[公判は来春か!?遅れる小沢強制起訴]裏に検察の姑息な思惑

(日刊ゲンダイ2010/12/14)

統一地方選直前の仰天情報も
準備に手間取っているのはウソ!? ――年内とみられていた強制起訴が年明けにズレ込むことが確実となった小沢裁判。起訴と公判を担う検察官役の指定弁護士が、補充捜査などの検討を続けていることが理由とされているが、ここにきて「ワザと遅らせている」との見方が浮上してきた。
そもそも強制起訴を決めた東京第5検察審査会(検察審)は、検察の不起訴処分を「首肯し難い」と断じている。本来なら議決書に従ってサッサと起訴すればいいのに、何をモタついているのか。
「補充捜査とは聞こえはいいが、要するに証拠がないのです。最高裁の判例では『有罪判決を期待しうる合理的な根拠が客観的に欠如している場合の公訴提起は違法』としている。検察官は検察審に対し『合理的な嫌疑ナシ』と説明しているから、このままだと、違法は明らか。ヘタすれば指定弁護士も訴えられかねない。それで暗中模索しているというワケです」(司法ジャーナリスト)
まっ、最初から無理スジの案件だから、予想された展開ではある。検察官役を引き受けた指定弁護士は気の毒としか言いようがないが、“原因”をつくった検察周辺からは、こんなシナリオが漏れてくる。
「公判日程を来春の統一地方選直前にぶつける“奇策”です。起訴は指定弁護士が行うとはいえ、検察の協力抜きにはあり得ない。日程は検察のサジ加減でどうにでもなる。小沢裁判は公判前整理手続きや日程が決まるだけで、大マスコミの『政治とカネ』報道がワンワン始まり、民主党は全国で惨敗するでしょう。そうなると、また小沢責任論が出てきて、裁判の細かな中身は吹っ飛ぶし、民主党も持たない――。
検察が描く構図はざっとこんなところでしょう。検察は『小沢裁判』を開く絶好のタイミングを狙っているのです」(前出の司法ジャーナリスト)
これが本当なら明らかな政治利用だ。この国の検察は救いようがない。



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