて筒抜けですからね」閣僚人事すら内ゲバに使うのではないかと冷笑されているのである。



●岡田氏「何も決めてない」法相辞任・更迭を否定
(読売新聞 11月20日(土)14時45分配信) http://p.tl/sEod


 民主党の岡田幹事長は20日昼、野党が提出を予定している柳田法相の問責決議案について、「党として何も対応を決めていない」と述べ、法相の辞任や更迭を否定した。

 菅首相が19日夜に法相を続投させる方針を記者団に示したことに関しては、「(考えは)首相と同じだ」と述べた。仙台市内で記者団に語った。 最終更新:11月20日(土)14時45分