関係修復は不可能!鳩山"ズル菅"への不信感ピーク  (日刊ゲンダイ2010/11/29)

昼食・政府専用機・首相代理で政権運営への協力求めるセコさにブチ切れ

仙谷・馬淵の問責可決に慌てた菅首相がまっ先にすがった相手は、鳩山由紀夫前首相だった。このところ鳩山は、「(菅政権は)いまひとつ何をしたいのかわからない」と、講演などでチクチク政権批判を展開している冷めた関係。昼食を共にしながら、菅は鳩山に政権運営への協力を求めたというが、“懐柔策”の効き目はゼロだ。鳩山の“ズル菅”への不信感は頂点に達していて、関係修復はとても無理だというのだ。
昼食会談で菅は鳩山に、2022年のサッカーW杯の日本招致のため、12月にスイスで開かれる国際サッカー連盟の最終プレゼンテーションに出席するよう頼んだ。しかし鳩山は「あまり期待しないで欲しい」「あなたが出席したらいい」と冷ややかだった。菅は「政府専用機を用意する」と持ち上げ、“首相代理”をちらつかせたというが、「これこそ、鳩山さんをバカにした話」と鳩山に近い関係者は憤る。

「尖閣問題に北朝鮮の砲撃と、今、外交では中国や韓国との関係が重要です。鳩山さんは自分のパイプでできることがあるのではないかと思っているのに、菅さんは鳩山さんを外交の本筋には触らせない。W杯のプレゼン程度でお茶を濁して、関係修復なんて虫がよすぎます」
行動が読めない“宇宙人”と揶揄(やゆ)されながらも、鳩山本人は菅政権の安定のためにいろいろ努力してきたつもりらしい。だが菅にことごとく裏切られ、可愛さ余って憎さ百倍なのだ。

「きっかけは、9月の代表選告示直前の例の菅・鳩山会談です。『トロイカ復活』のレールを敷き、いったんは菅さんもそれに乗ったのに、仙谷さんや野田さんに激怒され撤回してしまった。まずアレで鳩山さんの菅さんへの不信感は決定的になりました。さらには、10月末のベトナム訪問時のこと。首相時代から鳩山さんは原発や新幹線の海外売り込みを進めていたので、ASEAN首脳会議が開かれる前に、一議員として自発的にベトナムを訪問し、菅さんのために地ならしをしておこうとしたのです。ところが、それを察知した菅さんは松本外務副大臣を鳩山さんに同行させ、『鳩山さんに手柄を取らせるな。目立たせるな』と監視役を命じていたことがわかった。鳩山さんは好意で政権に協力しようとしたのに、菅さんの嫌がらせにブチ切れでした」(鳩山側近)

仙谷を切って、小沢を政権に登用し、衆院選マニフェストの理念に戻る。菅がこれぐらいの本気度を見せない限り、菅―鳩山の“冷戦”は終わらない。





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