仙谷長官 6年前の「年金未納」発言 基礎年金の財源問題で命取りになる

(日刊ゲンダイ2010/12/7)

通常国会の話題はむしろコレ

「オレにも年金の未加入期間がある」「オレたちの時代の弁護士は、誰も払っていなかった」――今から6年前、04年5月の仙谷官房長官の発言である。都内のホテルで行われた民主党の政治資金パーティーの会場で自分の「年金未納」を親しい知人に打ち明けていた。
この頃、政界には“年金未納スキャンダル”の嵐が吹き荒れていた。福田康夫官房長官や、民主党代表だった菅が辞任に追い込まれるなど、一大政局に発展したが、当時の仙谷は民主党の憲法調査会長。たいした役職ではなかったため、年金未納をアッサリと認めたのだろう。しかし、今は立場も状況も違う。
来年度予算編成の焦点に、基礎年金の国庫負担分2・5兆円の財源不足が浮上。菅政権にとって仙谷の“年金未納”が命取りとなりかねない。
「埋蔵金をやりくりし、来年度予算編成は何とか捻出のメドが付きました。しかし、恒久財源がない状況は変わりません。所得税や消費税アップをもくろむ財務省の主張通り、負担割合を元の36・5%に戻すとか穴埋めに年金積立金を取り崩すといった議論が来年の通常国会で始まる。そんな中で仙谷官房長官個人の年金問題が表面化したら大変なことですよ」(官邸事情通)
それこそ福田が官房長官辞任に追い込まれた状況とダブってくる。
「6年前、『役所のミスだ』と年金未納の釈明を続けた菅氏に代表を降りるよう説得したのは、仙谷氏でした。後に菅氏の主張が正しかったことが判明しましたが、仙谷氏は『今辞めないと傷が大きくなる。君のためだ』と熱心に口説き落とした。新代表の最右翼だった小沢元代表にも年金未納が発覚し、岡田・現幹事長にお鉢が回り、仙谷氏は政調会長に返り咲いた。就任にあたって岡田新代表に『幹事長以外は年金未納は不問にする』という条件をのませる手際の良さでした」(民主党関係者)
いやはや、たいしたタマだ。悪いことは言わない。菅首相は石にかじりついてでも政権を維持したいのなら、仙谷をサッサとクビにした方が身のためだ。




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