人気優先「脱仙谷」改造リストのアホらしさ  (日刊ゲンダイ2010/12/1)

官房長官に蓮舫だって!?

◆菅は小沢に頭を下げて挙党一致しろ

─親菅グループも「人心一新すべき」
菅首相は仙谷官房長官のクビを切るしかない――。

民主党内でこんな声が強まっている。スーパーリアリストの菅にとっては、自分が総理に居座り続けることが最優先事項。早くも永田町では“脱仙谷”改造リストまで出回っている。「仙谷切り」は当然だが、改造するなら、本格内閣をつくるしかない。ただの人気取りではダメだ。
「いざとなったら菅さんは平気で『仙谷切り』をするんじゃないか。2人の関係はもともと良くはない。菅さんの方が超リアリストだから」
菅と仙谷の両方をよく知る関係者は、こうホンネを漏らす。不発に終わったものの、実際、菅は鳩山前首相に突然会ったりと、独自に巻き返しに動いているのがその証左だ。
仙谷官房長官と馬淵国交相が出席する審議には出ない、と野党が強硬姿勢を崩さない以上、来年1月の通常国会までに2人を交代させないと、民主党政権は持たない。そこで、来年度予算編成後に菅が改造に動くのではないか、という観測が今、“反菅”“親菅”双方から湧き起こっている。
実際、民主党議員が作ったとみられる「改造リスト」まで出回っている。
あるリストは、小沢系議員を多数入閣させるというもので、「岡田克也官房長官、鳩山由紀夫外相、細野豪志幹事長、玄葉光一郎政調会長、川内博史沖縄担当特命相、原口一博防災担当特命相、田中康夫少子化担当特命相、山岡賢次財務相」の名前が並ぶ。

菅支持のグループでも「人心一新すべきだ」との主張が相次ぎ、「官房長官に江田五月前参院議長」という声が上がった。

ベテラン政治記者がこう言う。
「通常国会を見据えれば、年内、もしくは年明け10日くらいまでに改造するしかない。目的は国民の支持率と党内支持率の回復。菅さんの頭にあるのは、国民向けには人気者を目玉にすること。党内向けには小沢グループ、鳩山グループを入閣や執行部入りさせ、挙党一致を実現することです」
他に党内のリストで挙がる名前はこんな感じだ。
「仙谷は無役、もしくは副代表、代表代行、幹事長代理。目玉の官房長官は“菅政権のカバーガール”の蓮舫。事業仕分けが終わって蓮舫はやることがないからちょうどいい。幹事長は樽床か細野か原口。岡田が幹事長留任なら、この3人は入閣でもいい。そして、真の挙党一致と言うなら、野田、玄葉、前原は留任させてもいい」(民主党中堅議員)

他の顔ぶれはともかく、蓮舫が官房長官!? おいおい、ただの人気取りがバレバレだ。ロクな国会答弁もできないヤツに、政権の要のスポークスマンが務まるわけがない。きのう(30日)、田中真紀子が「早い時期に大改造すべき。首相は退陣が嫌であれば、好き嫌いを言わず、あまねく人を募るしかない」と言っていたが、この発言は彼女には珍しく(!)正論だ。菅がさっさと小沢に頭を下げて、適材適所、挙党一致の人事を断行するしか、民主党政権が生き残る道はないのである。



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