沖縄知事選のカギを握る「第3の男」

(日刊ゲンダイ2010/11/25)
[28日投開票]仲井真、伊波が大激戦

28日投開票の沖縄県知事選の行方が混沌としてきた。現職の仲井真弘多(71=無現・公明、みんな推薦)、伊波洋一(58=無新・共産、社民、国民など推薦)、金城竜郎(46=諸新)の3候補が最後の争いを繰り広げている。
選挙戦は事実上、仲井真、伊波の一騎打ち。序盤は仲井真が一歩リードしていたが、終盤になって情勢は一変した。
「先週末のメディアの情勢調査では、形勢は逆転し、伊波が僅差でリードしています。県外からも1000人以上が応援に入っている。無党派層をかなり取り込んでいるとみられています。全般に県民の関心は高く、地元メディアの調査では『投票に行く』が94・5%に達しました」(地元関係者)
一連の調査では、焦点の辺野古移転問題は、「反対」が7割近くに達している。県内移設を明確に否定する伊波に対し、もともとは辺野古移設を容認していたが、告示直前になって県外移設を掲げざるを得なくなった仲井真。表向きは県外移設派候補同士の争いに映る。これに危機感を募らせているのが米国だ。
ワシントン・ポスト(電子版)は20日、選挙結果は日米同盟をゆがめる恐れがあるとの見方を示した。
残り1週間を切った選挙戦。激戦が続くが、ここへきて意外な見方が浮上している。第3の男・金城の得票数が、有力2候補の勝敗の帰趨(きすう)を決めかねないというのである。
「幸福実現党の金城は昨年の総選挙、この夏の参院選に続く出馬です。今回は、日米合意に基づく辺野古移転による早期の危険性除去や、尖閣諸島をはじめとする先島全般への自衛隊配備強化などを訴えています。参院選の得票は約1万票。知事選の投票率が上がれば、保守層や無党派層からも票が流れるかもしれない。2万票を上回るといった見方も出ている。前回の知事選は仲井真が34万7303票を獲得し、糸数慶子(現参院議員)に約3万7000票差で勝ったが、今回、大接戦になると、最終的に金城の得票が選挙結果のカギを握るかもしれないのです」(政界関係者)
そんなところに起きた北朝鮮の砲撃。これが、どういう影響を与えるか。最後の最後まで何が起きるか分からない選挙である。